N.2.1 その他の構造物モデル

その他の構造物とは、構造物のうち、建築物、橋梁及びトンネルを除く土木構造物をいう。「構造物」とは、「目的とする機能を持ち、作用に対して抵抗することを意図として人為的に構築されるもの」(土木・建築にかかる設計の基本、国土交通省)であり、ダム、堤防、床止め、堰(せき)、水門・閘門・陸閘、樋門・樋管、伏せ越し、水制、護岸、防波堤その他の土木構造物を指す。

その他の構造物の記述には、i-URのUrbanObjectモジュールに定義された、uro:OtherConstructionを使用する。uro:OtherConstructionは、CityGML3.0において新たに追加されたモジュールである構造物(Construction)モジュールの地物型であるcon:OtherConstructionを、CityGML2.0においても使えるように、i-URにおいて拡張した地物型である。

標準製品仕様書では、その他の構造物の表現に必要な地物型等をi-URから抽出し、LODごとに、含むべき地物型、各地物型の空間属性の型、取得基準、取得方法及び補足を定めた「その他の構造物モデル」を定義する。

その他の構造物モデルのLODは、LOD0からLOD3までを対象とする。

N-1 — その他の構造物モデルの概要
  • LOD0は、その他の構造物の形状を、「公共測量標準図式」に従い、点、線又は面により表現する。

  • LOD1は、その他の構造物の上方からの正射影の外周に一律の高さを与えて上向きに押し出した立体(箱モデル)である。

  • LOD2は、航空写真等上空から取得したデータの利用を前提とした区分であり、その他の構造物の上面を詳細化する。

  • LOD3は、MMSによる点群や画像等、側面から取得したデータや図面の利用を前提とした区分であり、その他構造物の側面を詳細化する。また、その他の構造物の付属物を表現できる。