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● 報告書概要
不動産価格の形成過程に関する実験研究 ◆要旨 2007年以降にはじまる世界同時不況やわが国の近い過去である1980年代後半には、異常な地価高騰のバブルが生じた。特に、1980年代後半にはじまるバブルの崩壊は「平成デフレ不況」といわれる長期不況となり、全国的に地価下落が続いた。
このように、バブルの発生と崩壊とはこれまで何度も実態経済に大きな影響を与えてきたが、持続的な成長のためには、バブル発生の抑止、初期段階での対策が重要である。そのためには、まず人間心理を通じた不動産の価格形成のメカニズムの把握が不可欠であり、そのような認識の下、手法としての実験経済学に拠ったものが本研究である。 本研究における実験は、不動産が交換の対価としての売買価格、用益の対価としての賃貸価格という二つの経済的側面を持つことに着目してデザインされている。 具体的には、大学生からなる被験者に不動産の購入を行わせた上で、保有不動産の賃貸と売買をさせるが、その際、得られた収益によって被験者が貰う報酬が変化するようにすることで、真剣さを担保した。 その結果、不動産の取得費用が高いとその賃貸価格(賃料)も高くなる、という可能性が示された。伝統的経済理論によれば、賃貸価格は市場価格であり、取得価格とは無関係とされていたことと異なる結果になったと考えられる。 また、賃貸価格が高いと不動産の売買価格を高くする方向に影響を与え、さらにはその売買価格が賃貸価格に影響を与えるという複合的・連鎖的メカニズムが働いている可能性が示された。 |
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◆キーワード |
実験経済学、不動産バブル、不動産投資、不動産価格 |
◆発行 |
国土交通政策研究第84号/平成21年3月 |
◆在庫 |
在庫有(重量:300g 厚さ:6mm) 報告書を郵送希望の方はこちら |
◆詳細 |
詳細(PDF:2.33MB) |
◆事後評価 |
内部評価シート(PDF:119KB) 有識者評価シート(PDF:73KB) |