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● 報告書概要
高齢化・少子化社会と住宅・社会資本整備に関する研究 ◆要旨 1. 研究の目的 わが国の高齢化は、世界でも例を見ない速さで進行しており、2015年頃には4人に1人が65歳以上の高齢者となることが予測されている。また、近年、出 生率は急激に低下しており、わが国の人口は、2010年頃から減少していくことが予測されている。本研究はこうした高齢化・少子化が経済・社会並びに今後 の住宅・社会資本整備に及ぼす影響及びそれらへの対応方策について考察することを目的としたものである。 2. 研究結果 (1)人口集積型地域と人口分散型地域における高齢化・少子化の影響と住宅・社会資本整備の方向性(人口年齢構造や人口移動について地域特性を分析し、これに基づき社会資本整備の方向性を提案した。) 1.市部、DID地区等の人口集積型地域では、人口増加率は低下してきているが人口密度は高い値で安定している。また、高齢化率は上昇しているが人口分散型地域よりも概して低く、人口密度が高いため年少人口も比較的多い。こうした地域では、わがまち意識熟成のための景観美観に配慮した公共施設やコミュニティ活動のための空間等の充実が必要である。 2.郡部、非DID地区等の人口分散型地域では、人口の減少、人口密度の低下等の過疎化が進行している。また、高齢化率は人口集積型地域よりも概して高く、高齢化が急速に進行し、年少人口は減少している。こうした地域では、広域的コミュニティ形成のための交通ネットワークや通信ネットワークの構築が必要である。 (2)東京圏における高齢化による都市構造の変化 1985〜1990年及び 1990〜1995年の期間について高齢者人口の伸び率を算定したところ、都心から約30kmのドーナツ型の圏域で急増していることが明らかとなった。一方、1988年のパーソントリップ調査から、東京圏では周辺副次拠点都市を中心に、業務圏、買物・私事圏等複数のコンパクトな生活圏の形成が進んでいることがわかる。高齢者の長距離通勤等を是正し良好な生活環境を確保するために、こうした動きを政策的に支援し、職住近接型の都市構造を実現していくことが重要な課題である。 (3)高齢化・少子化による住宅選択行動の変化 高齢化・少子化の進展による相続額の増大、世帯人員の減少といった要因は住宅選択行動に影響を及ぼし、若い間は住宅購入のための頭金を貯蓄しながら借家に住み、世帯の成長とともに住宅を購入し、その後はその住宅に住み続けるといった従来の居住パターンのほかに、例えば、@ 親の住宅を相続するまで借家に居住し続けるパターン、A独身時代あるいは結婚初期は、利便性の高い都心部に借家居住し、ある程度世帯が成長したところで親の持家に親世帯と同居するか、親の持家の売却代金に自己資本を加えて持家を取得し親世帯と同居する、といったパターン等の多様な居住ニーズが生じると考えられる。 |
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◆発行 | PRCNOTE第12号/平成9年3月 |
◆在庫 |
<在庫切> |
◆詳細 |
表紙、執筆担当、「はじめに」及び目次 (PDF:597KB) 第1章高齢化・少子化の現状と課題 1.高齢化・少子化の動向 (PDF:331KB) 2.高齢化・少子化の社会・経済への影響 (PDF:759KB) 第2章高齢化・少子化社会と住宅・社会資本整備 1.高齢化・少子化の地域別動向 (PDF:500KB) 2.地域別の人口動態の推移 (PDF:802KB) 3.高齢化・少子化社会における住宅・社会資本整備 (PDF:339KB) 第3章高齢化・少子化社会と都市 1.高齢化・少子化が都市構造に及ぼす影響 (PDF:165KB) 2.高齢化・少子化による今後の都市構造変化 (PDF:1.8MB) 3.高齢化・少子化の都市政策への示唆 (PDF:198KB) 第4章高齢化・少子化社会と住宅 1.住宅選択行動の決定要因 (PDF:1.2MB) 2.高齢化と住宅 (PDF:858KB) 3.少子化と住宅 (PDF:724KB) 4.今後の住宅選択行動の変化と住宅政策の課題 (PDF:460KB) |