大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年2月22日(金) 11:23 ~ 11:47
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で私の方から報告することはございません。
 私の方から、1点御報告をさせていただきます。
ボーイング787型機の燃料漏れ事案等に関する調査結果についてでございます。
本年1月にボーイング787型機において発生したバッテリーを除く燃料漏れ等一連の不具合について、この度、調査結果を取りまとめましたので、お知らせしたいと思います。
 燃料漏れにつきましては、異物の噛み込みや弁の駆動装置の不作動等により、本来閉じているべき弁が開いていたことにより発生したものと考えられます。
 これを踏まえ、同型機を運航する航空会社に対し、飛行前の燃料システムの作動点検や弁の開閉状態の目視点検を実施することなど、必要な再発防止策を講じるように指示することにいたしました。これにより、燃料漏れの再発を防止できるものと考えております。
 その他の不具合の調整結果も含め、詳細につきましては、後ほど資料を配付致しますので、事務方より御説明をさせて頂くことにします。
 なお、バッテリー事案につきましては、運輸安全委員会及び航空局が、NTSB(米国運輸安全委員会)とFAA(米国連邦航空局)と緊密に連携し、原因究明及び再発防止策について検討を行っている状況でございます。
 国土交通省としては、引き続き、ボーイング787型機の安全かつ早期の運航再開に向けまして、全力で取り組んで参る決意でございます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)ボーイング787型機の関係ですが、煙と燃料漏れの2つのうちまず燃料漏れの原因が分かり対策を取ると思いますが、燃料漏れの原因が分かったことに対する大臣の受け止めをお願いします。
(答)極めてデリケートな問題でありましたので、原因究明に全力を挙げておりました。
まず燃料漏れについては、これでクリアをされたのではないかと思っております。
最大の重大インシデントでありますバッテリーの事案について、しっかり更に原因究明を図って安全をしっかり確認をして、早期に再開ができればと思っておりますが、そういう意味では一つの最大の山を超えたというまでにはまだ至っておらず一番大事なバッテリー事案ということについて更に全力を挙げて究明に頑張って行きたいと思っているところです。
(問)バッテリー事案の方ですが、一部報道でボーイング社の方が運航再開に向けて是正策といいますか、対応策をFAAに示すということが伝えられておりますが、そういった情報についてはアメリカ当局から国土交通省に情報が入ってきていますでしょうか。
(答)御指摘の件が報道であることは承知しております。
ボーイング社が様々な案を検討していることについては承知しておりますが、現時点では相手方との関係もありますので、コメントは差し控えたいと思っております。

(問)ボーイング787型機の関係で、先ほど運航再開を安全かつ早期に行うという趣旨の発言がございましたが、見通しというとなかなか難しいと思いますが、どれくらいの目途というか再開への見通しをどのように考えているのか教えてください。
(答)私が現段階でまだ見通しが立つというところまでお答えできる状況にはございませんが、本当に原因究明につきまして、全力を挙げてかなり睡眠時間も割いてというぐらいのことを運輸安全委員会をはじめとしてやって頂いておりますので、しっかりとにかくやり続けることに力を注ぎたいと思っております。
なかなかここがしっかりしないと次の段階に進めませんので、まず原因究明に全力を挙げるということの1点に尽きるかと思います。

(問)今朝報道で、尖閣周辺に中国側がブイを設置したという報道がありましたが、これについて事実関係をどのように把握されているのか、またどのように受け止めてどう対策を取られるのかお願いします。
(答)報道は承知しています。このブイは地理的に中間線の中国側において設置されているものでありまして、国連海洋法条約に反するものではございません。
なお、海上保安庁では本年の2月19日に巡視船がこのブイを確認し、直ちに航行警報を発出している状況にございます。
また、このブイには「国家海洋局」の記載があり、風向風速計やアンテナが設置されているのを確認しておりますが、設置目的や詳細な性能についてはまだ不明の状態ということです。
こうした周辺の状況につきましては、とにかく領海をしっかり守り抜くということが、海上保安庁としては大事であるという観点から、更に監視をしっかり強めていきたいと思っているところです。
(問)これに関して中国側へ大臣から対応されるお考えはありますか。
(答)これは中間線の中国側ということでありますから、そしてまた、ここにこのようなブイがありますという航行警報を全ての船舶が分かるように発しておりますので、私から特段これ以上のことはしようという意思は持っておりません。
(問)他の、例えば外務省であるとか官邸であるとか、そのようなところで動かれるという話はありますか。
(答)ここは連携は当然取っておりますが、今直ちにという、そのような打ち合わせにはなっておりません。

(問)被災地の公共事業についてお伺いします。公共事業の入札が不調の原因として、資材や人員不足の他に、国土交通省が決めている労務単価が低くて実情にあっていなくて、建設業者が損をしている、そのように判断をしているという指摘がありますが、その点につきましてどのように御対応されていくお考えかを教えて下さい。
(答)被災地で資材の高騰があったり人の不足があるということが、一つの復興の隘路になっているということについては、非常に大事な問題と捉えて、様々な対応措置を取っているところです。
その一つにこの入札、また入札の不調、そして労務単価の問題があるということは、よくいろんな方からも聞き、現場からも私達は聞いておりまして、通常は年に1回調査に基づいて改訂を行うということですが、被災地につきましては3ヶ月毎に調査をして、労務単価を改訂するという作業を行って、(労務)単価に反映をしているところです。
そのような意味では、昨年は3ヶ月毎といいますと、6月、9月、12月というところの調査に基づいて、単価を改訂してきたということがあります。
なお今もそうした声が随分聞こえているところでありますので、この賃金の実態水準を速やかに反映させることが重要だと、私も強く思っております。
現在も最新の賃金実態について調査を行っているところでありまして、この調査を踏まえて被災地の建設労働者の賃金の実態を適正に反映した、そうした改訂を出来るだけ早く行っていきたいと、このように思っているところです。
(問)被災地では、この後全国で公共事業が発注されると、被災地に集まっている職人達がまた地元に戻って、職人不足・技術者不足に拍車が掛かるのではないかという心配の声なども一部上がっていますが、大臣はその辺りについてどのように御認識されて、対策などどのようにお考えでしょうか。
(答)全体的な規模ということにつきましては、常に公共事業は補正予算に私は出来るだけ早く成立をお願いしたいと思い、また発言をしてきているところでありますが、この補正予算の公共事業予算は、例年の1年分に匹敵するなどということを言う方がいらっしゃいますが、1.8兆円ということでございます。
そして国土交通省の当初予算というのはこの数年5兆円前後ということでずっと減ってきて、公共事業分に地域自主戦略交付金の国土交通省関係分を足すと4.5兆円であったというのが平成24年度予算です。
そのような意味からいきまして、足し算しましても6.3兆円あるいはそれを若干端数で超えるという状況であります。
平成21年度などは7兆円を超えるということもありましたし、平成23年度の予算を見ましても、復興ということを考えて、そこの予算は別立てですので、そこを入れたりしますと7兆円8兆円とそうした規模になっております。
そうしたことからいきますと、現場の建設業者を中心にした担い手ということについては、規模という点では大変体力が弱っているということが危惧されておりますが、十分やっていけるという状況だと思います。
そして、特に東北に今行っている方達が戻るということについては、現在どのような方がそちら(東北地方)に行っているのかということを、私も愛知県の人や、あるいは長野県の建設業者の人、あるいは埼玉県の業者の人、あるいは九州の方々、随分この間に直接お話を聞いてきたところでありますが、今(東北地方に)行っている人を引き上げるというような話よりも、行っていないというところがそのような地域では多いわけでございまして、もう少しここは、常にそれは監視していかなくてはなりませんし、注意していかなければいけないと私は本当に思っております。
しかし、補正予算の公共事業が増えて、皆戻って大変なことになって、復興側に妨げになるのではないかということでは全くないということで、なんとか復興を推進出来るように、人・資材ということについては、常に注視したいと思っている上に、全国的なそうしたことと復興等ということについては、またかなり異なっている問題で、それぞれのところで公共事業の執行がしっかり出来るようにということで、今鋭意努めているところです。
(問)そのような実態を把握するための聞き取り調査とか、業界団体向けへの調査などを今後実施される予定はありますか。
(答)ここは非常に被災地の状況がどうだということで、そうしたことの聞き取り調査というものをはるかに超えて、どうやって宮城県、福島県、岩手県の生コンを、どういうふうに資材を、砕石をはじめ調達してやっていくのか、あるいは人をどう確保したりということをやっていくのか、あるいは宿泊施設が非常に海岸に多くなってくるということが更に進んでくると思いますから、宿泊施設をどうするのであるとかということについて、かなりそこは各県とかが練り上げて、協議体を作りあげていくということで、それが今動き始めているところです。
そうしたことで調整をし、また関東以北を始めとして、そうしたことには聞き取り調査ということよりも、もっと綿密な打ち合わせが、今されているという状況であります。

(問)昨日、中央道の富士吉田線の電光掲示板の梁のところで亀裂が見つかったという事案がありましたが、トンネル以外のそういう構造物で新たに対応を考えられていることはありますか。
この前一斉点検をされていたのはトンネル関連の設備でしたが、そうではない所でも古い施設でそういうものが見つかったという事案があったので、今後国交省として考えてらっしゃることはありますか。
(答)特に落下物というものが問題であったものですから、鉄道と道路のトンネルには、かなり積極的に、まずそこの点検を行っております。
そして昨日も地方整備局の事務所長に大勢集まって頂いたりしながら、そうした現場での調査・点検については意見交換をさせて頂いたところでありますけれども、そうした構造物の老朽化ということに伴う事案が非常に多い上に、非常にここで、こうした亀裂が起きたとか落下物があったんだということについて、情報が綿密に入ってくるという今の状況でありますので、更に一層、そうした事も踏まえて、点検を急いで行うようにということを地方整備局にまず徹底したいと思っているところです。

(問)今日、社会資本整備審議会道路分科会が1時間ほど行われていたのですが、その中で経済同友会の代表から、高速道路の永久有料化をすべきではないかという発言がありまして、その動機付けというのが、月曜日に保有機構の中期計画が出ますが、償還期間の延長議論が出ていて、45年を更に延ばすという話になるのであれば、それははっきり言って絵に描いた餅だと、であるならばむしろ永久と謳って、それの関連ですけれども、補修・更新関係の費用も通行料から捻出すべきではないかというような意見も出ていたのですが、大臣は更新・補修のための永久有料化についてどのようにお考えでしょうか。
(答)この辺は、この間は首都高速で修繕も含めた老朽化対策、涌井先生を中心とした委員会が、高速道路では初めてありまして、7,900億円から9,100億円位の規模で、老朽化対策、あるいは修繕、ここはもう換えなくてはならないという箇所も含めて、そうした試算が行われたりしております。
また報道によれば、この払う期間を45年よりもっと延ばさないとというようなことを仰った方もいると聞いておりますが、全国のそうした事については、今、寺島先生を中心とした高速道路ということについて、全体的な老朽化・修繕ということをどうやって、どのような規模になるのかということで、話し合いがされて、3月までには、一つの括りでまとめて頂けると聞いております。
全体的なそうした修理・修繕ということの、どの程度の金額になるのか、あるいはそこの中に、全くの改築をしなくてはならないというような、あるいはそれが望ましいというのか、ねばならぬというのか、いろいろな計算があろうと思います。
従って、老朽化対策や修繕も含めて、これから高速道路等をどういう風にしていくのかという事についての、料金設定、金額の問題等も含めて、私は今これだというような結論を出しているということはありませんで、むしろそうした状況をしっかりお聞きして、全体の考え方を整理していくということが大事ではないかと思っているところです。

(問)都営地下鉄と東京メトロの統合ですが、先日、都知事の方から申請があってだいぶ進んでいるというような中間報告があったのですが、申請を受けた国交省の方は、現在どのような進捗状況なのでしょうか。
(答)協議会がしばらく途絶していたものですから、その協議会を再開しようというとこで、直接の知事との話し合いというものは、そこがまずこの間の1月21日に来られた時の決め事でございます。
ですから、次の再開協議会というものがまずスタートするというところから論議が始まっていくということです。
サービスの一元化ということについては、両者は一致しているところでありますので、そうしたことを中心にしながら具体的な仕組みをどうするのかというところの調整も、再開される協議会でスタートするということで、まだ日程が決まっていないという状況ではございます。
ただ、それを行うということの確認をしているところでございます。

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