今日の閣議で国土交通省として御報告する案件というのは特になかったと思います。
前回の記者会見のときに耐震について御報告をするということを申し上げました。
1月17日に阪神・淡路大震災より16年が経過したということで、それを一つの契機として、この16年間にどれだけ耐震化が進んだかということを調査して、公表しようと思いました。
その一つのきっかけは、確か日経新聞の夕刊だったと思いますが、伊藤忠商事の小林会長のコラムが出ていて、1月17日が来るたびに思うのは、天災は避けられない部分があるとしても人災は防がなければならないという、当たり前のことだと。
特に、学校の耐震補強をすべきという声が強まり、予算化もされたけれども、補強工事の進捗状況は必ずしも満足のいくものではないようだと、こういう御指摘を頂きました。
3年前に中国の四川省を襲った地震では学校の建物の下敷きで多くの子供達が犠牲になったと、こういうことで未来ある子供達を守る手立てをしっかりと講ずるべきだろうという御指摘がございました。
私もそのとおりだと思いますし、あの阪神・淡路大震災で亡くなられた皆さんの無念さを思うときに、日本の国は地震国でありますから、耐震化をしっかりとやって欲しいと、こういう思いを受け止めて国土交通省としてもやるべきだと思いまして、今日、その資料をお配りをしたところであります。
この資料を見ますと、住宅の耐震化というものは5年に一度、調査をするということになっているそうでありますから、平成20年の統計が出ておりますけれども、平成10年のときに68%だった住宅の耐震化は79%まで進んだと。
目標は、平成32年に95%にしたいと。
それから、特定建築物の耐震化は、当時75%でありましたが、これが平成20年では80%まで上がったということでありますが、まだまだであります。
それから、次に住宅・建築物の耐震化に対する緊急支援ということで、平成22年度補正予算で住宅の耐震改修等について、国や地方公共団体経由で1戸当たり30万円の緊急支援を行うと、こういう制度も作ったところでありますので、是非報道していただいて、こういうことを活用して耐震化を進めるように勧めていただきたいと思います。
地方公共団体への支援という意味では、耐震診断という助成策を考えておりますので、是非ご活用いただきたいと思うところであります。
住宅の耐震化率は79%、小中学校の耐震化率は73.3%、病院の耐震化率は56.2%、防災拠点となる公共施設等の耐震化率は70.9%ということでありますが、これを見ると小中学校の耐震化率もまだ不十分でありますし、病院の耐震化率も地震等で災害に遭われた方の救済をする施設としてはまだまだ不十分でありますので、関係省庁と連携を取ってこれらを引き上げて、国民の皆さんが安心して毎日の生活ができるという環境を作るようにしていきたいと思います。
なお、最後に住宅・建築物の耐震化率の現状ということで、各都道府県の成績表を載せさせていただきましたので、これもできれば報道していただいて、自分の県はどれほどのレベルにあるのかということで各自治体もこの耐震化を進めるという一つのきっかけになるように、報道の皆さんの御協力をお願いしたいと考えております。
以上が前回お約束申し上げた耐震化に当たっての基本的な結果でございますが、地震災害というのは、いつ、何時来るかもしれません。
夜か、朝か、昼か、夕方か、様々な時間帯が想定されますが、国土交通省としては最悪の状況のときに起こるということを想定して、対策をしっかりやろうということも事務次官以下関係者の皆さんにも申し上げたところでございます。
以上が私の方から御報告すべきことでございますので、あとは皆さんの方から御質問を頂きましたら、それに対してお答えしたいと思います。
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耐震化の進捗について(1月21日大臣会見参考資料)