大臣会見

前田大臣会見要旨

2011年10月25日(火) 10:43 ~ 10:59
国土交通省会見室
前田武志 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私から報告することはございません。

質疑応答

(問)欧州の債務問題などをきっかけにして円の独歩高が続いております。
今後も円高が進んでいくという観測もありますが、もともと原発問題などがあり、観光業などは苦しんでいますが、更に円高が襲っている状況にあります。
所管の分野である観光業や建設業などに与える影響を教えて下さい。
(答)今ご指摘のとおりでございまして、観光関係は随分落ち込んだわけですが、最近の状況を見ておりますと、被災直後は70%近く落ち込んだわけですが、5月に50%くらいに、7月に30数%くらい、直近の9月では落ち込み幅が24%ほどと、順調と言えるかは別にして、回復はしてきております。
それに対して国交省としては、訪日旅行者誘致プロモーション事業を行っておりますし、円高に苦しむ観光に対して、インバウンドの観光客の支援策を通じて訪日外国人旅行者数の増加に努めて参りたいと思っております。
具体的に言えば、旅費を負担するといったようなプロジェクトの検討を始めておりまして、いろいろな効果がその中に見込めるのではないかと思います。
建設関係については、いろいろな要素がございますので一概には言いにくいのですが、いよいよ三次補正ということもあるわけで、東北復興関係、まずはインフラ関係ということで建設業関係にかなりの需要が出てくるのは事実です。
がれき処理まで含めると相当の需要が出ているかと思います。

(問)今朝の朝刊で衆院の先生方のパソコンがサイバー攻撃を受けたという報道があったかと思いますが、大臣ご自身は参院議員でいらっしゃいますので直接的な影響はないと思いますが、ある種同僚の先生方が被害を受けたことについてのご感想と、衆院のセキュリティについて一言、それから、もしこういった被害をご自身が受けた場合にはどのような感想を持たれるかということについてお願いします。
(答)一つは、サイバー攻撃がここまで来たのかと改めて認識し、ショックを感じています。
もちろん、個々の議員それぞれのネットへの載せ方などは千差万別なのでしょうが、中にはそういったところから思いもかけないようなところまで、ネットから広がって接続しているというようなケースもあり得るわけですから、これについては、国交省の管轄ではありませんが、サイバー攻撃に対するしっかりとした防御態勢というものを国として、すでに今もあることはあるのですが、国を挙げてのそういう装置と言いますか、防御組織、防御システムというものを作っていかなければいけないなということを感じました。
実は、私は衆議院の最後の逓信委員長なのです。
国会に「IT」、それを言葉として入れた一番最初ではなかったかなと思います。
私自身については、かなりものぐさですから、まめにブログを行うとか、そういったことは行っておりません。

(問)関連ですが、今後、更に強化というところで、例えば、衆議院、参議院含めて、どのようなことを求めたいか及び御自身として何かこういうことをやっていきたいということがもしあれば、併せてお聞かせ願います。
(答)この分野について、あまり私が申し上げるのはどうかなと思いますが、今申し上げたように、国家としてというか、政府としてしっかりした防御態勢というものを構築していくべきだということに尽きるかなと思います。

(問)最後に、国土交通省としての対策が、もし何かあればということと、御自身も議員としてのパスワード及び国交大臣としてのものとそれぞれお持ちかと思うのですが、どのように使い分けされているかということについてお願いします。
(答)個人の方から言いますと、先ほど申し上げたように、まめには使っておりません。
ときどき、構築したホームページに載せる程度です。
それから国交省自体については、御承知のように、陸・海、空と、海上保安庁もあれば、航空関係もあれば、地方整備局等もあり、情報関係が非常に行き渡っています。
だからこそ災害対応など、日常危機管理を行っているような組織ですから、そういう意味では非常に重要だと思います。
国交省としても、独自にとは言いませんが、それぞれ機能に応じて方法が違うわけですから、その辺のところは、ある意味でチェックと言いますか、今の状況がどうかということの現状把握をしっかり行わなければならないと思います。
(問)新名神高速道路で抜本的見直しとされている未着工の区間があるのですが、国幹会議で未着工とされて判断が先送りされています。
明日東京で、着工を求める集会があるのですが、今後、大臣として、どのような手続きで判断されるおつもりですか。
(答)新名神については、まだ道路局と具体的な議論をしているわけではありません。
今の御質問は、今までの経緯を含めて、何故あそこだけが遅れているのだというニュアンスを込めてのことだと思いますが、確かにあそこがかなりネックになってきて、混雑度が全国でもトップクラスだと聞いておりますので、これは前を向いて進めないといけないと個人的には思っています。

(問)国幹会議で着工の判断が見送られた第二京阪が出来ました。
第二京阪が昨年3月に出来て、その交通状況を見て着工を判断するということだったのですが、政権交代で国幹会議が事実上無くなっている状況で、今後、どのような手続きで判断されていくのか、お考えがありましたらお願いいたします。
(答)制度的なことについて、今申し上げる段階ではありませんが、御指摘の、第二京阪が出来て一年経った実績として、非常に混雑していると認識しておりまして、それで今申し上げたような次第です。

(問)先日、空港の津波対策のとりまとめがされました。
今まで地震に対する対策は行ってきたと思いますが、津波に対しては、今までなかなか手がつかなかった部分があったということも書いてありましたが、今後、どのような所に主眼をおいていかれるのか、お考えをお願いいたします。
(答)もちろん今回の津波に対する反省があって、水管理・国土保全局、航空局等を中心に、既に検討は始めております。
個々の、例えば羽田空港がどうであるとか、関空がどうであるとかいうようなことも調べておりましたが、その対策については当然行うつもりであります。

(問)衆院に対するサイバー攻撃についてですが、結果的にとはいえ、衆院は侵入されてしまったわけですが、そのセキュリティについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)どこまで侵入されているのかという実態を承知しておりませんので、お答えしづらいところがございます。
まずは総務省、内閣が所管だと思いますが、危機管理を担当する組織としての立場から、しっかり受け止めて、分析をし、まずはどういう対応をするのかということを考えているところだと思います。

(問)タイやトルコで大災害が相次いでおりますが、そういう中で国交省として何か支援を考えていることがあれば教えて下さい。
(答)タイの洪水があのようになったときから私も問題意識を持っていて、省内で幹部の皆さんにスピーディーな対応をしようということを申していました。
既に水管理・国土保全局から専門家を一人現地に派遣しており、ヘリで上空から現地の状況を把握して、現地の関係部局と何ができるか折衝もしております。
ポンプ車を送ろうかとかいろいろ議論しましたが、今のあの広大な被害の中で、今やるべきことは何かということを考えて、水資源機構にタイや東南アジア等の洪水対策等に従事してきた専門家がいるので、そういう方を送ろうということで待機させているところです。
その他、予測関係ということについては国交省はシステムを持っていますから、国交省だけでなくもう少し幅広くなるとも思いますが、相当の貢献ができると思います。
これは前回の閣僚懇談会でもそのようなことを申し上げました。
それから、トルコの方については、国際緊急援助隊の派遣ということを官邸で検討をしております。
しかしながら、受け入れ国の事情というものがありますので、いつでも出せるような態勢は取っているようですが、出発したということはまだ聞いておりません。

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