L.2.1 橋梁モデル

橋梁とは、道路、鉄道、水路等の輸送路において、輸送の障害となる河川、渓谷、湖沼、海峡あるいは他の道路、鉄道、水路等の上方にこれらを横断するために建設される構造物の総称である。市街地において効率的な土地利用の観点から、道路上あるいは河川上の空間に連続して建設される高架橋も橋梁の一形態である。[土木工学ハンドブック]
標準製品仕様書では以下を対象とする。

  • 道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する「橋」。橋長2.0m以上を対象とし、高架橋及び桟道橋を含む[参考:中部地方整備局 道路施設台帳作成マニュアル]。

  • 鉄道事業者法施行規則別表第一に定める鉄道施設の「橋りょう」。

  • 鉄道事業者法施行規則別表第一に定める鉄道施設の「こ線橋」。

  • 道路法第30条第1項第10号に定める「横断歩道橋」。

また、標準製品仕様書では、建築基準法第44条第1項第4号において示された公共用歩廊で、道路上に設けられた高架の歩行者専用道路(ペデストリアンデッキ、スカイウェイ、スカイウォークなどと呼ばれる)を含む。

標準製品仕様書では、橋梁の表現に必要な地物型等をCityGML及びi-URから抽出し、LODごとに、含むべき地物型、各地物型の空間属性の型、取得基準、取得方法及び補足を定めた「橋梁モデル」を定義する。

橋梁モデルのLODは、LOD0からLOD4までを対象とする。

L-1 — 橋梁モデルの概要
  • 橋梁モデル(LOD0)は、橋梁の形状を、「公共測量標準図式」に従い、線又は面により表現する。

  • 橋梁モデル(LOD1)は、LOD0の面に一律の高さを与えて押し出した立体(箱モデル)により表現する。

  • 橋梁モデル(LOD2)では、橋梁の形状を、主要な部分を簡略化した面の集まり又は立体として表現する。主要な部分とは、道路橋、鉄道橋及び桟道橋の場合は、主桁と床版とする。それ以外の橋梁の場合は、上部工(床版及び主桁)、階段、及び踊り場とする。この主要な部分を構成する立体の境界面又は面の集まりに含まれる各面は、屋根面や外壁面といった面に区分される。また、構造上重要な部材(例:トラス、パイロン)及び付属的な部材(例:高欄、手すり)を任意で表現できる。

  • 橋梁モデル(LOD3)では、橋梁モデル(LOD2)では任意であった構造上重要な部材や付属品を必須として表現するほか、橋梁と一体となった建屋が存在した場合に、その開口部を表現できる。

  • 橋梁モデル(LOD4)では、橋梁モデル(LOD3)をさらに詳細化した外形に加え、内部の空間を表現できる。