本チュートリアルでは、3D都市モデル標準製品仕様書を理解するための基礎知識として、3D都市モデルの「データモデル」を解説しました。
下記に、別資料として整備されているオンラインマニュアル及びチュートリアルそれぞれの内容を記載します。3D都市モデルへの理解度の向上や標準製品仕様書を読む上での参考としてご活用ください。
3D都市モデル標準製品仕様書のオンラインマニュアル
3D都市モデル標準製品仕様書のUMLクラス図、定義文書及びコードリストを対応付け、各クラスの構造と定義を参照しやすくするためのマニュアル。
XMLスキーマのオンラインマニュアル
3D都市モデル標準製品仕様書で使用されているCityGML及びi-URのElement、ComplexTypeの構造や内容、サンプルXMLデータを参照するためのマニュアル。
XMLスキーマのチュートリアル
3D都市モデル標準製品仕様書を活用していく上で必要となるXML及びXMLスキーマの基礎知識を学ぶためのチュートリアル。
1. 地理情報標準プロファイル Japan Profile for Geographic Information Standards (JPGIS)2014 (国土地理院, 2014, https://www.gsi.go.jp/GIS/jpgis-downloads.html)
2. OGC City Geography Markup Language (CityGML) Encoding Standard (CityGML) (Open Geospatial Consortium, 2012, http://www.opengis.net/spec/citygml/2.0)
3. 3D都市モデル標準製品仕様書(国土交通省都市局, 2024, https://www.mlit.go.jp/plateaudocument/)
4. 地理情報標準認定資格初級技術者講習テキスト(公益財団法人日本測量調査技術協会, 2024)
5. 地理情報標準認定資格中級技術者講習テキスト(公益財団法人日本測量調査技術協会, 2024)
6. 地理情報標準プロファイルのデータ・ガイドブック 新訂 JPGIS入門 -JPGIS 2014 対応-(公益財団法人日本測量調査技術協会, 2024)
この用語集では、データモデルをはじめて学ぶ方を想定し、本書に登場する用語を、比較的平易な言葉を用いて説明しています。
そのため、JPGISや3D都市モデル標準製品仕様書などの技術文書における用語の定義と、厳密には異なることにご注意ください。また、説明文作成にあたり参考とした参考文献の番号を示していますので、必要に応じてご参照ください。
No |
用語 |
ふりがな |
説明 |
参考となる本書の章・節・項 |
参考文献の番号 |
1 |
3D都市モデル |
すりーでぃーとしもでる |
都市空間の地物及び属性を都市スケールで3次元的に再現したCityGML形式のデータ。 |
3 |
|
2 |
3D都市モデル標準製品仕様書 |
すりーでぃーとしもでる |
国土交通省都市局が策定した、各都市において 3D 都市モデルを整備する際にその製品仕様を適切に作成でき、かつ、各都市の製品仕様に従って整備された 3D 都市モデルが国際標準に準拠したものになることを目的として提供する標準文書。 |
3 |
|
3 |
ADE |
えーでぃーいー |
Application Domain Extensionの略。CityGMLがもつ、目的に応じて必要な地物や属性を拡張する仕組み。 |
2,3 |
|
4 |
CityGML |
してぃじーえむえる |
OGCが策定した、3次元で都市空間を記述するためのデータモデルとフォーマットを定めた国際標準。フォーマットは、地理空間情報に特化した XML である GML(Geography Markup Language)を拡張している。 |
2 |
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5 |
ISO/TC 211 |
あいえすおー |
ISOは、International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略である。ISOは、国際的な標準化団体であり、ISO/TC 211はISOの中に211番目に設置された、地理空間情報に関する国際標準を策定する専門委員会である。ISO/TC 211が策定した国際規格は、ISO19100シリーズと呼ばれる。 |
1 |
|
6 |
i-UR |
あいゆーあーる |
内閣府地方創生推進事務局が策定した、CityGMLを拡張したADEの一つ。都市計画や都市再生に特化した地物や属性を定義したデータモデルと、データモデルに対応するXMLスキーマから構成される。 |
3 |
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7 |
LOD |
えるおーでぃー |
Levels of Detailの略。CityGML において、3D 都市モデルの詳細さの度合い(詳細度)を示す指標。一つのオブジェクトの幾何をその利用や可視化の目的に応じて、複数の段階に抽象化することを可能とする、マルチスケールなモデリングの仕組。 |
2, 3 |
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8 |
OGC |
おーじーしー |
Open Geospatial Consortiumの略。OGCは、地理空間情報に関する標準化団体である。 |
2 |
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9 |
UML |
ゆーえむえる |
Unified Modeling Language(統一モデリング言語)の略。オブジェクト指向のシステム開発で使用するモデリング言語であり、場面によって使い分けることができる複数の図が定義されている。 |
1 |
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10 |
UMLクラス図 |
ゆーえむえるくらすず |
UMLの図の1つであり、システムに存在する「モノ」が性質として持っている構造(クラス)と、それらの関係を表現する図。 |
1,4,5,6 |
|
11 |
XML |
えっくすえむえる |
eXtensible Markup Language(拡張可能なマークアップ言語)の略であり、インターネット上で使用される様々な技術に関する国際的な標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)が定めたデータの記述言語。 |
1,4,5 |
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12 |
XMLスキーマ |
えっくすえむえるすきーま |
XMLで使用できるタグやタグの構造を定義する文書。 |
1,4,5 |
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13 |
応用スキーマ |
おうようすきーま |
地理空間データのデータモデル。 |
1,4,5,6 |
|
14 |
オブジェクト |
おぶじぇくと |
具体的なものやデータ。 |
1 |
|
15 |
(属性の)型 |
かた |
その属性がとる値の種類。 |
1,5 |
|
16 |
関連 |
かんれん |
クラスとクラスの対応関係。 |
1,4,5 |
|
17 |
関連役割 |
かんれんやくわり |
関連により関連付けられた相手のクラスに対する役割。 |
1,4,5 |
|
18 |
具象クラス |
ぐしょうくらす |
データになるクラス。継承における特化クラスに適用される。 |
1,5 |
|
19 |
クラス |
くらす |
共通の性質をもつオブジェクト(もの)を表す概念」であり、データの構造に相当する。 |
1,4,5 |
|
20 |
継承 |
けいしょう |
クラスの性質を受け継ぐ仕組み。 |
1,4,5,6 |
|
21 |
合成 |
ごうせい |
関連の一種であり、関連付けられたクラスが、「全体」と「部品」という役割をもち、かつ、集成よりも強い関係。 |
1,4,5,6 |
|
22 |
コード |
こーど |
コードリストで定義された文字列。 |
1,4,6 |
|
23 |
コードリスト |
こーどりすと |
コードとその説明を対応付けたリスト。 |
1,4,6 |
|
24 |
識別子 |
しきべつし |
識別する情報。 |
1,5 |
|
25 |
集成 |
しゅうせい |
関連の一種であり、関連付けられたクラスが、「全体」と「部品」という役割を持つ対応関係。 |
1,4,5,6 |
|
26 |
ステレオタイプ |
すてれおたいぷ |
クラスの種類。 |
1,5 |
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27 |
属性 |
ぞくせい |
クラスの性質。 |
1,4,5,6 |
|
28 |
多重度 |
たじゅうど |
繰り返せる回数。属性の多重度の場合は、その属性を記述できる回数となる。関連の多重度の場合は、その関連で対応づくことができるクラスの数となる。 |
1,4,5,6 |
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29 |
地物 |
ちぶつ |
地理空間データのデータモデルを構成する基本的な要素。 |
1,4,5,6 |
|
30 |
抽象クラス |
ちゅうしょうくらす |
データにならないクラス。継承における汎化クラスに適用される。 |
1,5 |
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31 |
地理空間データ |
ちりくうかんでーた |
地球上の位置に関する情報を含むデータ。 |
1,4,5,6 |
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32 |
データモデル |
でーたもでる |
ある目的に必要なデータを整理し、それをデータに含まれるべき内容やデータの構造として記述した、データの定義。 |
1,5,6 |
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33 |
特化クラス |
とっかくらす |
汎化クラスの性質を受け継ぐクラス。下位クラス又は子クラスとも呼ぶ。 |
1,5,6 |
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34 |
パッケージ |
ぱっけーじ |
クラスやクラス図を束ねる概念。 |
1,5 |
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35 |
汎化クラス |
はんかくらす |
継承の元となるクラス。上位クラス又は親クラスとも呼ぶ。 |
1,5,6 |