国土交通省
事業用自動車の安全対策の強化に伴う省令の改正について
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平成12年11月

 事業用自動車の交通事故件数(第一当事者)は年間約5万9千件で、近年上昇傾向にあり、事業用自動車に係る交通事故防止は喫緊の課題となっています。このため、平成11年6月には、事業用自動車の安全対策の充実について、運輸技術審議会から答申がなされたところです。
 この答申等を踏まえ、運輸省において検討を行った結果、事業用自動車の一層の安全確保のため、
・自動車事故報告規則(昭和26年運輸省令第104号)
・旅客自動車運送事業運輸規則(昭和31年運輸省令第44号)
・貨物自動車運送事業輸送安全規則(平成2年運輸省令第22号)
・旅客自動車運送事業等報告規則(昭和39年運輸省令第21号)
・貨物自動車運送事業報告規則(平成2年運輸省令第33号)
(以下それぞれ「事故報告規則」、「運輸規則」、「安全規則」、「旅客報告規則」、「貨物報告規則」と言います)を改正し、以下の事項について措置することします。
 なお、施行日については、事故報告規則(バス、タクシー、トラック)及び貨物報告規則(トラック)については平成13年4月、安全規則(トラック)については平成13年7月、運輸規則(バス、タクシー)及び旅客報告規則(バス、タクシー)については改正道路運送法の施行にあわせて平成13年度後半とする予定です。

【改正の概要】
I.事故実態等の把握
1.運輸規則及び安全規則の改正
(1)乗務等の記録
 乗務したときに運転者が記録する乗務記録に、これまでの運転者名、乗務距離、交通事故等の状況に加え、交通違反の状況についても記載しなければならないこととします。

(2)事故台帳の作成
 事業者は、乗務記録等を基に、事故台帳を作成し、当該台帳を営業所に備え、3年間保存しなければならないこととします。
 なお、事故台帳においては、道路交通法又は自動車事故報告規則で規定する事故について、その発生日時、場所、事故の種類、事故の当事者(第一、第二、その他)、運転者名、事故概要、事故原因等を記載することとします。

2.事故報告規則の改正
(1)報告対象事故の見直し
 事故報告規則においては、事業者等が引き起こした事故のうち重大なものについて、その発生の日から一定の期間内に届け出ることとされていますが、次の4つの事故を事故報告規則において報告を必要とする事故に加えます。
 一方、自動車、積載貨物、家屋その他の物件に与えた損害の総額が200万円を超える事故について、これまで報告の対象としてきましたが、報告の対象としないこととします。
a. 車内事故(急ブレーキ等によりバス乗客が転倒し骨折する等一定の傷害が生じた事故)
b. 健康状態に起因する事故(脳溢血、心臓発作等運転者の健康状態の異常による事故等)
c. 危険物等運搬車両による事故(危険物、毒劇物、高圧ガス等を運搬する車両において積載物質が漏えいした事故等)
d. その他社会的影響が大きい事故のうち陸運支局長が指示するもの(多数の負傷者が生じた事故等)

(2)報告内容の見直し
 報告事項について、運転者の氏名、事故・違反歴並びに適性診断及び健康診断の受診状況、事故に責任のある運行管理者氏名等を追加する一方、損害額を削除する等所要の見直しを行います。

(3)報告期限の延長
 事故報告規則において、報告期限はこれまで事故発生から10日以内としていましたが、これを30日以内に延長します。

(4)速報対象事故の見直し
 事業者が、24時間以内に速報しなければならない事故に危険物等運搬車両による事故及び特異な事故として陸運支局長が指示する事故を加えることとします。

3.旅客報告規則及び貨物報告規則の改正
 事業者が、毎年、国土交通大臣に提出する報告書の記載事項として、交通事故の状況(事故件数、死者数、負傷者数等)を加えることとします。

II.運行管理の充実
(1)運行管理の責任体制の明確化(運輸規則、安全規則)
 運行管理規程の中で、複数の運行管理者を選任している営業所においては、運行管理者の中から当該営業所の運行管理を統括する責任者を定めなければならないこととします。

(2)運行管理者の研修(運輸規則、安全規則)
 現在、毎年受講することとされている一般の運行管理者に対する研修については、事故・違反を惹起していない営業所の運行管理者については、2年に一度の実施に緩和する一方、死亡、重傷事故又は車両停止以上の道路運送法若しくは貨物自動車運送事業法の違反を惹起した運行管理者(当該運行管理者が所属する営業所の運行管理を統括する責任を有する運行管理者を含みます。)については、特別な研修の受講を義務付けることとします。

(3)車両に応じた運行経路の設定(運輸規則、安全規則)
 事業者は、車両の寸法についての保安基準の緩和を受けた車両等を運行する場合には、車両に応じた経路を設定し、運転者にその経路について指示を行うことを明記します。

(4)運行管理者の業務(運輸規則、安全規則)
 自動車運送事業の運行管理者の業務について所要の改正を行います。

III.運転者の安全対策の充実
(1)運転者の乗務時間等(運輸規則、安全規則)
 事業者は運転者の乗務及び勤務について、国土交通大臣の定める乗務時間等に関する基準を遵守しなければならないこととします。

(2)運転者の乗務距離(運輸規則)
 地方運輸局長が指定する地域内に営業所を有するタクシー事業者は、当該営業所の運転者の乗務距離の最高限度を定めなければならないこととされていますが、今後は、当該地域の乗務距離の最高限度を、地域毎に地方運輸局長が定めることとします。

(3)運転者の健康管理(運輸規則、安全規則)
 事業者は運転者の健康管理を怠ってはならないこととします。

(4)運転者に対する教育の充実(運輸規則、安全規則)
 国土交通大臣は、運転者の運転技術、法令知識等について教育指針を定め、事業者は、この指針に基づいて運転者を指導監督しなければならないこととします。
 また、事業者は事故・違反惹起運転者、初任運転者、高齢運転者(65歳以上)に対し、国土交通大臣の定めるところにより、特別な教育、適性診断を受けさせなければならないこととします。

(5)乗務員台帳の整備(運輸規則、安全規則)
 バス及びトラック事業者についてもタクシー事業者と同様に乗務員台帳の作成及び保存を義務付けるとともに、記載項目について交通事故及び違反の状況、健康診断の受診状況、運転者教育の受講状況及び適性診断の受診状況を追加することとします。

(6)運転者の遵守事項(運輸規則、安全規則)
 自動車運送事業の運転者等が遵守すべき事項について所要の改正を行います。

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