議事概要

札幌市からの軌道運送高度化実施計画認定申請に係る審議(第1回)

1.日 時 : 平成25年2月26日(火) 10時30分~11時55分

2.場 所 : 国土交通省 2号館14階 運輸審議会審議室

3.出席者
<委 員>
  上野文雄(会長)、鷹箸有宇壽(会長代理)、廻洋子、保田眞紀子、島村勝巳、松田英三

<国土交通省>
  鉄道局 : 堀内都市鉄道政策課長ほか
  事案処理職員 : 杉山運輸審議会審理室調査官

4.議事概要
○ 鉄道局が札幌市からの軌道運送高度化実施計画の認定申請について説明した。
 ・約0.4kmの延伸を行い路線を環状化するとともに、新型低床車両の導入、既設線の制振軌道化及び停留所のバリアフリー化を行う。
 ・事業費は、主に社会資本整備総合交付金及び地域公共交通確保維持改善事業費補助で賄い、事業者としての札幌市(交通局)の負担は、約9%であるなど、収支採算上の問題はないと考えている。
 ・道路管理者から異存なしとの回答がなされ、市議会でも「軌道事業の実施」に関する議案が可決されるなど、関係機関との調整等は終了している。

○ 運輸審議会委員からは、[1]現在の沿線の状況、[2]需要予測の妥当性。特に、4段階推計法を短距離の路線に適用することの妥当性、[3]利用者数の緩やかな減少が見込まれる中での収支見通しの妥当性、[4]運賃値上げを予定していることの住民への周知、住民の反応、[5]軌道新設に伴う自動車交通への影響、自動車利用者の反応、[6]利用促進方策、[7]同一営業主体である地下鉄との連携、パークアンドライド等の環境施策との連携、[8]事故等の現状等についての質問・指摘があった。
  これに対し、鉄道局からは[1]沿線の停留所付近ではマンションの立地が進んで人口が増加しており、一部混雑区間ではラッシュ時に積み残しも生じている。また、需要予測には観光需要を含めていないが、沿線の藻岩山ロープウェイは、リニューアル後利用者が増加している、[2]小規模な短距離路線についても4段階推計法は適用可能である。さらに、アンケート調査結果も加味している。また、推計モデルでの推計値と実績値を比較してモデルの再現性を確認している、[3]事業費の大部分は社会資本整備総合交付金等で国及び自治体が負担し、事業者としての札幌市(交通局)の負担は約5億円の企業債のみであり、償還条件等に照らしても過度な負担となるものではないと考えている、[4]議会での審議時にも説明がなされているほか、これまでの検討等でも負担の見直しは言及されているが、特に市民からの大きな反対の声は挙がっていないと聞いている、[5]軌道を新設する国道は交通量に余裕があり、問題はない。また、自動車利用者からの苦情等があるという話は聞いていない、[6]観光利用の促進について、事業者と運輸局とで連携して計画を検討している、[7]地下鉄との間では80円の乗継割引を実施しているほか、今年6月から地下鉄と共通使用できるICカードを導入する。また、駅勢圏が狭く徒歩・自転車で停留所に来る人が大部分なため、パークアンドライド等は実施、計画ともない、[8]車との衝突事故などが時々あるが、死亡事故はない。新型車両は加減速性能が向上するので、安全性向上にも資すると期待される等の回答を得た。


(注) 事案処理職員とは、運輸審議会一般規則第7条の2の規定に基づき、運輸審議会の指名を受け、指定された事案を処理する国土交通省職員のことである。

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