第25回国土審議会 議事要旨

第25回国土審議会 議事要旨

1 日時
 令和5年6月7日(水)15:59~ 17:49
 
2 場所
 中央合同庁舎3号館8階特別会議室(オンライン併用)
 
3 出席委員
 永野会長、増田会長代理、遠藤委員、梶山委員、小宮山委員、佐藤委員、高木委員、林委員、谷合委員、野上委員、森本議員、青木委員、浅野委員、池邊委員、石田委員、垣内委員、木場委員、河野委員、末松委員、高村委員、田澤委員、田村委員、柘植委員、津谷委員、中村委員、沼尾委員、村尾委員、山野目委員、渡邉委員
 
4 議事
(1)新たな国土形成計画(全国計画)原案について(計画部会報告)
(2)第六次国土利用計画(全国計画)原案について(計画部会報告)
 
主な発言内容(委員発言順)
事務局より議事について説明を行ったのち、各委員から意見などの発言や事務局から回答を行った。各委員から出た意見や事務局の回答は以下のとおり。
 
 
○富士山の噴火や頻発する地震などの心配がある中で、東京一極集中のバックアップ機能について、議論を深め、よりリアルに国民に伝えながら推進していく必要がある。
○様々な重要課題があると改めて感じた。その中で、計画的な国土づくりのわかりやすいメッセージとして、高規格道路ネットワークの具体的な延長の数値の記載を検討していただきたい。過去に高規格幹線道路、その後高規格幹線道路と地域高規格道路という分類があり、今は高規格道路という分類一つになっているが、1万4千㎞という数字が30数年間あるので、従来の地域高規格道路と合わせた形で具体的な数値の表示をお願いしたい。
○地域生活圏の10万人規模について、人口減少下で規模を明確にし、そこを中核に据えたシームレスな連携を図ることは重要な視点。歩いて行けるコンパクトなまちづくりなど、ヨーロッパ的なまちづくり等も含めて取り組んでいただきたい。人口減少で担い手不足になることを考えると、交通網の変化はまちづくりに関して大きな変化につながっていくので、重要課題である。
○高規格道路の位置付けは、現実に沿って考えていただきたい。車の性能も良くなり、マナーも良くなってきている中で、高規格道路の位置付けは非常に大切だと思う。
○シームレスな拠点連結型国土について、日本海側と太平洋側の二面活用はすごく大切なことだと思う。一方で、道路を含めてネットワークをどうしていくのか、陸海空のシームレスな総合交通体系の高質化という言葉はいいが、現実問題として日本海側と太平洋側をどう繋げていくか苦労しながらやってきた歴史があるので、現実性とその具体化が、もう少しあるといい。
○大変良く出来ている。現在、議員立法で国土強靭化基本法改正案を国会にて審議している。本国会中 
に成立できると確信しているが、国土形成計画の後押しになるはずである。
〇地方における地域力については、具体例を広く発信して地域に刺激を与え、やる気をもたせるようにしてほしい。
○前回の審議会で発言した、東京一極集中の脆弱性、エネルギー・食料の安全保障、女性活躍、持続的な土地利用について、原案に十分反映されている。
〇政府の方では、異次元の少子化対策を出しているが、深刻な少子化危機が想定よりも早く進んでいることは、極めて有事だと思っている。こども・子育て支援を改めて国土形成計画に強く反映していただきたい。
〇原案の策定プロセスにおいて、若者の声を聞く取組が行われており、評価したい。国土形成計画・利用計画が、国民にしっかりと理解・周知されていくことが大事。中身がしっかり伝わるよう努力をしていただきたい。
〇災害が激甚化するなかで、国土強靭化については基本計画と緻密に連動していく必要がある。
〇全国的な回廊ネットワークの中で、整備新幹線についても位置づけをしっかりしていただきたい。
〇老朽化への対応については、地方の技術者不足が深刻であり、効率的に対応可能な体制を作っていく必要がある。
〇国土形成計画は国民の理解を得ることが不可欠である。どう国民の皆さんに浸透し、理解してもらうのかが、計画の実現において非常に重要であるため、その取組を今後さらに加速させていただきたい。
○デジタルとリアルが融合した地域生活圏の形成の中で、民の力の最大限活用とあるが、地域によっては民の力そのものがなくなっている現実がある。今後、地域生活圏の形成に向けては、自助・共助のほかに、地域の実情に応じて公助の視点が必要である。特に地方の自治体力をどのように評価し、自治体と地域、国民との連携をどのように図っていくかの観点を考えていかなければならない。
○持続可能な産業への構造転換については、国会でも脱炭素型経済成長が議論されているが、特に製造業を中心に今後どのように脱炭素型産業へ転換できるか、まずは地域が主体になるかもしれないが、革命的な産業構造転換になると、地域経済の中であっても、より積極的な国の関わりが必要。あわせて、国会でも議論しているが、公正な移行の観点から産業、さらにはそこで働く方をどのように考えていくのかという視点を考慮してもらいたい。
○地方で深刻な人口減少に直面し、コロナや物価高など、様々な環境変化への対応を進めているなかで、国土形成計画は自治体運営の道しるべとなるものである。デジタル技術のフル活用による地域生活圏の位置づけを多くの地方自治体も期待と希望をもって受け止めている。一方、デジタル活用をもって予算の削減につながらないことを、特に防災面でご配慮をお願いしたい。毎年のように土砂災害や大きな災害が発生しているが、九州各県もデジタル情報を共有して、より防災力を高めていく取り組みを進めている。基本的なインフラ整備、国土強靭化に向けての必要なミッシングリンク等も含めた予算の確保、側面的なご支援を力強くお願いしたい。
○地域公共交通について、地方では通学や高齢者の買い物、通院等の移動手段の確保が大きな課題。鉄道事業を取り巻く環境は非常に厳しく、赤字路線の廃止を含めた見直しを検討する動きに住民は非常に不安を感じている。広域連携や国による積極的な支援も欠かせない。地域交通は東京一極集中の是正にもつながる。利用者の目線に立った実効性のある施策をお願いしたい。
○地方移住について、関心も高まっているが、東京への転入が再度活発化している。特に若い女性の転入超過が懸念され、地域の魅力ある仕事の創出や性別役割分業意識の払拭などの重要性を感じている。また、空き家対策などは子育て世代の移住を促すのにも有効と考える。そのためにも空き家バンクの情報提供の充実とマッチング強化が重要。
○グリーン国土の創造に関して、諸外国に比べて遅れている日本のグリーンインフラ政策の問題点は、関係部局が一体となっていないこと。国土交通省内でもできることで、道路局や下水道局等も巻き込んで一体的に議論してほしい。
○地域管理構想について、誰が管理をしていくのかと、それに係るマネジメント人材の確保と育成が必要である。国土利用計画についても同様であり、難しい問題と認識している。
○「文化の国」とあるが、文化に関する記述が少ない。伝統行事・産業の継承に関することも入れてほしい。
○地方において、県立高校の維持が難しくなっている。サンフランシスコではデザインテックスクールが運営され、クリエイティブ人材を育てようとなっているが、日本でもそのような人材が必要ということも入れてほしい。
〇国立社会保障・人口問題研究所の予測は正確だが、100年単位で考えるとどうか。思考停止になるのが一番危ない。100年前の1920年当時のフランスの合計特殊出生率は1.2であったが、100年後は2.0に近い。フランスの総人口は日本の半分だが、出生数は変わらない。100年経つとそういうことが実現できる可能性があると信じて、がむしゃらにやっていくことは非常に大事。
〇地域生活圏とインフラ整備の中で、高規格道路をどう考えていくかは非常に大事。大災害時や緊急高度医療を1万4千㎞でカバーするのは非常に難しい。新しい高規格道路が必要だと思うので、具体的に検討をしていただきたい。一方で、小さな道路も地域生活圏において大事。子どもや高齢者の事故は多く、小さな道路がそのままになっている所が無数にある。そういった部分を、デジタルの力を使ってどう整備していくかが、今後の子育て支援という点から見ても非常に大事。地域生活圏においては大きな道路と小さな道路の両輪で具体的に検討していただきたい。
〇地域に軸足をおいていただいた。この国土形成計画は、国や地方公共団体、また地域を担う民間主体と国民一人一人が課題を共有し、未来に向かう覚悟を明らかにする計画だと考えている。今後、計画の効果的推進や広域地方計画へどのようにつなげ、結びつけていくかが大事。地方自治体にとっても、こどもたちや国民とどのように課題認識を共有していきながら、実行部隊として動いていくか、そして広報もしっかりしていきながら、教育の分野の中でもこの国土形成計画を使っていけるよう推進をしていただきたい。
○国土形成に対して災害の影響というのは無視できないところまできている。南海トラフ地震や首都直下地震という巨大災害は、首都機能の麻痺、新幹線や高速道路の不通による輸送力の低下、東海地方等を中心とした産業基盤の破壊による生産力の低下、我が国に対する信用リスクの増大など大きな影響を及ぼす。更に、人口減少により復興に対応する労働者も不足することが見込まれる。災害の危機にさらされることを意味する災害の暴露を減らすためには、自律分散型協調社会への移行が推し進められるべきである。大都市圏、地方中核都市、過疎地域に応じた国土形成が考えられているが、災害への暴露を減らすために、リスクの高い地域は思い切った計画の縮減を含む重点整備も必要ではないか。
○災害は被害を引き起こすことで痛みを伴うが、復興による新たな国土づくりの機会でもある。積極的な復興を実現するための復興ビジョンの事前提示、事前合意が必要ではないかと考える。これがないと、災害発生前の状態に帰りたいという復旧願望から前に進むことが難しくなる。そのため、是非具体的な災害想定に基づいた国土形成を鑑みながら、この計画が運用、発展していくことを願う。
○「グリーン国土の創造」と記載されているが、創造という用語は新たに創るというイメージがある。日本の国土の70%は森林でもともと多くの緑がある。「創造」ではなく「形成」なのではと思ったが、「創造」という語を用いたことに意図があるのであれば教えてほしい。
○今回の国土形成計画に、ネイチャ―ポジティブやG7合意、COP15の合意、グリーンインフラ、30by30等について記載いただき良かった。ただ、これらやDXの取組を具体的に進める主体は自治体となる。政令指定都市のような大きな自治体ならば財政や人材の確保ができるが、小さな町村がデジタル化を進めていくのは簡単ではなく、支援が必要。長野市中条地区の管理構想では、国のメンバーがサポートしながらどこをどう保全、利用するか区分けをしていた。こういった手厚い支援が必要である。
○「生物多様性の主流化」と「気候変動対策の主流化」の両方の記載があるが、地域ではうまくいっていない。例えば釧路湿原では市街化調整区域に多くの太陽光パネルが設置されつつある。どちらも大切だからこそ、具体的に保全する場所を地図化、見える化しないと両者の間にコンフリクトが発生してしまうため、チェックしながらやってもらいたい。また、風力発電がある地域で停電しているなど、再エネルギーが地域へ還元されているか疑問を持つことがある。再エネルギーが地域にとって重要なエネルギー源になるような施策も必要でないか。
○複眼型国土の実現について、三大都市圏を結ぶ日本中央回廊の形成を通じ、地方活性化や国際競争力を強化するためには三大都市圏で行政・経済と中枢機能の維持継続や国土全体のリダンダンシーを確保していく必要がある。国土形成計画原案においては三大都市圏がそれぞれの特徴を発揮しながら相乗効果により我が国の成長を牽引する必要性、とりわけ名古屋、大阪の拠点性の向上を通じた東京圏と名古屋圏、大阪圏相互の更なる機能補完、連携の強化について明記いただいた。今後、各拠点の役割や連携体制を明確化することで日本全体の成長を牽引し、国際競争力の強化に資する国土づくりが図られていくことを期待している。
○首都圏機能バックアップ体制の構築について、以前より申し上げていた首都直下型地震の発生等に備えた平時からの体制構築あるいはデュアルオペレーション等の必要性について国土形成計画原案において明記いただいた。政府においても首都直下型地震の際に緊急災害対策本部の代替となる拠点の確保等にかかる検討がなされているが、自然災害だけではなく、パンデミックやサイバー攻撃等への対応の必要性も踏まえ、中枢機能をバックアップする拠点や役割を明確にした検討を進めるべきであると考える。関係府省の緊密な連携により今後具体的な検討を進めていただきたい。
○資料2の40ページにある、相続等により取得した土地の所有権の国庫帰属に関する制度について話題提供したい。本年4月から本制度が実施され、様子を見ていると国庫に帰属させて土地を引き取って欲しいという国民からの承認申請の出足が件数として順調であるのみならず、内容において精査しなければならない点はあるものの、それぞれの要望がよく考えられて根拠を持って申請されている様子が見てとれる。そのようなところを見ると、施策として失敗ではなかったと評価できる。しかしながら、国に引き取ってもらえればそれでよいという制度運用では弊害がある。本制度はなんでも使い勝手が悪い土地を国庫に引き取ってもらう制度ではなく、最後の手段であって、そこにいく前に各地域の土地の利用のあり方について地方公共団体を中心とする地域ごとの連携の中で、いろいろな方策を練った上で、どうしても難しければ国庫に帰属させる活用がなされるべきであり、それを土地政策として支援してほしいと望む。また、国庫に帰属させた後は、普通財産の国有地として管理されることになるので、地域においてどのように生かしていくべきか積極的に考えるようにしていただきたい。国土利用計画の原案においても様々な地域の観点が強調されているが、都道府県、さらに市町村の計画に移していく中で国庫帰属の制度との連携を考えていただきたい。さらに国土の管理構想との関係において、この観点も踏まえながら今後推進していただきたい。
○中間とりまとめ時に、国土における農山漁村の重要性と計画における記述の充実を申し上げたが、計画部会で丁寧にご対応いただき書き込んでいただいたことに敬意を表したい。
○今回の国土形成計画のコアにある地域生活圏10万人規模を想定しつつ、規模は地域の状況に応じて柔軟に決めるとあり、これは非常にいい考え方だと思う。一方で、実際に現場で具体的に展開する時の決め方が非常に難しいのではないか。参画する人については丁寧に書いてあるが、しっかりケアしていく必要があり、規模の柔軟性と書くからにはその覚悟と課題にしかるべき準備が必要。
○国土形成計画自体の認識を広めることが大事。私の関わりのなかで、高校生に地域の水問題、あるいは水環境に関わる活動の動画を作ってもらいながら支援している。動画をもって3月の国連の水会議に高校生に行ってもらったりしているが、学習指導要領の変更などもあり、高校生の地域への関わりが非常に増えている。高校生だけでなく、若者や一般の人にそもそも国がこういうビジョンを持っていることをきちんと伝えていくことが重要。その中から担っていく人、あるいはあり方について若者の意見が出てくるのではないか。
○国土形成計画及び国土利用計画の原案ともに現代的課題にとてもよく目配りのきいた計画になっている。地域マネジメントについて、地域における自然を単なる自然と表現するのではなく、自然資本とみなして、それに対する適切な位置付けを与えた上で、集約的あるいは粗放的にマネジメントすることによって、地域の力を回していく構想は他に例をみない非常に面白い点だと思う。その文脈において、一次産業と上手く連携して新たに粗放型の国土マネジメントをどのように行うかについては、これまで十分に知見があったわけではない。今後、粗放型の一次産業と連携した国土マネジメント技術の確立を進めていき、地域の国土をどのように守っていくか考えるべき時代にきているのではないか。
○文化について、目指す国土の姿の中に、「世界に誇る美しい自然と多彩な文化を育む個性豊かな国土づくり」の方向性をしっかりと示した上で、文化の維持継承、発展、情報発信、活用に加え、投資、 支援の必要性にも触れながら、具体的な取組を含めて記載していることは大変高く評価できる。明確なメッセージが伝わると思う。しかし、国土との関係では、現在、文化の分野はカテゴリーがかなり広がっており、食文化や文化的景観もある。例えば、フランスのサンテミリオンの葡萄畑の景観は世界遺産であるが、景観を維持していくためにはワインを造り続けられなければならず、それを支えるための、例えば、原産地証明の制度もあると聞いている。つまり、一次産業と自然と文化は、融合している部分が非常に強い。そうした観点をもう少し広げた方が地域に対するメッセージ性が強くなるので記載をお願いしたい。
○資料2の84ページにオリンピック・パラリンピックのレガシーに触れているが、スポーツだけである。オリンピック憲章ではスポーツと文化のマリアージュとしているので、文化的な部分の記載の工夫をお願いしたい。2回のオリンピックを経験した日本がつくる計画という意味合いも強く出てくる。
○今後は国土形成計画の記載内容をいかに実装していくか、特にデジタルインフラに支えられた地域生活圏は大いに共感するが、現実は難しいところもある。関心を持つ多様な主体の様々な方々の協力と参加が不可欠である。推進体制とモニタリングについても触れているが、できる限り多くの方を包摂できるインクルーシブで柔軟な推進体制を期待したい。
〇会議立ち上げから伝わるということを意識しなければいけないことを共有し議論してきた。国土形成計画というタイトルはとっつきにくいが、人々の暮らしに寄り添って、書きぶりを柔らかくし、読者に興味を持ってもらえることが重要。専門用語、各省の施策には細かく脚注を付けている。また、国土形成計画の柱であるデジタルの活用からWebで読む人も多いと思い、関連施策の一覧を作り、そこに各省庁施策のページのリンクを張っている。Webだと常に最新の情報を確認できるため、読者の理解を深める手助けになる。
〇未来を担う若者への周知が重要。中間とりまとめ後、2度若者との意見交換を行い、大変参考になった。今回、事務局は広報に大変力を入れており、どんどん取り組んでいくことが重要。今後、作った後が重要であり、計画に関連の深い様々な層へのアプローチをいかに工夫するか、いかに実効性を高めていくか、広報から動機付け、アクションへとつなげるためのサポート体制をしっかり作っていく必要がある。
○とりまとめられた案について大きな異論はないが、今の時点における国土計画の重要性について強調したい。国土をめぐる社会経済状況の変化、特に人口減少の規模とスピードを踏まえると、いかに地域を国土の中で魅力的で自律的なものにしていくか、と同時に巨大な災害リスクへの対応につなげるかである。そういった意味で今回の計画は、いかに魅力的な分散型の国土を目指し、作っていくかが一つの基調となる。就職や進学の機会に女性が地域から都市部に流出していることを考えると、新しい産業の創出や地域経済の活性化といった経済面のみならず、地域社会のウェルビーイングを高める政策と結び付けていく必要がある。G7のコミュニケにもあるが、今は持続可能な地域への転換に多くの施策、支援を投入していこうという大きな方向性がある。国土のあり方の検討をGXの政策とともに進めていけるタイミングでもあり、今の時点での国土計画は重要である。重要なタイミングで作られるこの計画にいかに魂を吹き込むか、実践と行動に移すかである。広域地方計画が筆頭になるが、今後、国土計画に基づき、地域レベルでより具体的な計画策定と実施につなげていく。このような国土計画の下での計画の策定と実践を進めていただきたい。同時に、計画に記載されている多くの施策は複数省庁にまたがるものであるため、具体の施策を進めていく中で、国土の課題に対して省庁連携で施策を策定し実行していただきたい。
〇国土形成計画をどう実行していくかは大きな課題になるが、自治体のみならず、経済界や民間団体がこれまで以上に主体的かつ積極的に、そして広域的な観点から地域の課題に取り組んでいくことが、実現に向けての一つの鍵であると認識している。
〇リニア中央新幹線が果たす役割の大きさについてさまざま記述をいただいているが、当事者としてその実現に向けて、なお一層力を入れていかなければならないと再認識した。
〇テレワークについて国土形成計画に記載されており嬉しい。国土づくりが変わっていくためには都市部の企業の働き方が変わっていく必要がある。
〇政府で進める異次元の少子化対策の中で、子供が3歳までの従業員が希望すれば、在宅勤務を努力義務にするという方向で議論が進んでいる。このまま国の制度の中にテレワークという働き方が入れば、企業を変えることにつながり、地方創生とこの国土計画により効果が出ればよいと思う。
○今後重要性が増すであろう外国人人口については、2020年の総人口に占める外国人人口の割合は2.2%であるが、この50年で外国人は増えると推測される。2070年には総人口の10.8%が外国人になると予測される。相当な割合の外国人を抱える自治体も出てくると思うので、同じような課題に直面する自治体のノウハウの共有が重要。その点で、デジタル活用によってより包括的にやっていけるのではないか。外国人が地域社会や地域経済に果たす役割にも、今後注目していただきたい。
○景観について、子育てしたくなる、住まいたくなる、訪れたくなるということを考えた時に、その場所における景色がとても大切になる。文化に関しても、空き家・空き地、耕作放棄地などを含めた荒廃地の機能維持、管理の観点は記載があるが、その場所での景色をどうのように豊かなものにしていくかという観点の政策や計画は、自治体の現場ではそういうまなざしで政策や事業を考えるに至っていないところが多いのではないか。機能とともに見た目においての景観、景色を豊かに守っていく観点を盛り込んでいく視点が大切である。
○地域生活圏は省庁横断的な取組が挙げられており、様々な観点が記載されているが、いわゆる対人社会サービスである、例えば、福祉、教育については必ずしも十分な記載がない。それは、これまでの国土計画が空間管理と機能管理、産業に軸足があったからだが、地域の生活を考えた際に今であれば、例えばコミュニティと学校が一体となって、地域づくりの役割を担うなどの様々な取組が生まれてきている中で、地域生活圏の検討において福祉や教育を含めた横断的な支援のあり方を考える必要がある。
○地域管理構想を地域が策定するにあたっての体制について、人材、財源、ノウハウ、技術を情報共有しながら地域が地域管理構想を策定できるよう支援体制を整えていくことが大変重要である。
○全国計画の閣議決定後、整合性を取った形で広域地方計画が策定される。我々の考え方を正確に伝えたうえで、より自主性、自律性の高い広域地方計画を策定するため、策定プロセスを考えていきたい。計画部会でも、従来以上のやり取りが必要との意見があった。
○本日の審議を踏まえ、国土形成計画・国土利用計画の最終案を作成いただけるよう事務局にお願いする。現在、政府において、様々な重要政策の検討が進められており、国土形成計画の実施にかかる重要な施策についても引き続き記載を拡充いただきたい。


(事務局からの回答)
〇大きくは、計画内容の更なる充実、計画の実行、国民の皆様と共有できるような広報・周知について多岐にわたるご意見をいただいた。
〇高速交通ネットワークについて、特に、高規格道路については、その高質化として、高規格幹線道路とこれを補完する広域圏間の交流・連携を強化するシームレスなサービスの強化といったことは定性的に記載しているが、これを具体的にどう進めるかについて、関係部局とも相談しながら記載の拡充について検討したい。鉄道についても、整備新幹線を始め幹線鉄道ネットワークについて記載をしている。
〇国土強靭化については、本年夏に策定予定の新たな国土強靭化基本計画と内容の整合性を図りながら実行に向けて連携して取組を進めていくこととしている。事前復興についても記載しており、地域での実行を進めてまいりたい。
〇バックアップに関して、東京一極集中の課題については、国土構造上の大きな課題として記載している。特に一極集中の大きな弊害に対して、中枢管理機能のバックアップの強化について位置づけ、特に政府機能については首都直下地震対策の観点からさらに検討を進めていくこととしており、今後関係部局ともよくすり合わせをして進めていく。
〇重点テーマそれぞれに意見をいただいた。特に地域生活圏については、地域公共交通の再構築や福祉、教育など分野を複合的にとらまえながら地域課題に対応していくことが大きな要素になってくるため、分野横断的に進めていきたい。また民間の力の積極的に活用とともに地方公共団体との連携の強化を図る官民のパートナーシップの担い手は大きな課題として取り組んでいく。
〇産業については政府全体でGXを大きなテーマとして掲げている。脱炭素社会、クリーンエネルギーへの円滑な移行も大きな位置づけとなっており、公正な移行の観点も含め経済産業省と一体となって取り組んでいく。
○グリーン国土の創造については前計画からの動きとして、カーボンニュートラルやネイチャーポジティブ、30by30など国際公約になるような大きな動きを捉えて、諸外国に先進的な課題解決の道筋を示していく新しい取組へのチャレンジという意味でグリーン国土の創造とした。
〇国土利用については、空き家等問題に関する制度をバラバラに活用するのではなく、複合的にとらまえて取り組むこと、また、国土管理構想との連携も含めて取り組んでいきたい。
○横断的なテーマとして、地域人材については、地域で不足するマネジメント人材の育成、少子化対策については政府において大きな打ち出していくなかで、その動きをとらまえて最終的な案を作っていきたい。また、外国人の人材の割合が地域で大きくなってくるなかでのその位置づけについても検討していきたい。
〇文化に関する具体的な記述の方向性についてご示唆いただいたので、計画の充実を図っていきたい。
〇計画実行にあたっては、「はじめに」にも記載しているが、国民の皆様と共有しながら主体的な活動を促していくいうこととあわせて、政府一丸となって取り組んでいくことについて記載しており、さらなる計画の充実と実行の観点で、今回のご意見を受け止めさせていただく。
○実効面でどう具体化していくのかという点と、国民にどのように訴えかけていくのかという広報面についてご意見をいただいた。しっかりと考えていく必要がある。実効面については、国土審議会の幹事会等も活用しながら計画の実装に向けて関係省庁と一丸になって取り組んでいきたい。広告面については、ターゲットを絞りつつ、様々なメディアの活用や教育の場での活用も進めていきたい。
 
(以上)
※速報のため、事後修正の可能性があります。(文責 事務局)

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