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2009/8/26 第229号
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◇目 次◇
1新着情報
・本日の報道発表
2現場レポート
「海上交通サービスの維持・活性化へ」
~海上交通運航計画策定支援システムを構築~
◆現場レポート
○海上交通サービスの維持・活性化へ
~海上交通運航計画策定支援システムを構築~
(中国運輸局交通環境部消費者行政・情報課)
当運輸局管内には、長い歴史と風光明媚で有名な瀬戸内海があります。
瀬戸内海は国立公園に指定され、山陽と四国を結ぶ交通網は、道路、鉄道の
3架橋(神戸・鳴門ルート、児島・坂出ルート、尾道・今治ルート)のほか、
フェリー・旅客船などの海上交通もあります。
しかし、豊かな自然を有し多島海景観を構成している瀬戸内海島しょ部は、
本土の多様な交通手段に対し、海上交通が唯一の交通手段です。
瀬戸内海島しょ部は、離島振興法の離島振興対策実施地域の有人離島だけで
も約55,000人(平成17年国勢調査)の人々が暮らし、中山間地域と同様、島
しょ部住民の生活の安全・安心を確保する上で、海上交通の確保はきわめて重
要な課題となります。
ライフラインである離島航路の現状は、離島における産業の衰退による人口
減少、本土より急速な高齢化という長期的・構造的な要因などによって、輸送
人員の大幅な減少と加速的な運賃収入の減少、また、昨秋までの燃料費の大幅
な高騰により航路欠損の増大が顕著となり、航路事業者の経営努力のみで対応
できる範囲を超えて、航路サービスの大幅切り下げ、又は航路廃止、無人島化
の危機に直面する事態となっています。
これに対し国土交通省海事局は、「離島航路補助制度改善検討会」を設け、
将来にわたる離島航路の維持・活性化のための方策について幅広い検討を行っ
た結果、本年度から平成25年度までの5年間を「集中改革期間」とし、幅広
い関係者によって構成される「航路改善協議会」において、離島航路の維持・
活性化に向けた検討を行うこととしています。
このような流れを踏まえ、当運輸局では、今後の離島航路の維持・活性化の
ための関係者による計画策定を支援するため、既存の「地域バス運行計画策定
支援システム(ComPASS)」の設計思想を活用しつつ、GIS(地理情
報システム)上で各種シミュレーションが可能な海上交通分析システムとして、
「海上交通運航計画策定支援システム(Sea-ComPASS(※))」を
産学官との連携により構築しました。
※Sea-ComPASS(シー コンパス)
Sea & Land Community Transport Planning Aid Simulation Systemの略
本システムは、
(1)集落・人口・拠点施設や離島航路などの現況分析
(2)1年間の航路利用客や運航経費などの採算性
(3)島に暮らす人達の活動の可能性(目的別)
(4)「暮らしやすさ」や「交通サービスに対する満足度」の評価
を分析・評価し、生活や地域の振興に必要な離島の海上交通サービスの計画・
策定を支援するシステムです。
先般、 8月19日、20日の両日で、自治体担当者に向けた「中山間地域及び島
しょ部における公共交通サービスのあり方勉強会」を開催したところですが、
今後も、自治体や航路改善協議会等の関係者に普及促進を図り、関係者の活用
を通じて得られた知見やニーズを踏まえ、データの整備やシステム改修等を継
続し、なお一層の「離島に住む人たちの安全・安心な生活の確保」の支援を目
指していきます。