5.2.3 実施すべき品質評価
「幾何オブジェクトの作成」では、主として位置正確度や図形の論理的な正しさに関する品質評価を行う。また、幾何オブジェクトを作成する際に、地物型を区分することが多いため、完全性(地物の漏れ、過剰)や主題正確度(分類の正しさ)について品質評価を行う。
幾何オブジェクトを作成する際、作成済みの幾何オブジェクトを加工して新たな幾何オブジェクトを作成する場合がある。例えば、LOD1の幾何オブジェクトを作成するためにLOD0の幾何オブジェクトを使用したり、LOD2の幾何オブジェクトを作成するためにLOD1の幾何オブジェクトを使用したりすることが該当する。これは、新たに作成しようとする幾何オブジェクトに要求される位置正確度が、作成済みの幾何オブジェクトの位置正確度と同じ又は低い場合にのみ適用可能な手法である。
既に作成済みの幾何オブジェクトを、座標の編集をすることなくそのまま使用した場合には、当該幾何オブジェクトについては、位置正確度の品質評価が実施済みであるとして、位置正確度の品質評価を行わなくてもよい。例えば、LOD3の建築物を作成する際に、LOD2として作成済みの建築物の幾何オブジェクトを利用し、この座標を編集することなく、開口部の幾何オブジェクトのみを追加することが想定される。LOD2の幾何オブジェクトが既に品質評価を実施されている場合には、この幾何オブジェクトに対してはLOD3としての位置正確度の品質評価を行う必要はなく、新規に追加した開口部のみを品質評価の対象とすればよい。ただし、LOD2の幾何オブジェクトを構成する境界面を編集して軒裏の表現が必要となるLOD3の幾何オブジェクトを新たに作成した場合(例:1m以上の軒裏をもつ建築物のLOD3.1を、LOD2を使用して作成する場合)には、LOD3に求められる位置正確度の品質評価を行うこと。
「幾何オブジェクトの作成」において実施すべき品質評価を以下に示す。品質要素ごとに分類された各番号は、標準製品仕様書に定義する品質要求及び評価手順の識別子である。
完全性:C02,C03,C07,C08,C-bldg-01,C-bldg-02,C-bldg-03,C-bldg-04
論理一貫性:L07,L08,L09,L11,L12,L13,L14,L15,L16,L17,L18,L-bldg-01,L-bldg-02,L-bldg-03,L-bldg-07,L-bldg-08,L-bldg-09,L-bldg-10,L-bldg-11,L-bldg-12,L-bldg-13,L-frn-01,L-frn-02,L-tran-01,L-tran-02,L-tran-03,
位置正確度:P01,P02,P03,P04,P05,P06,P07,P08,P-dem-01
主題正確度:T-bldg-01,T-bldg-2
なお、拡張製品仕様書において、地物型等の追加を行ったり、標準製品仕様書に定める品質要求に追加又は変更を行ったりした場合には、それに対応する品質評価を行う必要がある。幾何オブジェクトを作成した段階で実施することが効率的な品質要求を以下に示す。
完全性(地物の過不足)
論理一貫性(幾何オブジェクトの論理的な正しさ)
位置正確度
主題正確度(地物の区分)