ICカードを活用した都市交通におけるCRM戦略に関する調査研究II

―ポストペイ型ICカードシステムによる運賃の弾力化に関する実証実験結果―

◆要旨

　利用者ニーズの高度化や環境問題など都市における交通は様々な課題を抱えているが、このような課題に対し、近年、普及が進む乗車券機能を有するICカード(以下「交通系ICカード」という。)により得られる交通情報を有効に活用し、利用者との間に長期的に良好な関係を構築すること(Customer　Relationship　Management、顧客マネジメント、以下「CRM」という。)により、新たな可能性が切り開らかれつつある。このような観点から、国土交通政策研究所においては、ICカードを活用した都市交通におけるCRM戦略に関し調査研究を行ってきている。

　本研究は、我が国で初めて公共交通機関の運賃の支払いにポストペイ（事後精算）型の交通系ICカードシステムを導入するとともに、利用実績にあわせた割引を適用し、利用状況の変化やこのようなサービスに対する利用者の評価を行った実証実験の結果をまとめたものである。

　今回の実証実験の実施に当たっては、ポストペイ型の交通系ICカードの実用化を検討しているスルッとKANSAI協議会、実験のフィールドを提供していただいた札幌市及び札幌市交通局の方々並びに札幌総合情報センター、NTTデータをはじめとする関係企業の方々から多大な協力を賜わった。

　本報告書発刊に当たり、ここに厚く感謝の意を表する次第である。

◆発行

国土交通政策研究第28号／平成15年8月

◆在庫

◆詳細

◆事後評価