大臣会見

前田大臣会見要旨

2011年10月18日(火) 9:28 ~ 9:41
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議の案件で、特に私の方から御報告するものはございませんが、トピックスとして、政令改正の中に国土地理院の測量原点の数値変更というのがございます。
要するに東日本大震災で随分動いたわけです。
原点というのは憲政記念館等にございますが、そこが少し動いているわけです。
そこをまず確定させて、そして動いたものを全部もう一度修正し直すということで、原点の緯度・経度等を政令で指定しなおさなければならないということだそうでございます。

質疑応答

(問)羽田の国際線ターミナルが出来て、もうすぐ1年ということですが、羽田が国際化されて一年の評価と今後の課題などがあれば大臣の所見をお願いします。
(答)成長戦略を昨年閣議決定いたしましたが、その前に国交省としての成長戦略というものを決めております。
その一番の原動力として、羽田のD滑走路の完成をまずもって展開していこうということで位置づけをしたわけでございます。
ご承知のとおり、まずは3万回、夜も3万回の6万回で出発して、特に旅客に限って言えばその成果は出ております。
やがてこれを日中3万回を6万回にしていくということで、いよいよ羽田の国際空港化オープン1年の実績等を更に発展させて、成長戦略の原動力としての役割を大いに果たしてもらいたいと思っております。

(問)成果が出たということはお客さまが増えたということでしょうか。
(答)そうです。
国際旅客数が本年8月までの利用実績で2.1倍、566万人になったという実績が上がっております。

(問)直接、国交省関係ではないのですが、足立区の小学校で3.9マイクロシーベルトの高い放射線量が検出されたのですが、それについて大臣の御所見をお願いします。
(答)それについて私は存じておりませんでしたが、いつですか。

(問)昨日からです。小学校で。
(答)ここ3日ほど、特に昨日は1日中紀伊半島を飛んでおりまして、そのニュースは存じませんが、この間の世田谷の件でもああいうことがありましたし、まずはきちんと事実関係を確認する調査が必要かなと思います。

(問)昨日、奈良の被災地に行かれたと思うのですが、御所見と、もし現場で、土砂ダムなどに関して何か指示をしたことがあればお願いします。
(答)昨日は、奈良というよりも紀伊半島全体を視察しました。
台風12号発災直後に私は奈良県を中心に、平野大臣が和歌山県、三重県ということで手分けして行ったのですが、今回は、前回行けなかった所、主に和歌山、例えば、那智勝浦町であったり、新宮市であったり、あるいは三重県紀宝町であったり、そういった所を中心に視察しました。
また、ヘリコプターで被災地まで行ったものですから、途中克明に土砂ダムを何度も何度も旋回してもらって見てまいりました。
そういう意味では、その後の状況、それから道路が寸断され、橋が落ちたような所、あるいはJRの紀勢線の現場だとか、こういった所を見てまいりまして、ほぼ被災直後、そして被災後の今の復旧・復興の状況を掌握してまいりました。
今の御質問ですが、戻って奈良県庁で記者会見をさせていただきましたけれども、深層崩壊ということで、十津川筋の大きなダム湖ができたり、それから那智勝浦町、これはまた本当に悲劇です。
奥様、娘さんを亡くした町長さんが御案内をしてくれましたが、普段は熊野大社、那智の滝、非常に豊かな自然の中で、熊野の森なども見られて、おそらく南方熊楠などの原自然の風景などがある所ですが、そこが、また崩壊しているわけです。
土石流が直撃して、多くの犠牲者を出しているのです。
熊野詣などが始まって以来のことですから、少なくとも千年に一度の大災害のようです。
御質問についてですが、深層崩壊というようなこと、土石流の発生などということについては、かなりの確度で、事前に何とか警戒体制をとれるのではないかということで、国土交通省において高性能レーダーを導入して、ピンポイントで豪雨を予知する、また崖崩れ箇所というものは、専門家に見ていただくと、だいたいここが危険箇所というのはわかるのです。
そういった所に、随分と進化したセンサーを置く。雨とセンサーと、それを衛星通信などを用意して結びつけて、そして早期警戒システムを作ろうと、このような検討を開始して、いよいよ実証実験的なものを紀伊半島で始めようということになりました。
これを昨日、発表してまいりました。もちろん、警戒体制などは自治体になってくるわけですから、そういったソフトのシステムと組み合わせて、奈良県知事も呼応して、奈良県も一緒に実証実験的なものに参加するということになりました。
正確な量は存じませんが、記録がある土砂崩壊で、一番大きいのは122年前に奈良県吉野郡十津川筋で起こった大水害ですが、これで約2億立米ほど土砂崩壊を起こしているようです。
2番目、3番目は稗田山大崩壊、岩手宮城内陸地震ですが、正確ではありませんが1億3千トンとか4千トンで、4番目は今度の12号台風であるということです。
やはり、雨によって、もの凄い土砂崩壊が起こるということ、言ってみれば山津波なのです。
東北大震災の大津波、そして豪雨による山津波、こういったことに対して、社会資本整備審議会で出していただいたように、「災害に上限なし」ということを我々も受け止めて、ハードだけではとても対策が打てませんし、ハードには限界がありますので、それに対して如何に人知を尽くして、そして実際の人間社会の中で、とにかく命を守るということをどうやって実現していくか、その第1歩になるかなと思います。

(問)先ほど羽田の国際化によって、国際旅客数が8月までに2.1倍になったとおっしゃいましたけれども、もともと成田空港が国際空港の拠点として位置付けられていたと思いますが、成田空港への影響についてどのようにお考えでしょうか。
(答)よく言われることではありますが、そこはお互いにカバーし合っていけば、私は成長戦略の両輪になると思いますし、大災害なども含めて考えますと、2つを持っているということは強みになると思います。
世界との関係で時差というものがございますが、かっては成田が不便だと言われたのは、欧米などの先進国から飛ぶと夜に着くということで成田は不便だという話があったわけですが、今はむしろ、アジア、あるいはオーストラリア等も含めまして、この地域の経済というものが牽引しているわけで、そういうところとの時差というものはそれほど大きなものではないので、車の両輪になると思います。

ページの先頭に戻る