大臣会見

冬柴大臣会見要旨

2008年6月10日(火) 9:19 ~ 9:31
参議院議員食堂
冬柴鐵三 大臣

閣議・閣僚懇

 おはようございます。本日の閣議は一般案件が1件、国会提出案件が23件、法律の公布の決定が3件、政令の決定が3件と人事案件です。当省の関係では、政令の決定が1件、「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法施行令の一部を改正する政令」の決定と、国会提出案件が1件、「平成19年度首都圏整備に関する年次報告について」の決定がございました。また、閣議前に第1回総合海洋政策本部境界海域チームが開催され、当面の検討課題である大陸棚調査対策の推進、海洋調査データ一元化等について、その取組み状況や今後の進め方の審議を行うとともに、これまでの状況を踏まえ、離島の保全・管理のあり方を新たな検討課題として加えることについて審議しました。今後とも政府一体となって重要な海洋政策の推進に取り組んでいきます。私からは以上です。

質疑応答

(問)2点お伺いします。1点目は、海上保安庁の巡視船が台湾の遊漁船と接触、沈没した件について、その状況の説明をお願いします。2点目はタクシーの問題で、他省庁の報告も上がってきているのですが、これを踏まえて、どう思われるかお願いします。
(答)1点目の巡視船の件ですが、本日未明、領海警備を行っていた海上保安庁の巡視船が尖閣諸島魚釣島南西方から接近する船影を認めました。領海内を航行するようでしたので、1000トン級の巡視船こしきが接近し、船名を確認しようとしたところ、同船はジグザグ航行を行ったため、さらに追跡したところ、同船が急に方向転換し、接触しました。午前3時23分ごろ衝突、4時38分ごろ魚釣島南南東約7キロの領海内で同船は沈没しました。船名は台湾遊漁船聯合號(レンゴウゴウ)と確認されました。聯合號には16名が乗船していましたが、今確認したところでは、3名が乗員、13名が釣り客、乗客であるということですが、巡視船で全員を救助しました。そのうち1名、船長が右膝と左眉付近にすり傷程度がある模様で、その他の方々にけがはありません。今、乗組員16名全員を石垣島に搬送中で、午後1時ごろ到着の予定です。事故原因等については、今後、事情聴取し、捜査を行っていきたいと思っています。
 2点目ですが、深夜タクシーの利用客に対する便宜供与の問題について私の感想を申し上げると、一連の事案の中で、いわゆる現金あるいはそれと同視すべきものが頻繁に収受されたということになりますと、道路運送法第10条の運賃の割戻しをしてはならないという規定、これには100万円以下の罰金という罰則規定がありますが、これに該当するかどうかが問題だと思います。タクシー事業を所管する立場としては、今回このようなことが明らかになったことは、タクシー事業の適正な運営の観点から遺憾なことであると思いますし、必要な調査を行い、違法な事例が確認された場合には、これも道路運送法に規定がありますが、厳正に対処していかなければならないと思います。私の立場としては、現金、あるいは商品券というような現金と同視すべきもの以外のビールやおつまみ等については、サービスの一環と認められるのではないか、すなわち運賃の割戻しには該当しないのではないかと思いますが、いずれにしてもサービスをするにしても十分に節度を持って、他から非難をされることがないように注意をしていただきたいと思っています。以上です。

(問)秋葉原の事件ですが、観光でも有名な秋葉原が事件現場になったことで世界的にも大きく取り上げられてますが、その点について観光政策の影響等何か考えられていますでしょうか。
(答)ご指摘のとおりでして、我が国は2010年には訪日外国人の数を1千万人にしようと懸命に努力をしているところであり、外国人が一番最初に到着するのは大都市です。本日も続けられてますが、現在神戸で、世界観光機関(UNWTO)のアジア太平洋センターが主催して、3日間にわたって大都市圏における観光という問題をとらえてシンポジウムや講演会を行っているところです。東京といえば秋葉原というように、外国人の人は常に行かれる代表的な観光地になっているところで、こんな衝撃的で残忍で残酷な犯行が行われたことは、我々のこのような努力に冷や水をかけるような、大変残念な事件であったと思います。国家公安委員長におかれましてもこれが予告をされていたという点で、総務大臣においてもこのようなものをどれぐらい察知できるか、どの程度真実を伝えるものかわかりませんが、そういうようなものに対する目配りということを、担当大臣としては書面でこれから警告をすることについてきちんと手配をするというようなことを聞いてますが、本当に大変残念なことであると思っています。

(問)海保なんですけれども、領海内ではあってもやはり、普通に止めて事情を聞くというのが筋だと思うんですけれども、沈めちゃったことに対しては、適切な結果だったとお考えでしょうか。
(答)まだわかりません。我々は、もちろん止まりなさいということを警告をしているわけですけれど、ジグザグ航行というのがあるんですが、非常に危険です。今は、我々に並走して、我が方に衝突したという情報ですが、今後、石垣へ入ってまいりましたら、その点について事情を聞こうと思います。この間も、観閲式等で、模擬訓練がありましたけれども、大変緊迫した危険な状況です。そういう中で海上保安庁としては、命がけで領海を守っているわけでして、こちらが故意に沈めるとか、そういうことはありませんので、よろしくお願いいたします。

(問)故意に沈めないにしても、過失というか、やむを得ないような状況かだったかどうか分からないので、今のところ分からないということですか。
(答)もちろんそうです。原因については調査をいたします。

(問)スカイマークですけれども、7月、8月で、465便新たに大量欠航が出ました。ご所感お願いします。
(答)スカイマークが機材構成を、大きなボーイング767からボーイング737へ機種を入れ替えているんです。そうしますと、767の機長、乗員は、もう一度6ヶ月くらい、737についての訓練を受け、試験を受けて合格しないと乗れないという、そういうタイトな中で、2人が急に辞められたということが重なったようです。したがいまして、6月の運航計画の変更は認可をしました。けれども、スカイマークが大量の運休を発生させたこと、また利用者に対し、乗換え等をあっせんしたようですけど、事前の情報開示が十分でなかったということについては、私どもは誠に遺憾だと思っています。したがいまして、スカイマークに対しまして、航空輸送サービスの安定的な提供のため余裕を持った運航体制を確保してもらいたいこと、あるいは運休が見込まれる場合には、利用者に対して速やかに情報の提供、あるいは、振替え輸送等の的確な対応をしてもらいたいということを指導する航空局長名の文書を発出するともに、立入検査を実施して、今後の的確な対応を求めるということにしております。

(問)文書はこれからですか。
(答)文書は今日だと思います。私はそれで結構だということで決済しました。

ページの先頭に戻る