大臣会見

金子大臣会見要旨

2009年9月8日(火) 10:37 ~ 10:59
国土交通省会見室
金子 一義 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議では、当省に関係するものはありませんでした。閣議案件以外で私から1件ご報告がございます。新型インフルエンザについては、8月に流行シーズンに入り、9月7日現在で11人の死者が確認されるなど、秋冬に向けて感染拡大が懸念されております。このため、国土交通省においては、秋冬における感染拡大の防止等に向けた総合的な対策を検討しており、本日開催される局長・課長級会議において決定し、本日14:00に公表して、具体的な中身について担当者から説明させることとしております。私からは以上です。

質疑応答

(問)国総研が出した高速無料化の効果に関する試算結果についてですけど、3割、5割引のときより完全無料の方が効果が大きいと、その結果につきまして、昨日の次官会見でもお伺いしましたところ、信頼性には疑問もあるというご見解だったのですが、改めまして大臣のこの結果に関する評価、お考えを伺えますでしょうか。
(答)国総研が報告書では3割、5割の結果で提出された、しかし検討の過程で10割、つまり無料化というのも検討しておられた、そのことについては衆参の予算委員会でも私もはっきりお答えし、そしてその検討の結果についても衆参の予算委員会で十割の方が経済効果があるのではないかということを総理も含めて議論が行われてきた経緯があります。もうその時に議論としてはかなり尽くされたんだと思っております。

(問)現在でもそのご見解は変わらないということですか。
(答)後は政策の選択ですから。計算上、無料化になった場合に経済効果があるという結果の一方で、無料化するのに費用がかかります。無料化するのはタダでは出来ませんから、費用というものを考えたときに本当に意味があるのか。もう一つ、我々は与党でありますけれども、高速道路を利用する方が負担していただく、受益者負担の考え方で高速道路を所管させていただくという考え方、高速道路がない地域、乗らない地域、乗らない人々にも税金ということで負担をしてもらうという考え方ではなく、受益者負担という、我々の政策の選択でありますから、そういう結論で衆参の予算委員会でも議論させていただいたところであります。それは今でも変わりません。もう一つの無料化については、どういう手続きで無料化していくというのが、我々も興味を持ってますけども、民営化というものが、無料化によって、また地方に行くのか、或いは準公務員みたいな扱いになるのかという問題をどういう風に解決するのだろうかという課題について、我々が民営化に踏み切った経緯を前提に考えるところです。

(問)今の関係で、昨日谷口次官が記者会見で10割引きの試算について公にして来なかったことに関して、時の与党、大臣のお考えもあったのではないかと思いますと述べられていますが、大臣はそういう10割引きの試算の公表、或いは非公表に関して何かご指示はなされたのですか。
(答)19年に国総研で発注されたようですから、その時どういう中身でやられたか私は知りません。しかし、明らかにして来なかったのではなくて衆参予算委員会で10割の試算が検討結果の中であったと明確にしてますから隠した訳でも何でもない。ただ、報告書の中では10割というものは無かったということですね。

(問)それに関連して、大臣が昨年2月の国会の中で民主党から10割の検討資料について公にすべきだという指摘に対して精査の上提出させて頂きますというご答弁されていましたが、その後民主党に資料を提出されたと伺っていますけれども、我々マスコミ含めて公表資料という扱いには今もってなっていないと思いますが、そこはどういうお考えでしょうか。
(答)国会に提出した訳ですよね。皆さんとの関係は次官に聞いてくれませんか。我々は国会に対して提出を約束し提出しました。それに基づいて国会で議論されましたから。

(問)補正予算についてですが、民主党がまた昨日から補正予算の執行状況について財務省と協議を始めたり、かなり補正予算に向けて民主党は攻勢を強めていると思いますが、まず大臣ご自身は国土交通省で補正予算の執行状況についてどの程度把握をされているのか、報告を受けていらっしゃるのかお伺いします。
(答)これからです。今まで選挙で没頭してましたから、執行状況等はこれから報告を受けようと思っています。

(問)各省で補正予算に絡む予算の執行を見合わせたり、そういった動きが出て来ているのですが、そうした動きについてどのようなご感想をお持ちでしょうか。
(答)各省から相当出てますか。

(問)農水では基金を停止するとかそういった動きで出ています。
(答)これは政策の選択ですから今の段階では事細かく申し上げませんが、これまで国会の中で議論されて来たのは基金、或いはアニメの殿堂ですが、これらがシンボリックに補正予算の審議の場では議論されて来ましたよね。こういうものを当面民主党として補正予算の執行停止の対象としてお考えになっているのではないかと。それ以外については私も未だ聞いてません。

(問)先程の無料化の試算の件でもう1点お尋ねしたいのですが、2月の衆院のやりとりの前に何度か質問主意書が出ていて、それに対して試算したものは無いと、検討したもの無いと、ずっと政府の方でお答えされていたかと思うのですが、そこら辺は当時も試算はされていたかと思うのですが。
(答)次官との懇談ではどういう答えだったんですか。

(問)昨日はそれについて触れてないです。
(答)また木曜日におやりになるようなのでそこで聞いてくれませんか。私は少なくとも報告書では無いと、しかし途中経過ではあると報告を受けましたので途中経過のものは国会でありますという答弁をさせて頂いてますので、詳細な経緯は木曜日にやってください。

(問)熊本の川辺川ダムの反対がおよそ1年前の9月11日だったんですけど、その後は滋賀の大戸川ダムの反対、そして大臣がされたタスクフォース、そして今度は民主党が八ッ場ダムと川辺川ダムの中止などダムを巡る動きが1年間反発というか批判に曝されたと思うのですが、この1年をどのように見ていらっしゃるのかご所見があればお願いします。
(答)少なくとも決めたものはやるということではない、もう一遍その必要性についてある意味考えてもらおうということです。川辺川ダム、大戸川ダム、それぞれ経緯が違うと思いますけど、何故、大戸川ダム、川辺川ダム、次々と地元の知事さんが反対するのか。また、知事が替わると反対になる反面、被害を受ける市町村長さん達は是非やってくれという。熊本もそうですけど、滋賀もそうですよね。基礎的自治体と知事との考え方の違いをまとめて頂く必要があるのではないかと思います。それからタスクフォースで、第3回をこれからやると思いますけど、何十年も掛けてやってきてる工事についてどういうタイミングで見直しをしていったらいいのか。それからやってる最中で分かった、特に大戸川ダムがそうだったんですけど、ダムが出来る直前はもの凄く金が掛かると。整備新幹線もそうですけど、2つの大きなこぶが出来ますよ。ダムの時にはワーッと出来て。もう暫くしてから出来る直前。こういう資金的な負担は特に滋賀県の嘉田知事もその資金負担の話、彼女が私に言ったのは、滋賀の問題で下流の大阪、京都に財政負担をさせるのに忍びないという話がありました。また、財政面の問題以外には、川辺川ダムについても、大戸川ダムについても、流域の市町村長と知事のお考えがなかなか一致しない。私のところに大戸川ダムも大津市の住民の皆さんがやってきて「何とかしてくれ」と言ってきてます。こういう幾つかのダムの問題について地元住民の意見調整、知事の意見調整、財政的な問題を含めて今までとは違った検討過程を設けていく必要があるのではないかと思います。財政負担の部分も明らかに2つの大きなコブが出来ますから、そういうものを何か対応する方法も考える必要があるのではないかと思います。こういった論点は大分明らかになってきたと思います。これをどのように集約するかというのは年内、1年間掛けてということでタスクフォースをやってもらっていますが、それがまだ途中ですが、方向としてはそういうことです。今までは決めたことをやるだけだったのですが、その必要性についてもう一度下がって検討してみようということです。私は熊本の件は1つのモデルケースだと思っています。つまり今まではダムを造らないと災害は起きると、ところがダムを造らない場合に災害は起きるかもしれないが起きてもこの程度の被害で済むという、いわば災害と共生しようという考え方を熊本県知事は提示され、八代、人吉市長さん達と議論してもらって、そしてデータを出して引堤或いは川を掘ればこの程度までは耐えられるけどもここから先は耐えられませんという、データに基づいて自治体と県とでやってもらっていますので、まだ結論が出ていませんが1つのケースだと思います。大戸川ダムも、下流から整備していって、その上で宇治川と桂川を整備していって、ただ宇治市は早くやってくれと今でも大戸川ダムを要求しています。まだ決着は付いていません。取り敢えず河川整備でやれる範囲は何処かということを今やってもらっている。そういう意味で見直し或いは災害とも共生というものを確保して何処までやるかというある意味今までない方法を検討しようとする方向で来た1年間だと思います。

(問)地元では結局この1年間何も変わらなかったではないかと。何も協議が進まなかったではないかと。熊本県と国の間でダムによらない治水を考える場を続けているのですが、結果的に結論が出ていないという現状があります。国としてこの1年間、ダム以外の治水を考える検討の結論が出なかったことについては大臣としてどう思いますか。
(答)引き続き検討中でしょ。データ出して色々聞いて或いは河川の掘削或いはダムを高くするという幾つかのケースについて検討中と聞いています。

(問)地元としては1年経ったんだから国としてダム以外をどうするのか、それともダムを造るのか何か結論を出して欲しいという思いもあるのですが。
(答)それは協議会で今まさに1つの方向を出してもらう。その協議会を議論されていますから国はその協議会の結論を待つという、これはその前に国が方針を出すような話ではないです。

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