大臣会見

羽田大臣会見要旨

2012年7月20日(金) 9:58 ~ 10:11
国土交通省会見室
羽田 雄一郎 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件ですが、こちらからは特にございません。
次に、私から、1点御報告させていただきます。
本日、総理も九州北部豪雨の視察に行っておられますが、昨日、九州北部豪雨によって被災した福岡県、大分県、熊本県の被災現場を視察してまいりました。
今回の災害で亡くなられた方々に対し、改めて、心から哀悼の意を表しますとともに、被災された地域の皆様に心から御見舞い申し上げます。
河川や道路の被災箇所や地すべりなどの土砂災害箇所を、国土交通省の災害対策用ヘリコプターにより上空から確認するとともに、実際に現場調査も行ってまいりました。
また、阿蘇市の避難所を急遽日程に入れたのですが、ちょうどヘリコプターから降りると避難指示が出ておりまして、避難所にも訪問させていただきました。
避難所では、一つの空間に大勢の方々がおられて、プライバシーも確保されていないような状況が続いていたようでありまして、急遽、九州地方整備局に仕切りのためのパーティションの設置を指示いたしました。
昨日指示しましたので、土曜日に納入予定となっています。
私は常に、「現場主義」ということで、なるべく多くの現場に足を運ばさせていただこうと思っておりまして、今回の視察によっても、被害の大きさを改めて確認することができました。
また、被災地の公共団体、住民のみなさんが、国土交通省の取り組みを評価しつつ、併せて多くの期待を寄せていただいていることを強く感じたところです。
堤防の決壊箇所の締め切りなど、緊急を要する応急復旧はひととおり終えたところですが、空から見ても、まだまだ、決壊はしていないけれども削り取られている堤防等、多くの箇所が見られましたし、道路も多くの箇所で土砂災害が起こっていて、思ったよりもひどい状況であると思っておりまして、引き続き、被災地域の施設の本格復旧を図るとともに、交通機関の早期開通等に全力を挙げて取り組み、1日も早く住民の皆様に安心していただけるよう努めてまいりたいと考えています。
こちらからは以上です。

質疑応答

(問)JALの再上場について、大臣は公正・公平な競争ということで、従来から「健全な競争環境の確保」と繰り返し仰っていますが、その具体的な中身は何か考えていることはありますか。
(答)国土交通省としては、航空会社の健全な競争が行われ、運賃やサービスの改善を通じて利用者の利便が維持、向上されることが重要であると考えております。
このために市場の競争環境を常に監視し、必要に応じ不当廉売の防止など航空法の規定等に基づき適切に対処していきたいと考えているところであります。

(問)18日に公表されました高速ツアーバスの緊急重点監査の結果について、8割を超える事業者に法令違反が見つかりました。
この結果の受け止めと今後の対応ををお願いします。
(答)今回の高速ツアーバス運行事業者への緊急重点監査において、多数の事業者に法令違反の指摘があったことについては、公共交通の安全確保を司る者として極めて遺憾であると考えております。
高速ツアーバス運行事業者は、公共交通機関において、安全確保はすべてに優先されるべきという認識のもと、あらためて安全確保の徹底を図る必要があると考えております。
国土交通省といたしましても今回の監査内容を精査の上、厳正に対処するとともに、違反が繰り返されないように是正を指導してまいりたいと考えております。

(問)JALの再上場の問題に関して、更生計画終了の直前に行われた第三者割当増資に対して不透明だという指摘が出ております。
それについて金融担当大臣は不透明だという疑いをもたれないように関係各省庁はしっかり対応して欲しいと仰いましたが、実際に第三者割当増資をされた企業の名前も明らかにされておらず、改善を求める考えはないのでしょうか。
(答)その件については、金融担当大臣もしっかりと関係省庁で対応するようにということですので、しっかりと対応して参りたいと考えております。

(問)今の状態で不透明だというような指摘があることについてはどうお考えでしょうか。
(答)そこも含めてしっかりと検討していきたいと思います。

(問)九州北部の豪雨についてですけれども、当面の応急・復旧の対策以外に、大臣が実際に現場を見られて、長期的なものを含めた治水ですとか、防災対策で考えていることはありますでしょうか。
(答)とにかく観測史上、全て一番というような状況と考えております。
阿蘇の地域では、4時間で400ミリを超えるということは1時間に100ミリを超える大雨が集中的に降っておりまして、今も山が動いている状況であると考えております。
今自衛隊も含めて出ていただいておりますが、この自衛隊の皆さんの二次災害にも注意していかなければならないということで、国土交通省としては専門家をしっかりと自衛隊の皆さんに張り付いて、いざ雨が降ってきたらすぐ中止するなど、そういった状況であるという認識でありまして、今後、国直轄の堤防も破堤するという状況の中で、県管理の部分など、なかなか手は付けられないような状況の所も見受けられました。
決壊はしてないわけですが、堤防が削り取られている箇所などが何箇所もありまして、また道路の復旧についても、まだ山が動いている中で、土砂崩れを今後も警戒していかなければならない状況だと思っておりまして、ちょっと時間はかかっているのかなと思っておりますが、しっかりと対応していきたいと思います。

(問)一昨日だと思うのですが、民主党の議連が大臣室に来て、日本再生計画ビジョン2030というものを渡された時に、議連の伴野会長が民主党の「コンクリートから人へ」という理念はこの3年近くで達成されたと、これからは投資だという話をされたのですが、そういった伴野会長が仰られた見方と、もう一つ、2030年までに160兆円の国の投資を追加して欲しいという要請があったのですが、これについて大臣はどのように受け止められましたでしょうか。
(答)一般的な大型公共事業といわれるものとか、公共事業については、民主党のマニフェストの中で「コンクリートから人へ」ということで、相当大きく教育予算とまた子供の育ちにシフトしたと考えておりますし、国土交通省の予算についても、最初の大臣であった前原大臣が、思い切って1年で我々のマニフェストを達成したということもあります。
そういう意味ではこれ以上どんどん減らせということでもないし、一般の公共事業については、これ以上大きく増やせるような状況でもないと思っておりまして、今の水準を維持しながら、選択と集中、そして持続可能な強靱な国土を作っていくことに力を入れていかなければならないと思っております。
ただ、全国防災とか東日本大震災の復旧・復興、また今回も九州の大きな災害が起きました。
そういう意味では自然災害の対応などは別枠で考える必要もあるのかなと考えておりまして、そういう意味では、一般的な公共事業というものについては今の水準を維持していきながら、選択と集中を進めていく、必要な社会資本整備については進めていくという考え方を持ちながら、全国防災、また被災地の復旧・復興等、しっかりと対応していけるような状況を作る必要があると考えております。

(問)アメリカから日本へ持ってくるオスプレイについてですが、急遽事故があったので悪いことだけ言われていますが、離発着が縦にできる航空機は、日本に、正に、将来的に旅客機として使ったら良いと感じていますが、オスプレイを作ってるメーカーはボーイング社で一緒です。
ジャンボジェット機もボーイング社で、同じ会社が作っているのですが、大臣のお考えをお願いします。
(答)今、安全の確保ということで、いろいろな疑念が持たれているということでありまして、国土交通省は民間機のことでありますが、これだけ災害の多い日本の国でありますので、この技術が、本当に安全が確保されて利用出来るということになれば画期的だと私は感じます。
ただ、いざ災害が起こった時に、なかなか飛行機ですとそれなりに着陸出来るだけの滑走路とかが必要となりますが、この機体であれば垂直に、ヘリコプターと同じように降りられる、そして多くの方を乗せることが出来るという意味では画期的な技術だと思いますが、それにつけてもやはり、安心・安全というものが最重要でありますので、その確保、そして国民の皆さんが理解出来るような状況が民間機については求められると考えておりますので、技術革新として大きな期待はさせていただきたいなと思いますが、まだまだ今の状況で、国民の皆さんの理解が得られる状況ではないと思います。

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