大臣会見

前原大臣会見要旨

2010年4月23日(金) 10:46 ~ 11:06
国土交通省会見室
前原誠司 大臣

閣議・閣僚懇

私からはございません。

質疑応答

(問)1点幹事社から。
高速道路の新料金制度の関係なんですけれども、小沢幹事長が昨晩鹿児島での会合で、無料化どころか値上げになっていて説明がつかないと。
もともと党が建設を要望したということで、苦心されてこのような制度になったかと思うのですが、この時点でこのようなタイミングで党側から言われることについて所感をお願いします。
(答)皆さん方にもお配りしているように、昨年末に党からの要望で、高速道路の建設を促進するために利便増進事業の見直しを含めと、こういった要望をいただきまして、国土交通省として総合的に判断する中で、今回法案を提出しているわけでございまして、利便増進事業というのは、今まで割引とスマートインターチェンジに使われておりましたので、当然のことながらそれを高速道路の整備に充てるということになると割引の財源は減るということになります。
これは以前ご説明した資料でございますが、3兆円の内、もともとが整備に0.3兆円、料金割引にこれだけということでありまして、3兆円の内、残りの約2.6兆円についてはこういう仕組みであったわけですが、これを党の要望で整備というものに1.4兆円、つまり整備に1.1兆円増やし、その代わり料金割引というものを1.1兆円減らすということでありますので、当然ながら割引は減るということで、これで値段が上がるというふうに言われるということは、要望されておきながら値段が上がってそれはいかんと言われるのは、二律背反のことを言われているということでありまして、我々としては方針どおり進めさせていただきたいと、このように考えております。

(問)小沢さんの発言なんですけれども、役所を説得できないところにこういうことになっちゃうんだということを昨日同じ会合で仰っているんですけれども、三役で進めたと我々は理解しているのですが、それはどちらが誤認なんでしょうか。
(答)全くの事実誤認ですね。
お話をされるときは調べてお話をされたほうがいいと思います。
政務三役で決めて、そして国交省に指示をしてやったということでございまして、事実無根、全く仰っていることは当たらないと思います。

(問)今回結局政府、党の最高首脳会議で総理、官房長官がいったん引き取るというふうな話になり、わずか1日で大臣の意思が貫かれたと。
こうしたのを見ていると、あまりにも党からの要望に政府がぶれている、揺さぶられすぎなのではないかという国民からのそういった視線はあると思うんですが、それに関しては大臣どのようにお考えでしょうか。
(答)私が鳩山総理や平野官房長官から伺っていたのは、党からの要望は承った、引き取ったということで、別にその時点で了解をしたわけではないと。
そして引き取られた中で、担当である私にもご相談をいただき、最終的に現時点では見直さないということでありますので、私は、何も政府の立ち位置としてはぶれていないというふうに思っております。
もう1点ですね、システムの問題として私が思いますのは、これからはそれこそ政府と党で議論をしていかなければいけないと思いますが、政策調査会がないということが私はこういった問題に繋がってくるんだろうと思っています。
政策調査会があれば、わざわざ政府、党の首脳会議で個別の政策について話をすることはないと思うんですね。
そのことによって、むしろ小沢さんがそういうものを仰るような窓口になってしまっているということも、政策調査会がないということが起因をしているのではないかと思っており、これが全体のスキームでありますので、今回私が感じたことは、もう一度やはり政府と党の間で政策調査会というものの是非をご議論いただければありがたいと、このように思っております。

(問)これからその法案を国会審議にかけると昨日仰いまして、その中で料金の内容が変わる可能性について改めてお願いしたいのと、もし変わった場合に、NEXCOなんかが周知の期間も必要だというふうに仰っていて、実施時期が遅れることもあると思います。
6月から遅れると参院選後になる可能性がありますが、その点についてお願いします。
(答)現時点で料金を見直すことは考えておりませんので、実施時期も6月ということで考えております。

(問)料金の内容が変わることも審議によってはあり得るのでしょうか。
(答)鳩山総理、平野官房長官とお話をしたのは、国権の最高機関である国会でのご審議を通じて、そして最終的に国土交通省で判断をすると、こういうことでございますので、もちろん変わる可能性が全くゼロではありませんが、変わらない場合もあり得ると、こういうことであります。
現時点において見直すつもりはありません。

(問)小沢さんと国交省を巡っては、箇所付けの問題で一度足を引っ張られていると思いますが、今回2回目だと思いますが、身内の党の最高権力者から足を引っ張られ続けていることについては、どのようにお考えですか。
(答)今回も馬淵副大臣が丁寧に小沢幹事長の下に、これは阿久津副幹事長もご同席をされていたということでありますが、今回の法案と料金体系については詳しく説明をし、了解をいただいているということでございましたので、我々はそういった政府与党へのご説明は終わっていると、このように思っておりました。
それ以上でもそれ以下でもございません。

(問)いったん国会に出した法案に対して党側から意見が付くというのは、ガバナンスといいますか、政策決定のあり方について前原大臣はどうお考えですか。
(答)どのようなご意見でも自由活発に仰っていただくことは私は結構だと思いますが、
ただ政府として一度閣議決定をしたもの、そしてまた本会議で質疑を受けたもの、その中身を法律事項ではないとはいえ変えるなんていうことは、これはガバナンスが問われることであり、我々としては絶対に認められないということで現時点では見直すつもりはないと。
そして、国会審議の中でいろいろな問題点をご指摘いただきたい。
こういうとりまとめをして、総理もご了承いただいたということでございます。

(問)馬淵副大臣が小沢幹事長と副幹事長に説明したというのはいつごろのことですか。
(答)事前です。法案を出す前だと思います。

(問)沖縄の仲井眞弘多県知事が4月25日日曜日に行われる県民大会への出席を今日決められました。
それに対する受け止めと、知事が出る県民大会が今後の普天間移設の移設先決定や地元交渉にどのような影響を与えるかとお考えでしょうか。
(答)先ほど、仲井眞知事と私もお電話ではお話をいたしました。
知事からは、安全保障に関わることは国が決めることであるけれども、むしろ鳩山総理にエールを送りたいと。
県外に出来るだけ持っていきたいという思いを持って頑張っておられるという受け止めを持っていてエールを送りたいと、こういうふうに仰っていただきました。
いずれにいたしましても、まだ最終的に皆さん方にどのようなかたちで政府案としてご提示をして、それを進めていくかということを明確にお示しをしていない段階ですので、これぐらいにとどめさせていただきたいと思います。

(問)次の日曜日で尼崎の福知山線の脱線事故から5年になりますが、5年となるにあたっての受け止めと、それから今、検証チームなどの進捗状況に対しての受け止めなどありましたらお願いします。
(答)4月25日で福知山脱線事故から丸5年が経ちます。
乗客の方が106名お亡くなりになられた悲惨な事故でございました。
改めて亡くなられた方々に心からご冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、また、お怪我をされた方々、ご遺族の方々にもお見舞いとお悔やみを申し上げたいと思っております。
今回の事故で、鉄道事業者は、徹底的になぜ事故が起きたのかということを分析し、解明し、説明責任を果たして再発防止に万全を尽くさなくてはいけないのに、そういった事業者自体が、現在の運輸安全委員会、前の鉄道事故調査委員会の委員に対して働きかけを行うというあってはならない行為がございまして、その結果として報告書が歪められたのではないかという疑念が強く残っているわけであります。
この疑念を晴らすために、私はご遺族を含めた方々に調査員になっていただきまして、徹底的に調査をしていただくと。そして、報告書が歪められたのではないかという疑念を持っておられるのであれば、その点についても、心のゆくまで明らかにする作業を行っていただきたいと考えております。期限については区切っておりません。期限を区切りますと、どうしても心ゆくまでということになりませんので、期限は区切らず、思い切り心のゆくまで徹底的に調査をしていただきたいと思いますし、鉄道事業者であるJR西日本に対しても、全面的に協力をするようにということは申し上げているところでございます。

(問)慰霊式へのご参加等は考えておられますか。
(答)はい。
参加をさせていただきます。

(問)米国の高速鉄道のことですけれども、国際協力基金とか、いつからお金が貸せるようになるかということと、大臣のアメリカに行く日程はどのようになっていますか。
(答)まだ総理からお許しをいただいておりませんが、アメリカについては、今のところ計画としては4月29日から5月1日まで行きまして、日本式の高速鉄道の売り込みにいきたいと思っております。
今、お尋ねのございましたJBICの政令改正は、今日の閣議決定で決まりました。
したがいまして、先進国向けの融資については、原発に続いて高速鉄道も行えるようになったということでございます。
私が申し上げておきたいのは、やはり日本の新幹線の素晴らしさ、新幹線が開業してから45年経ちますけれども、死亡事故はゼロ、そして平均遅延時間は1分以内。
そして地震国である日本でもそういった対応策がしっかり取れているということ。
この安全性と、専用鉄道、軌道を走りますので、軽量化をし、非常に環境性能にも優れていると。あるいはコストにも優れていると。
こういったことを売り込んでいきたいと思っております。
またマグレブ、つまりは超電導リニアにつきましても、今中国の上海で、行われておりますけれども、形態が全く異なりますし、私はこのリニアも日本の技術の方が遙かに優れているということを米国に対して申し上げていきたいというふうに思っております。
ポイントとしては、この日本の技術の素晴らしさと同時に国の支援の態勢も整ったということと併せて、欧州が求めているTSI、つまりは欧州の高速鉄道というのは専用軌道ではなくて在来軌道を走りますので、そういう意味では踏切があったり、様々な事故が起きるという前提でそういった規格がなされているわけですが、このTSIというものについては我々は組しないと、つまりは様々な規格を米国には採用していただいきたいと、こういったことを主な点としてしっかりと米国側に伝えていきたいと、このように考えております。

(問)今日から事業仕分けの第2弾が始まります。今日初日で住宅金融支援機構が対象となっておりますが、民間とのあり方とか、明らかなことについて改めて教えてください。
(答)今ご指摘がございましたように、住宅金融支援機構の事業仕分けが今日夕方行われるということでございまして、私どものスタンスとしては枝野行政刷新担当大臣が行われる事業仕分けについては、全面的に協力をさせていただくということで臨みたいと考えております。
なお、この住宅金融支援機構につきましては、住宅ローンの債権を証券化をして、それを原資として民間の金融機関が住宅のローンを組む際に、長期固定というかたちをバックアップすることにしているわけでありまして、民間の金融機関が住宅ローンを組む際には変動金利が多いのですね、初めは低くても段々と高くなっていって、そして結果としてローンが払えなくなって、そして住宅を手放さざるを得なくなる状況が生まれてきている。
これからそういった潜在的に、住宅ローンが変動金利によって払えなくなって手放さなければならなくなる方というのは相当多いと思います。
そういう意味では、こういった国が長期固定のローンというものを支援する仕組みを作っているということは、私は大変大事であるし、その存在意義というのは極めて大きいと思いますので、そういった観点から、我々としては、この機構の必要性についてはお伝えを申し上げたいと思いますが、当然ながら天下りの撲滅とか、あるいは様々な問題が契約であれば、そういったところは徹底的に見直していくという意味で、鳩山政権での天下り撲滅、随意契約の撲滅、こういったものには全面的に協力をしていきたい、しかし中身については極めて重要な業務内容を行っている、こう認識をしております。

(問)国の一部報道で、熊本県の荒瀬ダムの件で、国が撤去に関与しているのではないかという報道がありますけれども、それについてお願いします。
(答)まず事実関係から申し上げますと、国と熊本県による協議機関というものを設置をいたしまして、国が全面的に技術面での助言などをしっかりとやらせていただきたいとこのように考えております。
その際、社会資本整備総合交付金、こういったものを活用する中で、どうすれば荒瀬ダムの撤去に資するかたちで協力できるかということを考えていきたいと思っております。
当面、荒瀬ダムは球磨川にございますけれども、荒瀬ダムの若干上流に、球磨川に流れている百済木川というのがございますが、荒瀬ダムはせき止めることによって百済木川もかなり砂が堆積をしておりまして、そういった除去を、まずは社会資本整備総合交付金においてやっていくなど、具体的なアドバイス、助言、そして環境影響評価も含めたシステム作りを国も熊本県のご意向に沿ってバックアップをさせていただきたいと、このように考えております。

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