大臣会見

羽田大臣会見要旨

2012年12月21日(金) 10:50 ~ 11:03
国土交通省会見室
羽田 雄一郎 大臣

閣議・閣僚懇

 本日、国土交通省関係の閣議案件は特にございません。
 私から1点御報告がございます。
12月2日に発生しました中央道笹子トンネル事故について、本日午後2時半に、中日本高速道路株式会社の金子剛一(かねこたけかず)代表取締役社長を国土交通省に呼び、これまでの対応と今後の見通しの状況報告を受ける予定になっております。
 また、原因究明と再発防止策については、現在、「トンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会」において検討を進めているところでありますが、安全性と公益性を担う高速道路会社として、二度とこのような事故を起こさないよう、そして会社としての問題点の検証と、安全管理体制の確立など再発防止策を1ヶ月後を目途に取りまとめ、報告するよう指示をしたいと考えているところです。
以上です。

質疑応答

(問)一昨日、三菱自動車のリコールの関係で厳重注意をされましたが、まずこれについての受け止めと、今のところは厳重注意ですが今後の対応について教えて下さい。
(答)三菱自動車がリコールの実施に消極的であったことや、リコールの検討・届出等の過程で当省に不適切な報告・説明を行ったことは、車両の不具合を早期に、かつ、確実に解消することで安全確保を図るリコール制度の目的に反するものであって、極めて遺憾であると考えております。
このため、自動車局から三菱自動車に対し、これらの問題点について厳重に注意をしたところであります。
国土交通省としては、近く立入検査を実施するとともに、同社が改善施策等を確実に実施し、迅速・的確なリコールがなされるよう、引き続き指導・監督をして参りたいと思っているところであります。

(問)もう一点伺います。
3日前に高松空港の管制官が持ち場を1時間近く離れていたということが航空局から発表されましたが、昨年の那覇空港でも同様の例があって、二人体制の遵守を求めていらっしゃったと思いますが、その中でこのようなことが起こったことについての受け止めと、今後の再発防止策についてお聞かせ下さい。
(答)高松空港の問題についてでありますが、航空局においては、昨年の那覇空港における管制許可遅延事案の他、一連の不祥事を受けて管制事務の適正化対策に取り組んできたにも関わらず、今般再び同様の事案が発生してしまったことは極めて遺憾であり、深刻に受け止めさせて頂いております。
事務方に対しては、今回の事案の原因や問題点を詳細に調査・分析し、再発防止策を速やかに講じるよう指示をしているところであります。
調査結果やそれを踏まえた再発防止策等については、本日午後に、航空局の方から御報告できるよう現在準備を進めているところであります。

(問)民主党の代表選についてお伺いします。22日に予定されていた代表選の日程が延びたほか、出馬すると見られていた議員の不出馬表明も相次いでいまして、混乱というか混迷しているようにも見えるのですが、大臣の受け止めをお願いいたします。
(答)選挙戦で大敗北を期した中で、やはりしっかりと落選されてしまった議員の皆さんの声も聞くことは必要だと思っておりますが、もう既に代表が辞任を表明されており、また執行部が辞任を表明されている中で、早急に体制を整えるということも大変重要だと思っておりますので、今後適切に対応されると思っております。

(問)中央道笹子トンネルの関係なのですが、一ヶ月後を目途に調査報告を取りまとめるようにということの確認なのですが、これは1月末位にもという意味でよろしいですか。
(答)この原因究明と再発防止については、現在天井板の落下事故に関する調査・検討委員会において検討を進めているところでありますが、安全性と公益性を担う高速道路会社として、二度とこのような事故が起こらぬようにということで再発防止策を一ヶ月後を目途に取りまとめ報告するようにということになっておりますので、一ヶ月後に出てくると思っています。

(問)一ヶ月後を目途に(ネクスコ中日本から)報告書を出すということは、例えば(笹子トンネル)上り線の今通行止めで捜査が進んでいることについて、その報告書が出るタイミングあたりで何か再開に向けての検討を始めるというお考えなのでしょうか。
(答)笹子トンネル上り線については、警察の現場検証等も入っておりますのでどのような状況になるかは今お答えできる状況にございません。

(問)一ヶ月後の報告というのは調査・検討委員会の結論を待たずに会社として結論を出して欲しいということでしょうか。
(答)そうです。会社としての問題点の検証と安全管理体制の確立です。
(問)調査・検討委員会の結論とは別にということでしょうか。
(答)別です。

(問)調査・検討委員会での事故原因が分かっていない段階で再発防止策や安全管理体制を出させるのは難しいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
(答)笹子トンネルだけではないですので、今後こういう事故が起こらないようにという意味でも、もう一度安全管理体制の確立、また再発防止策を会社としてしっかりとして頂くことが重要だと思います。
ただ、調査・検討委員会もございますので、ここで新たなものが出てくればそれに追加するということは、会社としてやって頂かなければなりませんが、会社としても同時並行的に安全確保を確立して頂かなければならないし、二度とこういう事故が起こらないようにしていかなければならないので、しっかり会社としても進めて頂きたいと思います。
(問)今現在の大臣としての会社側の安全管理体制はどのような御認識なのでしょうか。
(答)基本的には安全管理体制をしっかりとやってきたと思いますが、結果的にこのようなことが起こったわけですから、そのことをしっかり真摯に受け止めて会社としてもう一度安全管理体制の確立そして再発防止策を考えて頂かなければならないと思っております。

(問)笹子トンネル下り線の緊急点検の結果、約600箇所でボルトの不具合が見つかっておりますが、他のトンネルと比べてみると突出しているように思いますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
(答)数から言えば多いとは思いますが、安全面では齟齬がないと伺っております。
ただ、このような事案が起きた中でそれで国民の皆さんの不安が払拭出来るかと言えばそうではないと思っておりますので、しっかりと再発防止に対する知見が、調査・検討委員会で出して頂けるように、今努力をして頂いているということです。

(問)国の調査・検討委員会の報告書の目途については、いつ頃とお考えでしょうか。
(答)出来るだけ早く、しっかりと検証して報告書を出していただきたい、と申し上げておりますが、やはりこれは安全というものに関わってきますので、急げ急げということによって、その検証結果が曖昧になってはいけないので、そのスピード感というものを持ってやって欲しいと言うことであります。
そういう意味でも、やはり会社として安全管理をしっかりとやっていただかなくてはならないことだと考えてます。
(問)会社に対しては、今回の事故の原因究明まで一ヶ月を目途に求めるということですか。
(答)原因究明の方は警察も入っておりますし、また、調査・検討委員会もありますので、そちらの方でしっかりとしていただきたい、という事だと思います。
それよりも、会社として出来る管理体制、これをもう一度再構築するということが大変重要だと思います。
二度とこういう事が起こらないようにするためには、何を怠っていたのか、そういうことも含めて会社として反省しながら確立していただければと思っております。

(問)安全管理体制の確立をしてほしいというお話ですが、これまでしっかりと管理をしていたけれどもこういう事故が起きたという発言でしたが、点検のやり方とか打音(検査)とか目視(検査)とか、そういうのをもう一回見直してほしいという趣旨ですか。
(答)勿論それも含めて、しっかりと今回ある程度判っている訳ですから、そういう意味では打音検査はしていなかったという事も判ってきておりますので、今後どのように対応するかというのは自ずと会社としての結論は出ると思いますから、私がこれをやれということではなくて、会社としてそういうことも含めて安全管理の再構築をしていただきたいということであります。

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