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2009/9/16 第244号
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◇目 次◇
1新着情報
・本日の報道発表
・人事異動(9月16日付け)
2現場レポート
「津波から地域を守りたい!」
~ 世界初の浮上式津波防波堤を整備 ~
3募集してます
・パブリックコメント(意見募集)
◆現場レポート
○津波から地域を守りたい! ~ 世界初の浮上式津波防波堤を整備 ~
(近畿地方整備局 和歌山港湾事務所)
和歌山県沿岸域は、今後30年以内に50%~70%程度の確率で発生する
と考えられている東南海・南海地震などに伴う津波により、広範にわたり甚大
な被害が危惧されています。
特に海南市の沿岸域では、地震発生に伴う津波により、和歌山県下最大クラ
スの浸水被害が予測されています。この津波浸水被害の予測区域には、行政・
防災機関や主要交通網があることから、人的被害はもとより、発災後の危機管
理体制や緊急輸送ネットワークの確保に大きな影響を及ぼすとともに、復興の
長期化が懸念されています。
また、沿岸部には鉄鋼、電力など多様な産業集積地が形成され、世界的シェ
アを誇る企業も立地していることから、我が国のみならず世界経済への影響も
懸念されます。
当事務所では、これら津波被害から人命や財産、地域の諸機能を守るため、
今年度から抜本的な津波対策事業を実施しています。海南地区臨海部の第一線
に防護ラインを配置し、護岸及び防波堤の補強・嵩上げと津波防波堤(可動式
を含む)の設置を組み合わせた施設の整備です。
今回、和歌山下津港の開口部で計画を進めている浮上式津波防波堤は、平常
時は海底面下にあり、津波来襲時にのみ浮上する防波堤で、津波終息後は、再
び海底に戻します。このため、平常時は船舶が自由に航行することができます。
なんと、この浮上式津波防波堤は世界初の施設となります。
去る6月14日には、海南市民会館において、和歌山下津港(海南地区)
津波対策協議会の主催による「一緒に考えよう!津波と暮らしと安全」と題し
た海南津波防災シンポジウムが開催され、海南市民を中心に約350人もの方
に来場いただきました。
住民参加型シンポジウムにふさわしく、行政や地元企業、住民の皆さんから、
津波の怖さと津波が来ることを知らせる必要性(情報伝達)、逃げることの
大切さ(避難)、津波防波堤の早期完成の必要性、要望など活発な意見交換が
行われ、津波や津波対策に対して共通認識を持っていただく良い機会になった
と思います。
今後も、地元企業、住民の皆さんの意見をふまえ、地域の安全・安心を守る
ため、一日でも早い事業の完成をめざして取り組んで行きます。