第17回計画部会 議事要旨

第17回計画部会 議事要旨

1 日時
 令和5年3月7日(火)15:30~17:25
 
2 場所
 合同庁舎2号館12階国際会議室
 
3 出席委員等
 永野会長、増田部会長、家田委員、畝本委員、海老原委員、小田切委員、風神委員、加藤委員、木場委員、久木元委員、坂田委員、瀬田委員、滝澤委員、田澤委員、中出委員、広井委員、福和委員、藤沢委員、村上委員、諸富委員
 
4 議事
 (1)新たな国土形成計画(全国計画)骨子案について
 (2)第六次国土利用計画(全国計画)骨子案について
 (3)その他
 
主な発言内容(委員等発言順)
 議事について事務局より説明を行い、各委員等から意見などの発言や事務局から回答を行った。各委員等からの発言や事務局からの回答は以下のとおり。
 
○国土形成計画の骨子案には地域生活圏や重層的な国土構造などについて記載があり、まとまりが良くなった。キーコンセプトもよい。今までの国土形成計画や全総と比べても、これからの困難な時代を担う国土計画として適切だと思う。
○国土利用計画は国土形成計画の検討内容を受けて、国土の利用をどうしていくかを記載する計画である。国土利用の基本方向の記載があるが、人口減少下で何をどうするかという視点や30by30などの生物多様性に関する新たな目標を踏まえ、特に道路、住宅地、その他の宅地などの地目については、従来のトレンドより、もう少し踏み込んだ書き方が期待される。
○国からの分配に頼るのではなく、地域自ら稼ぐ力をつける時期に来ているという意味では、地域経済循環、地域産業の稼ぐ力の向上等について書かれている点は非常に重要なポイントである。地域の稼ぐ主体であるLM法人など、地域のいろんな主体が参加できるプラットフォームの形成を明確に打ち出している点がよい。また、コンビナートの構造転換をどうしていくかという問題意識で書かれている点を評価する。所有者不明土地の問題について、都市内の空き家問題が深刻化していく中で、空き家や空間利用を再編しつつ、どのように好ましい土地を形成していくのかを議論していく必要がある。
○国土形成の基盤となる人材を各地に分散させるという点において、テレワークは全ての施策のベースになり得る。コロナ禍から数年経ち、テレワークを打ち切る企業も増えていることを懸念している。テレワークは人が地域に戻ることの一助となるため、各省庁と連携して対応していただきたい。
○「シームレスな拠点連結型国土」という表現について、『拠点連結型のシームレスな国土』の方が伝わりやすいのでは。
○資料2を見ると、国土計画は非常に多くの軸が交錯する場だというのがよく分かる。資料2はかなり重層的なものになっており、現状の認識と課題までは問題ないが、その下は通常だと大きな目標があって、中目標、手段があって、基盤があるというぐらいだが、今回はそれよりもさらに二層ぐらい厚くなっている。各地域で広域計画も作られるので、資料2をどう説明していくか、一定程度は構造化して説明していかないと、うまく頭に入らないと思うので、そのあたりを考える必要がある。今回の国土形成計画が特にそうなっている理由を考えてみると、一つはいわゆるミッションドリヴンの気候変動やレジリエンス、自然資本の保護といった世界的視野のものと、生活圏のような市民目線の課題が複合している。また、デジタルとリアルが複合している。そして4つの重点テーマが全体としてオーバーラップしており、複雑になっていると解釈をしている。そういったことをうまく整理して説明していくことが大事。オーバーラップもしくは複数の要素をあえて交錯させる。そこに今回の国土計画でいう新しいマネジメントの要諦があるのではないかと思う。例えば、重点テーマの4つをうまくオーバーラップさせることによって、単体では実現しなかったものが実現するようになる。自然資本の保護だけを言ってもそこに資金やリソースが回らないと実現しないが、都市と自然をオーバーラップすることによって資金が回るということがあると思う。今や世界的に見て、都市と自然資本というのは重要なホットスポットになっている。そういった知見を利用しながら交錯させることが非常に重要。デジタルとフィジカルもそれぞれの段階で色々な要素を交錯させることによって力を発揮する。そういう縦割りを排したマネジメントを実現することが、計画全体の背景にあるのではないかと考える。主体的な地域づくりは非常に重要。地域づくり表彰の委員長をやらせていただき、皆さん自分たちがつくりたいまちをつくる。その価値を最大化するうえでは唯一無二のものを作るというのが最強だと思った。交錯するものの一つの要素の原点としては、地域の方が自分たちのつくりたい唯一無二のものをつくると、そこがブロックとなり多様性を生み出して、全体での力になるのではないか。
○骨子案は多面的でかつ完成度が高い印象を持った。その上で、計画全体の構造が見えるかどうかが極めて重要。いくつかの広域地方計画の策定に関与しているが、全国計画の構造をしっかり理解しないと広域地方計画の検討を進めにくい印象を受けた。また、広域地方計画の策定までの時間が限られており、全国計画を読みこなす前に検討が進んでいるため、スケジューリングは再検討すべきかと思う。広域地方計画の策定にあたり一番混乱を呼ぶのは、既存の行政単位と異なる圏域の定義がわかりづらい点である。地域生活圏や広域ブロックなどの異なるサイズの圏域ごとに、具体的にどんなことを実施することが望まれているか、一覧表のようなものを作っておくと全国計画の文章も読みやすく、誤解を招きにくい。計画の様々なところで地域生活圏が強く出てきているため、様々な単位で使われていて、誤解を生んでいる面があるように思う。
○国土形成計画の中には国ですべきことは丁寧に記載されているが、国民一人一人が主体となる必要があるため、国民に対するメッセージをどこかに入れると良い。
○地域生活圏について、先進的でモデル的な取組をつくり横展開していくという記載があるが、これも非常に重要だが、地方自治体の行政単位を超えた広域的な生活圏をつくっていくのはなかなか簡単には進んでいかないという実感がある。国からの伴走型支援もあればより上手くいくかもしれない。
○人材育成について、求められる人材像という部分があるが、すごい人たちが求められる人材像だと読めてしまう。人口の少ない地域で様々なデジタルサービスを含むサービスが高度に利用されることを考えると、普通の人々が積極的に参加していくことがその成否を分けるポイントになるので、そういったことを促せるといい。
○人材や生活の観点から、多様な主体の包摂、インクルージョンの視点が入ったことがとても良い。女性活躍というキーワードは、女性のみならず、男性も含めて幅広く社会のあり方を提起して刷新する可能性を含む考え方であって、その一つの方向性として包摂との繋がりがあるのではないかと感じた。他方で、国土利用計画の中ではこうした観点の繋がりが少し見えづらい印象がある。例えば、都市の部分では、様々な機能の集約やウォーカブルシティ、歩いて暮らせるまちづくり、オープンデータの活用は記載されているが、公共交通の利便性、特に安全性については、障害を含めての多様なバックグラウンドをお持ちの方には非常に重要だと考える。子育てや多世代交流の観点からも、コミュニティのための広場空間、ハード面からの社会の包摂性や寛容性を高めていく仕組みが色々あるが、そのあたりの具体性や繋がりがわからないと感じた。グリーンインフラと同様にコミュニティインフラも都市の中でも重要であると思う。コミュニティというと、ソフト面のように感じられがちだが、狭い土地をみんなで使うことが必要な都市の場合には、ハード面の利用計画や規制が大事になると思う。包摂という観点とハード面の利用計画との繋がりを具体的にイメージできると、より良いのではないか。
○地域への誇りと愛着に根差した地域価値の創造という記述について、創造というと、これまでなかったものを生み出す印象があるが、現状あるものを否定するように誤解されてはもったいない。向上といった表現が良いのではないか。これまで構築されてきた地域価値をさらに発見したり、向上したりしていくという認識のもとで展開していく方が適切ではないかと思う。
○インバウンドについて、旅行消費額5兆円の早期達成を目指すという記載があるが、おそらく今年に達成されると思う。それとは別に2030年に15兆円という数値目標があるので、そういった中長期の数値を入れた方がいい。
○テレワークを活用したワーケーションは、外国人にも同じことが言え、日本でワーケーションしたい外国人もいる。もう既に45か国ぐらいがデジタルノマドビザのようなものを発行している。そういった観光と移住のあいだのようなところの検討は外国人にも当てはまる。
○東京一極集中の是正について、文化庁が京都に移転するが、観光庁については、分室が大阪にあったほうがいい。西日本と東日本ではインバウンドへの熱量が全然違う。
○テレワーク普及による転職なき移住、二地域居住などの推進について、段階的移住というのもある。例えば小一の壁と移住と引越と転職が重なるとメンタルヘルスを損ないかねないストレスがかかる。移住を段階的に行うこともテレワークを使うとできると思う。
○計画の最後のほうに様々なメッセージを入れ込むと思うが、広域地方計画についてはその場所の個別性を踏まえて極力具体的にやって欲しいというメッセージを入れて欲しい。また、国民に理解も協力もしてもらうが、それだけでは到底足りず、行動してもらわなければいけない、そういう計画だというメッセージも入れて欲しい。加えて、この計画の策定のみならず実効性を上げていくために、国土交通省だけでなく全省的に取り組むという覚悟を最後に力強く述べて欲しい。
○現在、北海道総合開発計画も同じ作業テンポで進んでいるが、国防の観点で考えるとより緊張感を持たなければならないのは北海道や沖縄南西諸島。北海道総合開発計画でも積極的に書きたいと思うようなもの、例えば、国家の安全保障と十分に連携した国土マネジメントの充実、あるいは国土基盤の充実といったことをもう少し強調した方が良いかもしれない。
○地域生活圏という考え方が北海道では全く違う状況である。国土形成計画の中でも北海道のような存在をもう少し意識した書き方をしていただくことが非常に重要であり、北海道の方々が大変動きにくいということを感じている。
○地域生活圏について、主体性のところで、地域金融機関、NPOなどをきちんと入れていただいているが、「共」という考え方は本当に素晴らしいが、ここに住民が見えない。一人一人の住民が主体性を持って参画できるというのは、デジタルの時代だからこそできる。スペインなどはデシディムという仕組みを使って、全市民が参画をしている。住民一人一人も主体者になれるようなデジタルというものをうまく入れていただけないか。
○地域生活圏の「兼ねる・束ねる・繋げる」のところに、ソーシャルインパクトボンド等の ESG 投資を促進することも求められると書いているが、今、新しい資本主義の中にも、もはやESGだけではなくインパクト投資という言葉が使われており、世界においてもインパクト投資がかなり主流になってきてESGの前に来ているので、今ここにインパクト投資がないのが非常に残念。インパクト指標というものを提示しながら、インパクト投資およびESG投資のようなかたちの書き方はできないか。また、ソーシャルインパクトボンドと書いてしまうと、ここに寄ってしまうが、色々な新しい取組を見ていると、金融スキームを作るのが苦手な人が多く、もっと大手の金融機関や大手の損害保険会社といったところが金融スキーム作りに関わって来なければいけないと思っている。そこで使えるのはインパクト指標であったり、カーボンクレジットであったりするので、こういった新しい指標の活用の部分をもう少し書き込めないだろうか。こういったものを書き込むためには、常に効果を計測することが必要で、デジタル活用というのも効果計測のためのデジタルの活用の観点というものをやはり取り入れていくということが非常に重要ではないかなと思っている。
○どのような国を目指すのかがわかりやすくなった。民の力を最大限発揮する官民連携は、この部会で繰り返し検討してきたことなので、骨子案の中にも小さくではあるが記載があって良かった。
○東京一極集中の是正と国際競争力を強化して行く一方で、地方の競争力を付けていき、両方をデジタルでつなぐという点が書かれており、これは実現されると非常に良いと思う。
○地域経営主体が誰で、何をするのかという点について、今回は国の役割が明確化されていて、地域経営主体を育成するのは地域だということがはっきりしたと思う。ただ、地域経営主体が人なのか企業なのかNPOなのか、若干まだ分からないので最終的にわかるようになるとよい。地域生活圏が自然に発生せず能動的に形成する必要があるならば、その点をもう少し明確に書く必要があると思った。
○シームレスな国土というキーワードは大変重要だと思う。シームレスには、国土全体での連結・強化、言ってみれば水平的シームレスと、広域から狭域までという、垂直的シームレスの2つの説明がある。いずれも国土の上でのシームレスだが、時間軸上のシームレスがもう一つあっても良いのではないか。時間軸には色々あると思うが、中間とりまとめの前に提案したデュアルモード型国土は、非常時と平時のシームレスである。地域生活圏は、非常時も想定しながらシームレスに姿をかえることも求められていて、そういった意味でのシームレスがあっても良いのではないか。
○主体的地域力は、大変重要だと思う。主体的という言葉と同時に、内発的という言葉の方が従来から使われていた言葉であり、地域内部から湧き上がるようなイメージを伴ったものである。主体的かつ内発的だということによって、両方のニュアンスが明確に出てくると思う。
○誇りと愛着に根差したという言葉も重要。デジタルが極まると最後は人間が出てくるというイメージが明確になり、誇りと愛着というエモーショナルな言葉が出てくるのは非常に対照的で重要である。つまり、誇りと愛着を持った人々こそ人材だということがセットになって出てくると、結局最後は人間力ということを強調することにもなるかと思う。
○関係人口をまとめて記載しているのではなく、随所に記載している。関係人口という概念なくして今後の国土開発、国土政策はないことが明確になっている。特に食料安全保障をめぐっても国民の農林水産業や農山漁村への関わりの強化、あるいは拡充ということが強調されている。つまり、関係人口自体が食料安全保障に関わる。国民の農業参加という議論をしてきたが、言ってみれば関係人口が横割り的に使われているように思った。
○こうした計画にはいくつかの層があるが、実現すべき価値や理念・思想、それを受けた国土のビジョン・構造、そして実現するための方法や政策といった部分がクリアに示されている内容だと思う。価値の部分は、例えば、次世代に引き継ぐための未来に希望を持てる国土ということがあり、地方の危機、あるいは地域力、地域価値というのが全体に渡って強調されていることや、あるいはグリーン国土、自然資本、生態系やネイチャーポジティブといった価値が従来よりもかなり踏み出した方向性を示していることに共感した。
○地方都市の空洞化、中心市街地のシャッター通りを歩いて楽しめるコミュニティ空間として再生していくことも記載してあり共感しているが、それを具体的にどのような形で実現していくのかが残された課題だと思う。
○シームレスな拠点連結型国土について、分散の方向をより明確に示す意味で、多拠点連結型ということが考えられると思うので検討をお願いしたい。
○地域への誇りと愛着については、若い世代の地域や地元のローカルなものへの関心というのが、時代の構造変化として高まっている。要するに、高度成長期のような、地域から離陸して行くような時代から、もう一度地域に着陸していくような成熟社会、人口減少ということも含めてのあり方だと思う。若い世代の思考も踏まえた方向性を考えていくことが大事だと思う。
○分かりやすい計画であること、計画を読んだ国民が自分事に感じるような計画であること、それぞれ良く検討いただき記載がなされているかと思う。特に、新たな国土形成計画の必要性という項目に、まさに国民に情報共有しながら一緒に頑張っていくという考えを示していただいている。こういう点は非常に良い。
○場所にとらわれない暮らし方・働き方について、「とらわれない」というよりも、拘束から解き放たれるという意味で「しばられない」の方が良いかもしれない。
○専門用語やカタカナ、横文字についてはなるべく親しみやすいような表現になるよう検討いただきたい。
○「日本中央回廊」という名称は、要は東京大阪間を指しているかと思うが、インバウンドの時によく使用する「ゴールデンルート」との違いを整理する必要があるかと思う。ゴールデンルートは箱根や富士山も含むかと思う。
○少子高齢化など大きな課題はあるが、これは経済の成長の機会であり、ピンチをチャンスに変えるというアプローチがもう少しあるとよいと思う。全体的に、問題解決しなければいけないというところに議論が集まってしまったがゆえに、日本にとっては素晴らしいチャンスが訪れようとしているというメッセージがなかなか伝わりにくい印象である。計画を読んだ人が最終的に明るい気持ちを持つような表現があるいい。
○目指す国土の姿や国土構造の基本構想のキーコンセプトは、これまでの計画部会での議論を踏まえたものになっており、各委員からご賛同いただけるご発言があったかと思うので、基本的な表現はこのままとしたいが、「拠点」ではなく「多拠点」ではないかというご意見については、事務局の方で検討いただきたい。キーコンセプトについて各委員から一定の理解が得られたことが大きいと感じる。
○重要なことは、国民がその気にならないと何も始まらないということである。主体性や内発的な力がなければ、いくら計画を作っても前に進まない。この主体性や内発的な力をいかに引き出すかがポイント。人口減少下の厳しい状況でも、こうしていけばピンチをチャンスにすることができるという明るい未来を共有することが大切。そのためには、中学生にも分かるような、分かりやすい計画であることが必要。場合によっては、絵や動画を使っても良いかと思う。
○ピンチを共有するためには、我が国が直面するリスクと構造的な変化において、人口増加の時代から人口減少の時代に変わってきているという状況を、いかにリアリティを持って伝えることができるかが重要。そうすることで、自分たちの地域ではどうすべきかということを、主体性を持って考えるようになると思う。
○骨子案概要の「地域を支える人材の確保・育成」について、主体的な人たちが地域を引っ張っていくと思うので、こういった人材を、外からであれ内からであれいかに作っていくかが重要。そういう人材が、この国土計画で示す構想を推進し、各地域を支えると思う。こちらについては、全体を支えるという意味で骨子案概要の一番下に大きく持ってきても良いかと思う。
 
《チャットによるコメント》
○本会議は素晴らしいハイブリッド会議だと思う。国や自治体の他会議では、現地(リアル)がメインで、オンライン参加者は発言時のみカメラONにし、会場カメラは全体表示のみのパターンが多い。それでは正直、一緒に会議している感覚に欠ける。本会議は、現地の方も1つのカメラに写っているので、「一体感」を感じることができる。
○国土形成計画(全国計画)については、読み込むほどに国の抱える課題とめざす姿が見えてくる良く書き込まれたものと感じる。一般市民が漠然と抱えている不安、国の荒廃した部分をどうするか。東京一極集中はこのままでよいのか。エネルギー・食料問題の未来はどうなるのか。その他、さまざまな事項が網羅的に取り入れられている。一方で、例えば、1章1節の課題(変化)を読んで、第2章第1節の目標を読んだときに、課題と計画の構想がうまくつながらない部分があり、探して読む必要がある。可能であれば、関連項目をうまく参照できるような仕組みがあるとよい。
○一般の方が読まれるためにだいぶ表現を変えていただいたが、まだ多少難しいものもあり、スローガンや用語だけではイメージが掴めないところがある。用語がすっと入ってこないと、自分の立ち位置を見つけられず、他人事になってしまう。計画発出後は、一般の方向けの解説も必要思う。
○一般市民がどのように参加するか、という点が見えることは計画の要と考える。官民の連携や縦割の打破ということに関しては、かなり強調していただき、期待できる表現になっている。
 
【事務局からの回答】
○まだまだ足りない点について、多くの委員からご指摘いただき、感謝申し上げたい。本計画をよりわかりやすく伝えるため、資料の充実やワーディングの検討を今後も重ねていく。本計画のキーコンセプトや柱立てに用いた表現についても補強するご意見をいただいたので、その表現やその内容についてさらに整理していきたい。また、本計画のタイムスパンと記載内容についてかみ合っていない点も見受けられたので、今一度精査する。各省庁と協力し政策の具体的な方向性や目標を考える上で、こういった点に気を付けたい。
○テレワーク、観光、まちづくり、産業といった個別のテーマについても補強すべき意見をいただいた。特に地域生活圏については、市民の主体的な参加や金融面の新しい動きへのフォロー、そして市町村界を越えた取組の困難さといった現場からのご意見をいただいた。国・都道府県・市町村の役割に、民間がうまく入ってこられるような環境づくりが重要である。そうした地域生活圏づくりのために、内容を精査し充実を図りたい。市民の主体的参加については資料1の16ページや28ページで触れているが、全体の中に入れ込むだけではなく、全体を通じたメッセージ性のある内容を書き込む部分で補強をしていきたい。本計画も最後とりまとめに入っていく段階なので、引き続きよろしくお願い申し上げる。
○国土利用計画の利用区分について、より踏み込んだ内容を記載できないかとのご指摘いただいたので、本文を執筆する際は検討する。また、コミュニティインフラについてご指摘いただいた。国土形成計画と国土利用計画ではハード面の扱いが異なるので制約はあるが、貴重な意見として受け止めていきたい。
○国民全体に当事者意識をもって参加してもらうことが必要というご意見を非常に多くいただいた。そのために計画のわかりやすさの追求が必要だと改めて実感した。特に地域生活圏に関しては、これまでの広域圏構想と違い、明確なエリアが決まっておらず、プロジェクト次第ではエリアが変わり、また市町村界を越えて行政も民間も主体となり得るという非常に難しい政策テーマである。行政だけではなく、民間の力で新しいローカルマネジメント法人を立ち上げていく必要もある。文章がまだわかりやすさに欠けるという点は自覚しているため、修正していきたい。キーコンセプトにある「新たな地域マネジメント」については、この地域生活圏構想を中心に地域のガバナンスの在り方を大きく変えていく方向性と意識している。それをより分かりやすく、丁寧に説明できる形になるよう努力していきたい。
 
(以上)
※速報のため、事後修正の可能性があります。(文責 事務局)

ページの先頭に戻る