1.4.2 用語の利用例
建築物を例にとると、「地物」は抽象概念としての建築物と具体的に存在する一個の建築物の実体の両方の意味で使われる。
「地物型」は、抽象概念としての建築物という「地物」をデータとして記述するための論理的な構造(応用スキーマ)を意味する。「地物型」は全体と部品の関係をもつ場合がある。例えば、地物型である建築物型(bldg:Building)と壁面型(bldg:WallSurface)は、建築物型が全体となり壁面型は部品となる関係をもつ。全体となる地物型を明示したい場合は、地物型(集成)と呼び、部品となる地物型を明示したい場合は、地物型(部品)と呼ぶ。
「幾何型」は形状をデータとして記述するための論理的な構造(空間スキーマ)を意味する。幾何型は全体と部品の関係をもつ場合がある。例えば、立体型(gml:Solid)と面型(gml:Polygon)は、立体型が全体となり面型はその部品(境界面)となる関係をもつ。全体となる幾何型を明示したい場合は、幾何型(集成)と呼び、部品となる幾何型を明示したい場合は、幾何型(部品)と呼ぶ。
「都市オブジェクト」は「地物型」に基づいて具体的に存在する一個の地物の実体をデータとして記述したもの(地物型インスタンス)を意味する。「都市オブジェクト」は全体と部品の関係をもつ場合がある。例えば、「都市オブジェクト」である建築物オブジェクト(bldg:Building)と壁面オブジェクト(bldg:WallSurface)は、建築物オブジェクトが全体となり壁面オブジェクトは部品となる関係をもつ。全体となる都市オブジェクトを明示したい場合は都市オブジェクト(集成)と呼び、部品となる都市オブジェクトを明示したい場合は都市オブジェクト(部品)と呼ぶ。
「幾何オブジェクト」は「幾何型」に基づいて具体的に存在する一個の地物の幾何形状をデータとして記述したもの(幾何インスタンス)を意味する。「幾何オブジェクト」は全体と部品の関係をもつ場合がある。例えば、立体オブジェクト(gml:Solid)と面オブジェクト(gml:Polygon)は、立体オブジェクトが全体となり面オブジェクトはその部品(境界面)となる関係をもつ。全体となる幾何オブジェクトを明示したい場合は幾何オブジェクト(集成)と呼び、部品となる幾何オブジェクトを明示したい場合は幾何オブジェクト(幾何)と呼ぶ。
「空間属性」は「地物型」をデータとして記述するために「幾何型」を指定する論理的な構造(応用スキーマ)であり、これに従い「都市オブジェクト」と「幾何オブジェクト」の関係が具体的に記述される。例えば、建築物型(bldg:Building)は立体型(gml:Solid)によって、壁面型(bldg:WallSurface)は面型(gml:Polygon)によって記述することが空間属性によって定義されている。これに従い、建築物オブジェクト(bldg:Building)は立体オブジェクト(gml:Solid)によって、壁面オブジェクト(bldg:WallSurface)は面オブジェクト(gml:Polygon)によって具体的なデータとして記述される。