議事概要

富山市、富山地方鉄道株式会社及び富山ライトレール株式会社からの軌道運送高度化実施計画の変更認定申請事案に係る審議(第1回)

1.日 時:
平成27年10月27日(火) 10時30分~12時00分

2.場 所:
国土交通省 2号館14階 運輸審議会審議室

3.出席者:
<委 員>
 上野文雄(会長)、鷹箸有宇壽(会長代理)、松田英三、河野康子、根本敏則、山田攝子

<国土交通省>
 鉄道局:村田幹線鉄道課長ほか
 事案処理職員:運輸審議会審理室 持永室長、木村課長補佐

4.議事概要:
○ 鉄道局が富山軌道運送高度化実施計画の変更認定申請について説明した。
・富山ライトレール富山港線軌道区間を上下分離方式へ転換するとともに、在来線の高架化にあわせ、公設民営上下分離方式(軌道整備事業主体:富山市、軌道運送事業主体:富山ライトレール)で富山駅北停留所を在来線高架下へ移設(約90m延伸(制振軌道))し、富山駅南北接続線と接続し、一部複線化(制振軌道)及び停留場の新設を行う。併せて、既存新型低床車両を富山市へ移譲するとともに、新たに新型低床車両を1編成導入する。
・富山市において、社会資本整備総合交付金、都市・地域交通戦略推進事業費補助及び地域公共交通確保維持改善事業費補助により、国からの補助も受け実施する事業であり、収支採算上の問題はないと考えている。
・道路管理者から異存のない旨の回答がなされ、市議会でも所要の予算が可決されるなど、関係機関等との調整等は整っている。

○ 運輸審議会委員からは、
[1]今回一部区間を複線化するとのことだが、単線の区間はどうなるのか、[2]富山ライトレールの鉄道区間については上下分離をしないのか、
[3]富山ライトレールは毎年度1億円超の赤字を計上しているが、今回、開業当初から単年度黒字の見込みとしている理由
[4]市内中心部への自家用車の乗り入れ規制等について検討(又は今後検討していく予定)しているか
[5]今回の事業と安全性向上との関係性
[6]富山ライトレールは開業後に大幅に輸送人員が増加したものの横ばい状況が続いている一方で、富山地鉄の市内電車は環状線開業後順調に輸送人員が増加している理由
[7]利用者からの反対意見の有無
等についての質問があった。

これに対し、鉄道局からは、
[1] 本来は複線化が望ましいが、残された単線の区間は現状では道路の拡幅の余地がなく、複線化が難しいと聞いている。
[2] 軌道区間については道路管理者である富山市にとっては管理しやすいというメリットがあるが、鉄道区間を上下分離することは困難であると聞いている。
[3] 単年度黒字を見込んでいるのは、今回の事業に係る部分のみ。上下分離方式の導入により軌道施設等に係る固定資産税の負担がなくなるので、軌道区間については収支が改善する見込みである。
[4] 自家用車の乗り入れ規制については地元の商店街等が反対する事例も多いと聞いている。次回審議時に説明する。
[5] 次回審議時に説明する。
[6] 富山地鉄の市内電車については、市内中心部に住宅を新築する際の補助制度、高齢者の外出支援及び観光振興への取組を併せて実施した効果が出ているのだと思う。富山駅の北側は住宅地が広がっており、輸送人員が増え続けることは難しいと思われる。
[7] 次回審議時に説明する。
等の回答を得た。 


(注) 事案処理職員とは、運輸審議会一般規則第7条の2の規定に基づき、運輸審議会の指名を受け、指定された事案を処理する国土交通省職員のことである。

ページの先頭に戻る