国土交通省 国土交通研究政策所 Policy Research Institute for Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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 国土交通政策研究所は、国土交通省におけるシンクタンクとして、内部部局による企画・立案機能を支援するとともに、 政策研究の場の提供や研究成果の発信を通じ、国土交通分野における政策形成に幅広く寄与することを使命としています。
  

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 ● 報告書概要


 次世代マルチモーダル交通情報基盤に関する調査研究

−W杯実証実験−

◆要旨

 近年発展の著しい最先端の情報通信技術(IT)を活用し、道路、車両に関する情報ネットワークを構築する高度道路交通システム(ITS: Intelligent TransportSystems)が、交通事故、渋滞等の道路交通問題の解決を目的として推進されている。しかしながら、都市における渋滞等の交通問題の抜本的解決には、公共交通機関を含めたマルチモーダルな交通情報基盤を、ITS等の取り組みと連携し、整備することが不可欠であり、そのためには、各交通機関の利用者の動態を把握し、目的地までの移動手段や移動経路、移動時間帯等を分析することが必要である。現在、我が国では、二人に一人以上が所持するまで携帯電話等が普及し、携帯電話等の所有者の約80%は携帯電話等を通話だけでなく、メールやインターネットの端末として利用している。一方、大学や民間等では、携帯電話等を利用した位置情報の把握技術を活用し、人の動態情報の集積・分析に関する研究が進められている。こうしたことを背景に、当研究所では、このような技術や研究成果を発展・活用することにより、人の動態を把握し、交通結節点を含めた渋滞や混雑等のボトルネックの改善に資するマルチモーダルな交通情報基盤の研究開発を進めてきたところである。

 平成14年5月から6月にかけて、我が国と韓国においてFIFAワールドカップが開催され、観客の円滑な輸送等に関する各自治体の対策が講じられる中、この機会を捉えて、大規模イベント時における観客の円滑な輸送・誘導に資する実証実験を開催地の一つである札幌で実施した。実証実験においては、携帯電話等を利用した位置情報把握により、札幌の試合会場へ地下鉄やシャトルバス等でアクセスする観客の動態をリアルタイムに把握するとともに、それらを踏まえた交通情報の観客への配信等を行った。本報告書は、次世代マルチモーダル交通情報基盤の研究開発の一環として、この実証実験の結果についてまとめたものである。

 実施に当たっては、朝倉神戸大学教授、羽藤愛媛大学助教授、有村運輸政策研究所研究員にご指導いただくとともに、札幌市交通局ならびに関係企業から多大な協力を賜わった。本報告書発刊に当たり、ここに厚く感謝の意を表する次第である。



◆発行

国土交通政策研究第23号/平成15年6月

◆在庫

<在庫有>(重量:350g 厚さ:6mm) 報告書を郵送希望の方はこちら

◆詳細

詳細(PDF:2.2MB)

◆事後評価

内部評価シート(PDF:10KB)
有識者評価シート(PDF:5KB)