議事概要

北海道旅客鉄道株式会社からの鉄道の特別急行料金の上限設定認可申請事案に係る審議(第5回)

1.日 時:平成27年12月3日(木) 10時30分~12時20分

2.場 所:国土交通省 2号館14階 運輸審議会審議室

3.出席者:
<委 員>
 上野文雄(会長)、鷹箸有宇壽(会長代理)、松田英三、河野康子、根本敏則、山田攝子

<国土交通省>
 鉄道局:山下鉄道サービス政策室長ほか
 事案処理職員:運輸審議会審理室 持永室長、川﨑調査官、木村課長補佐

4.議事概要:
○ 鉄道局からJR北海道からの鉄道の特別急行料金上限設定認可に関し、前回審議時に次回審議時に説明・回答することとされた事項([1] 在来線特急の青函区間における特急料金の特例措置、[2] JR貨物と旅客会社との間の線路使用料に係る協定、[3] 青函トンネルの維持にかかる費用分担の考え方、[4] 北海道新幹線の固有のコストにかかる分析等)について、
[1] JR北海道によれば、在来線特急の青函区間における特例措置の利用者については、利用そのものが少なく、かつ通勤・通学ともに定期券での利用は全くないとのことである。また、北海道新幹線特急料金の認可申請に関する地元説明の際にも、本特例措置の継続要望は全くなかったと聞いている。さらに、メール・電話などにより直接利用者からの本特例措置の継続要望は受けていないと聞いている。
[2] 第1種鉄道事業者のJR北海道は、鉄道線路を第2種鉄道事業者のJR貨物に使用させるときの使用料その他の使用条件については、JR貨物との当事者間の協議で決まったものについて鉄道事業法第15条に基づき国土交通大臣の認可を受けている。その具体的内容については、JR7社で「旅客会社と貨物会社との間における鉄道線路の使用に関する協定」を締結し、鉄道線路の使用料は「貨物会社に使用させる場合に追加的に発生する経費相当額とする」旨を定め、さらに使用料の清算額の算定方等について別途「経費清算協定」を定めている。線路使用料の基本的な考え方は、これらの協定の定めに基づくものであり、JR旅客会社共通である。なお、線路使用料は、当事者間の協議で決めるものであり、その方針を示したり、早期に協議するよう求めたりする権限は、国にはない。
[3] 青函トンネルの排水施設、変電所施設等は、青函トンネルの機能を保全するために必要な施設だが、設置以来30年もの長期間を経過していることに加え、海底下という過酷な環境にあるため、著しく劣化が進んでいる。このため、国はこれらの施設を改修、更新するための費用について、鉄道防災事業費補助により支援を行っているところ。一方で、排水ポンプ電力費や定期検査費用等については、JR北海道が青函トンネルを使用して、列車の運行を行うために必要な費用であることから、基本的には、事業者自らが負担すべきものであると考えている。
[4] 特急料金の上限設定に係る鉄道事業法の認可基準は、「適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えない」ことであり、北海道新幹線に係る総括原価の中には、原単位に基づく北海道新幹線の費用と、固有コストが全て含まれている。したがって、これらのコストで、利用者負担とすることが適正でないと判断しているものはない。一方で、「北海道新幹線の固有コストに係る分析」は、JR北海道からの特急料金の上限設定認可申請において、申請額の水準とコストとの関係が明らかでないことから、あくまで目安を示す目的で、北海道新幹線の固有コストを賄うためには利用者一人当たりどの程度の上乗せ額が必要となるかという試算を示したものである。
等の回答を得た。


(注) 事案処理職員とは、運輸審議会一般規則第7条の2の規定に基づき、運輸審議会の指名を受け、指定された事案を処理する国土交通省職員のことである。

ページの先頭に戻る