大臣会見

金子大臣会見要旨

2009年4月24日(金) 9:43 ~ 10:05
国土交通省会見室
金子 一義 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議では、当省に関するものでは政令が2件、「道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」、それから「独立行政法人住宅金融支援機構法施行令の一部を改正する政令」の決定がございました。私からは以上です。

質疑応答

(問)海賊対処法案が昨日衆議院を通過しました。参議院の審議に向けた基本的なお考えについて大臣のご所見を伺います。
(答)既に海上自衛隊を海警行動で派遣をしている実態もあります。外国船籍からのSOSを受けて対応することもやっておりました。「カラスの空鉄砲」じゃありませんけれども、SOSを受けた時に対応出来る方法としては、実際にはフラッシュライトを使うことしか出来ない中で、早く海賊対処法案を通して、外国船籍への対応や接近事案等に対する武器使用、今の段階では元より警告等の弾も撃てませんけれども、そういう行動を海賊対処法案では目的としている訳ですが、早くこの海賊対処法に切り替えて我が国として対応していけるようにしたい。参議院でなるべく早く通して頂きたいと思って、我々も誠心誠意取り組もうと思っております。ただ、与野党の修正協議、大体ポイントは絞られていると思いますけれども、衆議院段階では比較的あっさり終わっております。参議院にいってどういうタイミングで、どういう状況で出て来るかは与野党協議の場にお任せせざるを得ませんけれども、なるべくスムーズに進められればと思っております。

(問)27日に1年4ヶ月振りに国幹会議の開催が決まったと思うのですが、どんな議論を期待されますでしょうか。
(答)国幹会議は10年振りでありますが、10年前に決めた9,342キロメートルを超えた部分について国幹会議でご議論頂きます。4箇所についていよいよ整備計画にするということで掛けさせて頂きます。それ以外に、地方部でどうするんだというご議論、この4箇所に入っていない所のご意見も当然あると思います。4箇所に入っていない都会部、特に新名神は関西の知事さん達も非常に熱心にご要請されておられます。こういうものもどのように扱うのか。この整備計画に加えていく4箇所以外の路線の考え方を国幹会議で出してもらって、私がとりまとめていきたいと思っています。

(問)高速道路の値下げが始まっていよいよ1ヶ月近くになる訳ですが、現時点の状況についてどうご覧になっているのか見解をお願いします。
(答)地方部で比較的に順調にスタートしていると、本四連絡橋では約2倍、それ以外の所で10パーセントから30パーセント、路線によって違いは当然出て来ますけれども、私の地元の東海北陸自動車道という富山、名古屋を結んでいる路線は昨年同月比1.6倍になっています。それから、京都、奈良、或いは大阪から名古屋に入っていく道路については130パーセント増えてきています。伊勢に行く道路についても30パーセント増で、今のところそれなりに期待した効果が出て来ているんだろうと思います。鹿児島で青森のナンバーが見かけられたとか、我々が想定していなかったような思わぬ動きも出て来ている、つまり消費者の方が予測を超えた活用の方法をやられていると。それから、JRでもレンタカーと組み合わせて、JR西日本では乗り放題のパスとレンタカーを組み合わせた割安パッケージを作るということで、それなりの競争が始まっている。高速道路会社の課長達の話では、非常に売店の販売が全体として調子が良いと。そういう意味で観光効果も出て来ているのかなと思います。ただ一方で、特に四国の宇高連絡船を中心と致しまして、本州と四国を結ぶフェリーが非常に厳しい状況になってきている。補正でやれることは検討して、枠取りもさせて頂いて対応することを具体的に今検討しております。

(問)最後の部分ですけど、フェリーに影響が出て、JR四国も週によっては3割減という数字が出ていて、勿論誘発もあるのでしょうけれども、単にモードが移動した部分も少なからずあるのだろうと思うのですが、役所の決定が民間企業の競争状況を一方的に変更するということと、もうひとつは二酸化炭素の排出量が多いモードに誘導する結果になっていることへの批判について見解をお願いします。
(答)高速道路を大いに活用して地方の観光の効果を上げてもらうということは結構だと思いますし、国民的にも今までJR西日本を使っていたが、家族4人で移動するのであれば車のほうが安いという消費者にとってみれば非常に良い構図になっていますから、JR西日本もそれに対応するサービス競争をやろうということでそういう競争に対応していける範囲でやって頂けることは大いに結構だと思います。ただ、フェリーのように直接ダメージが大きいところは考えなければいけないと思っています。

(問)ポスト京都の交渉で発展途上国に対してあなた達も枠の中に入って欲しいと、削減努力を進めて欲しいと今呼びかけている最中に、一方で日本は国内で排出量が増えてもいいからとにかく高速に乗ってくれという矛盾については如何ですか。
(答)ETCは御陰様で順調に普及して来ていますので、全体として運輸部門が約2割を担って、担ってと言うか排出の負担を全体として持ってきているということでありますから、車についても走行と同時に今度の経済対策でエコ車、排出量のなるべく少ないエコ車に移行するという経済対策も併せて行ってきている訳ですし、ETCをそもそもお願いしているのもそういう走行によるCO2排出、渋滞というのを削減していこうという全体の施策の中での議論であります。

(問)明日JR福知山線の脱線事故から4年になりますが、慰霊式に臨まれるに当たって考えられていること、それから今後公共交通の事故の被害者について検討されていくのか教えて下さい。
(答)明日慰霊に行かせて頂きます。4年の歳月が流れていますが、私は映像でありますが、目に焼き付いた悲惨な出来事は今でも目の前に焼き付いています。こういうことが起きないように各運輸事業者の運輸安全マネジメントというものをそれぞれの会社がかなり権力を持ってやってもらう体制というのがこれを機会に出来てきています。私もこの運輸安全マネジメントにおいて各運送事業のマネジメントを担当する人達の会議に行って話を伺いました。かなり独立した形で、今までは組織の中にあるから「まあまあ」というような形だったかもしれませんが、そうではなくて、自分たちの会社の中での役割を相当独立した立場で意識されながらやっていると。裁判については被害者の方々とJR西日本でお話しをされている最中とお伺いしていますので、私が今コメントする立場にはありません。

(問)先程の高速道路の関係ですが、高速道路会社がゴールデンウィークはここ5年間で最大の渋滞が起こると想定していますが、それについてどうお考えですか。
(答)道路会社の皆さんが不眠不休でトイレを仮設したり、何処かで渋滞が起こりそうなのでサービスエリアを何処から何処に移動してもらおうというような、少しでも渋滞を緩和するためのSA、PAでの対応を行ってもらっています。もう一つは、渋滞情報、つまり何処が何時頃渋滞するかが分かればユーザー側はそれを回避する動きも取られると思います。私が現場から伺っているのは、情報も出して運転する方がそれを回避してもらうようなデータを一生懸命整備して出したいと今まで取り組んで、少しでも渋滞緩和して貰おうと思い、またそうなってくれると良いなと思っています。

(問)草彅剛容疑者について大臣から何か。
(答)話変わりますが、海上保安庁の整備を少し前向きに取り組みたいと思っています。あなたは海保の応援団と聞いていますが、また教えて下さい。

(問)鳩山大臣はかなり草彅容疑者について批判されまして、総務省のイメージキャラクターとして使っていたにもかかわらず責任感がないと仰っていましたが、大臣はどう思いますか。
(答)今日の閣議の前の雑談の時でしたが、「冗談じゃないよな」と。地デジのポスターは総務省のお金で作ったようです。地デジの番組の費用は民放とNHKで出し合っているようです。このポスターは全部貼り替えなければいけない。「冗談じゃない」と言っていました。皆さんも気をつけて下さい。

(問)日本航空について政投銀の融資を受けられるように国交省としても支援をしていくと仰いましたが、それは日本航空再建について国交省なり国土交通大臣が責任を持つということで宜しいのでしょうか。
(答)再建ということよりも、経営活動を続けていくために必要な資金繰りに必要があれば国土交通省として支援をしますという意味で申し上げました。

(問)それは日本航空のプラン、大臣の言葉で言えば経営活動が続けられるようなプランについて、国土交通省においても一定の責任を持った上で融資を支援をしていくという意味で宜しいでしょうか。
(答)融資の申し込みを行うに当たっては、それが受けて貰えるかどうかというのは、今後の経営計画というのが相当見込まれるよねというのは当然政投銀であればこそかなり厳しく見てこられると思います。そういう意味で、そこである程度この経営計画で良いのかと、更に見直す必要はないのかと、そういうプロセスは当然執っていくと思います。

(問)その中で国交省としても一定の責任を持っていくと。
(答)支援していく。

(問)先程の大幅値下げの件ですが、2年間で経済波及効果はどれ位を見ていて、一方でCO2はどれ位増えてどうオフセットするのか教えて下さい。
(答)経済効果は観光で年間7千億円。それから物流コスト引下げで数千億円の経済効果です。この高速道路料金引下げを計画した当初は、CO2のシミュレーションとしては、全体として休日の上限千円でCO2が増加するのですが、平日の3割引で一般道から高速道への利用転換が行われてCO2は減少すると、全体としてCO2の増加量は減少量を上回らない。増えないというシミュレーションを立てたようです。

ページの先頭に戻る