第9回 自動車燃費基準小委員会 議事要旨

第9回 自動車燃費基準小委員会 議事要旨

「交通政策審議会陸上交通分科会自動車部会自動車燃費基準小委員会」
「総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会自動車判断基準ワーキンググループ」
合同会議(第9回)議事要旨

1.日時:

 令和6年3月25日(月)15:00~16:45

2.場所:

  オンライン

3. 出席者:

 委員:
  塩路座長兼委員長、青山委員、草鹿委員、鈴木委員、竹岡委員、近久委員、津江委員、土屋委員、林委員、松村委員
 オブザーバー:
  神岡オブザーバー、諸井オブザーバー(日本自動車工業会)、
  青木オブザーバー(日本自動車輸入組合)
 事務局:
  国土交通省 杉﨑車両基準・国際課長
        髙瀬車両基準・国際課国際企画室長
       山田車両基準・国際課自動車基準協定調整官
  経済産業省 木村省エネルギー課長
        井澤省エネルギー課長補佐

4.議題:

 [1] 乗用自動車及び貨物自動車の燃費制度の現状と論点について
 [2] 乗用車2030 年度燃費基準におけるオフサイクルクレジット制度について
 [3] 重量車2025 年度燃費基準における電動車の取扱いについて

5.議事要旨

  議題[1]~[3]について、資料に基づき事務局から説明を行った。主な審議内容は以下のとおり。

 ○議題[1] 乗用自動車及び貨物自動車の燃費制度の現状と論点について
  ✓ 今後の審議の進め方について、了承された。
  ✓ 委員の主な意見・要望は以下のとおり。
   ・欧米等の先進諸国の燃費・CO2 規制や合成燃料等の燃料の動向も踏まえて今後議論していくべきではないか。
   ・排ガス試験は全てWLTC モードなのに対して、CAFE 値算出のためだけにJC08 モード燃費値を取得することは効率的ではないと思われる。JC08 モードへの換算値を用い、2020 年度燃費基準の達成状況を判定する仕組を検討する場を作ることをお願いしたい。
 
 ○議題[2] 乗用車2030 年度燃費基準におけるオフサイクルクレジット制度について
  ✓ 内容及び今後の審議の進め方について、了承された。
  ✓ 委員の主な意見は以下の通り。
   ・制度の検討においては、技術のコストも重要なファクターであるため、省エネの改善率と併せてコストに関するデータがあると良いのではないか。
   ・技術によってどれだけのクレジットを獲得できるかという寄与度が違ってくる。獲得できるクレジットに対してどれくらいの費用がかかるということも含めて議論していくのではないか。
   ・クレジットについて、達成判定での使用のみならず、商品性を高めるための燃費ステッカーに反映するなど、オフサイクル技術の搭載をアピールできる方法を考えることで、自動車メーカーやサプライヤーによる省燃費技術の開発のモチベーションに繋がるのではないか。
   ・モード燃費を向上させる技術だけで基準値を上回っている事業者にとってもインセンティブを与えられるような制度が良いのではないか。
   ・新しい技術の導入を考える際、技術開発、難易度、コストを踏まえて技術が遷移することから、メリット・デメリットも変わってくる。よって、対象技術によって、ある程度フレキシブルな制度が良いのではないか。
   ・評価対象ラインについて、トップランナー方式による基準値決定の考え方との整合性も考える必要があるのではないか。
   ・高コストであるが高効率というような技術については、高価格帯の車種にしか導入されにくい。出荷台数が多いのは安価な車種であることを鑑みると、様々な車種に導入するメリットがあり、自動車メーカーが採用しやすいようなベースラインを引くのが良いのではないか。
   ・消費者にとっては、オフサイクルクレジットが達成判定に反映されるだけではなく、車を選ぶときに分かるように、いろいろなデータが、ステッカーなり、カタログなりで示されていると良いと考える。これからの消費者は、燃費の改善とともに、カーボンニュートラルに実際どれくらい寄与するかということが車選びの基準に入ってくると思う。
   ・今後、エアコン等への拡充も含め、スピード感を持って制度設計していかなければならないのではないか。

 ○議題[3]重量車2025 年度燃費基準における電動車の取扱いについて
  ✓ 内容及び今後の審議の進め方について、了承された。
  ✓ 委員の主な意見は以下の通り。
   ・PHEV のユーティリティ・ファクタに関して、大型トラックの場合、長距離走行の頻度が高いと想定されることから、電気走行の寄与度が小さくなりメリットが見えにくくなる可能性が考えられる。普及の後押しになるようにクレジット量を反映する必要があるのではないか。
   ・Tank to Wheel で評価している重量車の2025 年度基準における特例措置については、乗用自動車2020 年度基準の特例であるEV の燃費換算との関係性についての整理が必要となるのではないか。
   ・Well to Wheel で評価する場合のFCV の評価においては、水素がどのようなエネルギー由来であるか、という視点を踏まえての議論が将来的には必要となるのではないか。また、FCV がそれほど普及していない段階においては、多少CO2 としては有利なように考えるのが良いのではないか。

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