大臣会見

冬柴大臣会見要旨

2008年7月25日(金) 10:58 ~ 11:16
国土交通省会見室
冬柴鐵三 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議は当省に関係するもので特にご報告するものはありません。以上です。

質疑応答

 
(問)幹事から2つお願いします。一つは24日の未明に起きました岩手の地震なのですが、被害状況と国交省の対応状況を教えていただきたいのと、今朝、道路・河川の権限移譲に関して京都等3府県の知事がお見えになって、国土交通省の幹部と意見交換をされたのですが、今後、地方分権に当たって、税源移譲みたいな話も知事から出てくると思いますけれども、地方分権に関して大臣の御所見をお願いします。
(答)ご案内のとおり、昨日、7月24日午前0時26分に岩手県沿岸北部を震源とする、暫定値ですがマグニチュード6.8の大きな地震が発生しました。今回の地震では、24日17時現在、幸いにも死者・行方不明者は出ていませんが、126名の方が負傷されています。被害に遭われた方々に対して、心からお見舞いを申し上げたいと思います。国土交通省所管施設の被害状況につきましては、国土交通省緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)120名を今回の地震でも夜明けとともに派遣しました。ヘリコプターによる調査や、現地の被災状況の確認等を行って参りました。また、海上保安庁におきましても、航空機16機及び巡視船艇13隻により沿岸部被害状況調査を実施したところ異常はありませんでした。主な被害としまして、道路に関しては、高速道路及び直轄国道には通行止めはありませんでしたが、県管理国道では2ヵ所、県道で3ヵ所の通行止めが発生しています。また、鉄道に関しましては、東北新幹線及び秋田新幹線は昨日24日に運転を再開しています。また、運転を見合わせていましたJR在来線の2路線も安全が確認出き次第運転を再開する見込みです。土砂災害につきましては、約1,100ヵ所の土砂災害危険箇所点検のため、TEC-FORCEや近隣道県の応援によりまして、約100名からなる緊急支援チームを編成し、緊急的に点検を実施しているところで、概ね4日以内くらいには結論が出ると思います。その他の施設については、特段、目立った被害は発生していません。国土交通省としましては、一日も早く国民生活を安定させるため、引き続き、応急対策や地方公共団体への支援に全力を尽くす所存です。なお、発災と同時に、我々の職員が緊急体制を執りまして、私も勿論出て参りましたけれども、その時には、例えば高速道路とか、そういうところも実際に現地を走って安全を確認するとか、本当に素早い対応が執れたと思います。TEC-FORCEにつきましては、ご案内のとおりですが、大変地元からも期待をされていまして、こういう方々の活躍を今回も期待していただいていますので、我々としても、精一杯頑張っていきたいと思っているところです。以上が地震関係です。
 2番目に、地方分権に関しまして、今日、全国知事会の中の、地方分権委員会の委員の先生の方々になるのでしょうか、京都府知事が委員長でしょうか、そういった方々が国土交通省幹部と意見交換を行ったということは、勿論知っておりますし、聞いておりますが、まだ詳細、どういう議論がされたのかは、私は聞いていません。そして、この意見交換を通じて、道路や河川の委譲に係る作業が円滑に進むことを私は願っています。以上ですが、これも私の所感ですが、地方分権委員会におきまして、第一次、第二次、第三次勧告というように分けて、第一次勧告では、例えば国から地方へ渡してもいい河川や道路について示してもらいたいと。そして、第二次勧告はほぼ年末だと承知していますが、地方支分部局とその河川や道路の管理をしている現場をどのようにするのかということを協議したいと。第三次勧告については、その予算の配分等を検討したいが、それは年を越えてからやりたいということで、そのように私は承知していました。それから、総務大臣が私の方へお見えになった時も、冒頭そのような説明をされました。ですから、人員や予算というものは、この際捨象して、河川や道路について国から地方に渡してもいいというようなものを示してもらいたい。河川については、一級河川のままの姿で渡してもらいたい。こういう注文がありました。従って、そのことを前提に省内でも検討をしてきた訳ですし、それに基づく回答をした訳です。我々としては、条件として比率やグロスで、例えば河川であれば、一級水系全109水系のうち53水系が一つの県の中で源流から河口まで完結していると。そういうものが53水系あります。しかしながら、その中では国が管理する方が適当だと思われるものが沢山ある訳でして、従って、その約4割程度はお渡ししてもいいのではないか。そして、いろいろ議論はありますが、ご希望であれば一級河川のままでお渡しすることはやぶさかではありません。こういうことを申し上げました。そして、その具体の何々河川というような名前は、これはお受け取りになる地方公共団体、都道府県と十分話し合いをしないと、そういうところで我々が渡すと言っても、これは国でやはりやってもらわなければ困るというような話が沢山出てくるのが過去の例であったようです。むしろ、我々が渡すのを嫌がるのではなしに、そのようなことがあるので、具体のところは十分協議をして決めていきたいということを申し上げました。ところが、知事会では、河川だけ渡すと言われても人員やお金がどうなるか分からずに決めるわけにはいかないのではないかというお考えがあったようですが、私としてはそれはよく地方分権委員会の1次、2次、3次という進め方そのものに関わる問題であって、その点は地方分権委員会の方とむしろやってもらわないと困りますよ、ということを、私は山田さんとはその後2回程、偶然色んな会合でお会いした時に話をしたことがあります。今日の話の主題もそこら辺のところが出たのではないかと思います。まだ報告を受けていませんので、今申し上げたことは私の所感です、以上です。
 
(問)整備新幹線の件ですが、昨日与党プロジェクトチームで国土交通省が算定した貸付料の金額等が指示されたようですが、その貸付料だけで建設することはなかなか難しいという筋の話であったと聞いています。国土交通省として、これから整備新幹線の建設の財源を確保するに当たって、貸付料の算定もそうですが、どういったスタンスで臨まれるのでしょうか。       
(答)整備新幹線については政府・与党合意というものがあり、今それに基づいて着手しているものについては、その期限を守って、色々と物価も上がったりして大変しんどいのですが、これは決められた時期に完成をしようと一生懸命取り組んでいるところです。問題は、未着工の部分をいつ、どういった条件で着工するかということについても、政府与党の申し合わせ、私も入って決めたものですが、その時にも財源をきっちり手当をするということが、その他にも要件はありますが、一番大きいところは財源です。非常に大きな2兆円ぐらいの額が必要になります。これは一挙に1年で必要な訳ではありませんが、どういう風にそれを手当てするかと言うことが最大の論点です。したがって、これについては政府と与党が一体となって検討しなければならない問題です。我々だけで決められるモノではありません。ただ、今まで造っている、例えば九州新幹線にしてもそうですし、東北新幹線の延伸部分や、あるいは北陸新幹線の延伸部分というものが順次出来上がり、そしてそれは貸し手も借り手も決まっています。したがってその賃料をどうするのか、ということを色んな指数を用いて算定をしよういうことで、その作業は行っています。ただ、これは契約ですので現実に引渡しするのはずっと先のことですので、そういうものの賃料を今決めるということについては、私の方はそうして欲しいですが、借り主、つまりJRのほうはいろいろ不確定要素がある、ということだろうと思いますが、なかなか難しい点があるようです。金額とかそういう問題については、与党の会議ですから私がここで論及することはできません。そういうものを材料にしながら今後どうしていくかということが議論されたものと承知しています。
 
(問)外局である気象庁の話になりますけれども、今回の地震で緊急地震速報の関係なのですけれども、今回なかなか上手く機能しなかったようなことも聞きますけど、前回の岩手、宮城の方では上手くいったようですけれども、その辺の今後の課題というか方向性はどう考えられましたか。
(答)契約をした、例えば、鉄道事業者とか個人もありますけれども、そういう所にはP波がきてから4.1秒くらいで知らせたはずでございまして、それなりに、勿論走っている電車等も制御されますし、あるいは、動いていた工場等もエンジンを止めまして被害を最小限に抑えました。あるいは、幼稚園とか小学校とかそういうところも園児たちが机の下とかに入る十分な時間があった。これは、喜んでいただいてる反面、テレビその他で通報したのはP波が来てから20秒ちょっと過ぎています。したがって、岩手県全域は緊急地震速報が流れた時には本震が来ていたということになります。ただ宮城県の仙台のあたりでは、十数秒の余裕があったということで喜んでいただいてる訳です。今回、何故20秒なのか、そこらへんについては反省がいると思います。気象庁としては、108キロという非常に深い震源であって、P波の伝わり方及びそれによってS波の規模というものを判断するのに時間が必要だったというような事があります。いずれにしましても、世界で初めて昨年の10月1日から始めたものでございますし、予め地震を通知することによって被害を減災するという方向は、僕は正しいと思いますので、色々な試行錯誤を重ねながら、あるいは改良を重ねながら、より精緻なものを、より効果のあるものを仕上げていくというものだろうと思います。出来るだけ温かく見守ってやってほしいと思います。機材等についても、本当に最小限でやっていますから、もう少し、追加しなければならないものもあるかもしれません。そういうものについては予算をお願いするとかしながら、より迅速かつ確実なものにしていきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 
(問)公共事業ですけれども、-5%については財務大臣とお話は。
(答)全然していません。
 
(問)今後お話する予定もないのですか。
(答)私は聞いていません。そういう話を僕の前で言われたら、きちんと話をします。
 
(問)大臣、改造はありますか。
(答)改造とは何のことですか。
 
 

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