大臣会見

冬柴大臣会見要旨

2008年5月20日(火) 9:21 ~ 9:32
参議院議員食堂
冬柴鐵三 大臣

閣議・閣僚懇

 おはようございます。本日の閣議は一般案件が1件、国会提出案件が11件、法律の公布が4件、政令の決定が3件と人事案件です。当省に関係するものでは政令の決定が2件、「建築士法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」の決定と「建築士法施行令及び建設業法施行令の一部を改正する政令」の決定がありました。私からは以上です。

質疑応答

(問)今日、成田空港が30周年を迎えまして、今、国の空港行政のあり方がいろいろ話題になっていますが、30周年のご所感と、今後の空港行政について方針を教えてください。
(答)ご案内のとおり、大変な難産で作られた国際拠点空港ですけれども、関係者のたゆまぬご努力の結果、そのような困難を乗り越えまして、今では世界36カ国2地域と結ばれて、年間3,500万人もの国際航空旅客を扱う我が国の世界への玄関口、また、アジアを代表する国際拠点空港へと成長することができました。内陸部ですから騒音が必然的に発生するのですが、これもひとえに千葉県と成田市などの周辺4市5町のご協力によって、ここまで発展することができました。こういうものに対して、30周年という佳節を刻む今日、心から感謝を申し上げたいと思います。これから首都圏の空港は、そう言うけれども、日本の経済力はGDP世界2位ということで、諸外国から大変なニーズがあります。したがいまして、成田は内陸部で夜間は23時から6時までは閉鎖しなければならないということがありますので、羽田空港と一体として、そしてまた、羽田も第4滑走路が平成22年10月に供用開始しますので、成田と羽田一体で国際航空需要に応えていきたいと考えています。

(問)そうすると、これまでは、成田は国際、羽田が国内でしたが、それを成田と羽田ペアで国際ということですか。
(答)一体的にです。政策変更したのではなく、成田は我が国を代表する国際拠点空港、羽田は我が国を代表する国内拠点空港であります。ただ、第4滑走路が供用されますと、昼間は11万回ほど飛びますので、そのうちの3万回は国際線に振り向けることができます。従来から、成田は国際拠点空港、羽田は国内だけれども、余力は国際線で成田を補完するという役割がありました。ですが、今回、昼間3万回というものが公式に飛ばすことができますので、これは千葉県を始め、4つの都県及び4つの政令市、いわゆる8都県市といわれるところと国土交通省とで、役割分担について平成15年に話し合いがまとまったことはご存じのとおりですね。羽田から国際線を出す場合、石垣空港を基準に同心円を描きますと入ってくるような外国の都市に、定期便を設定することはよろしいということは8都県市で認めていただいているのです。したがいまして、その後、成田の北伸、羽田の第4滑走路の整備という新しい事態を迎えまして、これを合理的に使うために、もう一度8都県市に、これについて見直しをお願いをしたいと思います。両方を一体として考えれば、成田が夜間閉鎖している時間も、国際線を、貨物が主になるのでしょうけれども、一部はヨーロッパ等の遠い都市についても射程に入れて考えることができるというようなことで、今、いろいろと考えているところです。ただし、このように決める場合には、8都県市に、特に千葉県及び関係市町村の首長には、十分ご説明をし、ご納得をいただいて進めていきたいと考えているところです。

(問)中国の地震の関係ですが、新たに医療チームが現地に派遣されるということが報じられましたが、国交省関係では何か新たに要請等は来ているのでしょうか。
(答)今のところありません。一応、救助チームにつきましては、ある程度の役割を終えたのではないかと思います。中国も十分感謝しています。生存者を救出することができなかったことは誠に残念です。17人の遺体を収容することができ、それはそれなりの評価をいただいたと思います。しかし、遠隔の地ということもあります。また、我が方の救助隊は都市型災害に対してのノウハウを持っていますが、土石流や土砂災害、あるいは山間部における今回のようなところは、また違う機材を持ち込まないと、人力だけではてこに合わないわけですから、こういう反省をしながら、今後に備えたいと思います。

(問)空港の話に戻ります。成田空港の今後ですが、国土交通省として、どのような見通しで運用していきたいと思っているのか改めて教えていただけますか。また、国際競争力を考えたときに、成田空港は規模的に不足しているのではないかという指摘もあるのですが、今後、その辺を大臣はどのようにとらえていらっしゃるか教えていただけますか。
(答)これまで30年、本当に血のにじむような関係者の努力、周辺の方々のご協力を得て、ここまできているわけでして、この中にも、その30年という月日が解決しつつある問題もあると思います。限られた資源、また、2兆2千億円の巨費が投じられたものですので、こういうものを中心にと思います。今でも、成田と羽田を合わせれば、アジアでは断トツの離着陸回数で、それだけの力を持っています。しかし、日本の場合、首都圏にいろいろなモノが集中しているので、どうしても、関西国際空港や中部国際空港に空きがあるといっても、「いや、やはり成田に」となるのです。ですから、やはり成田を増強しなければならないと思います。これは一朝一夕にできる仕事ではありません。しかし、もちろん諦めているわけではなく、今ある形の中でも、いろいろな工夫をしながら、もう少し離着陸回数を増やしたり、いろいろなことができるのではないかと思っています。

(問)URの件ですが、必要な登記をしていなかった物件がけっこうあると報道されていますけれど、どのようなご感想をお持ちですか。指導などはされるのでしょうか。
(答)違法です。不動産登記法に違反しています。新築すれば1ヶ月以内に表示登記しなければならないという規定があります。これは住宅公団時代の古い話でありますが、それは言い訳になりませんので、お詫び申し上げなければなりません。早急に登記しなければならないと思います。

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