大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年6月28日(金) 9:44 ~ 10:11
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 閣議の案件についてですが、これから資料を配布いたしますが、本日の閣議で、6月28日付けで杉田伸樹政策統括官を内閣府経済社会総合研究所長に任命し、その後任に松田敏明消費者庁次長を命ずることについて、決定されました。
私からは以上です。

質疑応答

(問)先日、消費増税後に住宅を買った人に給付する給付金制度の概要について、自民・公明両党が合意したと思います。
そちらについての合意内容の評価及び実際に運用していくのは国土交通省だと思いますが、どのような形で運用していき、成果を挙げていくおつもりなのかお考えを教えて下さい。
(答)この給付措置につきましては、御承知のように本年の1月24日の、与党の税制改正大綱におきまして述べられています。
そこでは住宅ローン減税の拡充措置を講じても、なお効果が限定的な所得層に対して、別途良質な住宅ストックの形成を促す住宅政策の観点から適切な給付措置を講ずるとされています。
この給付措置につきまして与党でずっと論議をしてきたところですが、一昨日の26日に与党間で合意をされ、与党案というものが提示をされました。
消費税増税に係る負担をこの給付措置によって、かなり負担を軽減されると、緩和するという内容となっており、私としましても税率引き上げ前の駆け込み需要や、その反動減を抑制する観点からも効果があると考えています。
御承知の通り、(給付額は)年収425万円以下では30万円、年収425万円超475万円以下は20万円、年収475万円超510万円以下は10万円ということです。
この消費増税ということがいくらの所得層がどうなるかというラインがあって、更に追加の住宅ローン減税額がこのような消費税アップに対して持つ角度が激しくこのようになっておりまして、ちょうどそのぶつかる地点が550万円くらいという想定がされていますので、そうした意味からは税率引き上げ前の駆け込み需要や反動減を抑制するという観点から効果があると思っております。
今後この合意を基にしまして、消費税引き上げの最終判断のタイミングというのが秋に行われますが、これを踏まえつつ給付措置について政府としての調整を進めて参りたいと思っております。
また消費者側からいきますと、ちょうど10月以降の契約ということにつきましては、引き渡しが来年4月以降のものについては新税率が適用されるということですので、9月末までの地点では自分はどちらなのかとかいうことを判断することが必要となってきます。
そういう意味からいきまして、来年4月1日からの(消費税)8パーセントということになりますと、そこで9月にも消費者は判断をするということになりますので、消費税引き上げの最終判断のタイミングということを待ってからではちょっと(時間が)足りませんので、こういう形になりますよということを、消費者の方々に情報提供するということで、その判断が適切に行われるということが出来るように、こちらとして努力をしていかなくてはいけないと思っており、住宅ローン減税の拡充内容も含めて、消費者・事業者に対する説明会等を行って、周知に万全を期すということも併せてやっていかなくてはならないと思っているところです。

(問)昨日、東京地裁でタクシーの増車に関しての判決が出まして、国側に敗訴という結果になりましたが、これを受けて今後どのようにされるかをお聞かせ下さい。
(答)タクシーの関係では今回の件も含めまして、30件の行政訴訟があって係争中であると、一つ一つ法務省等とも連携しながら丁寧に対応していくということが大事だと思っています。
今回の判決では一般論としては、タクシーの適正化・活性化特措法で指定された特定地域において、供給拡大を抑制するために新規の需要がある場合に限り増車を認めると、こういう取扱をするということについてはこれは適法であるという判断がされたわけです。
しかし原告による増車の申請については、今回の訴訟の対象となった東京地裁については、新規需要が見込みうるにも関わらず一切増車を認めないとしたことは違法であるとされた判決です。
今後の対応につきましては、判決内容を詳細に検討して関係機関とも協議した上で、決定していきたいとこのように思っております。

(問)幹部の人事についてまたお聞きします。
本日政策統括官の人事があらかじめ出されたということですが、他省庁では事務次官をはじめ幹部の人事が相次いで閣議決定されていることろも多いのですが、今後選挙もありますが、予算の概算要求の作業など本格化していく中で、国土交通省としてどういう体制で臨まれるお考えかお聞きします。
(答)概算要求のみならず、全体的に(社会資本の)老朽化対策、あるいはメンテナンス元年ということを私は言ってきましたし、また国土のグランドデザインをどうするかというようなこともありますし、メンテナンスエンジニアリングという学問のようなものを立ち上げるということが大事だということも申し上げましたし、成長戦略というようなことについて我が省が担う役割というのは大きいと思って、更にそれを推進をするというのが大事だと思っておりまして、国土交通省が抱えている課題ということについて、私としては全省一丸となって今、国会が終了したというときに力をしっかり注いでいかなくてはならないと思っています。
人事とは少し違って、全体的にはどういう形であれ、そうした課題を含んで今御指摘のあった概算要求ということをどうするかということもその一つでありますが、人事は全省でそうしたことを取り組むというのは申し上げられますが、人事自体については私はここで述べることは適切ではないと思っております。

(問)ETCの搭載機普及についてお尋ねします。
普通乗用車が90パーセントに台数当たりの搭載率が進んでいる中で、オートバイは11パーセントくらいにしかなっておりません。大臣はこの現状についてどうお考えになりますでしょうか。
それともう一つ、公明党でもオートバイ懇話会が立ち上がりました。
それから自民党が近く車載器購入助成を中心とした申し入れを国土交通省に行うようであります。
搭載率の引き上げにはどのようなことが必要だと考えられますか。
この2点をお願いします。
(答)かなりETCが普及をしてきた、そしてその普及率ということは、4輪車の場合におきましても、普及率自体は4輪2輪全車ということでは、4輪の方も一家で何台持っていて、各地方でも全てがETC(搭載)ということではないということで、実は4輪の方の普及率は55パーセントくらいと聞いております。
高速の利用率ということについては、ETC車は平均87.6パーセントということで9割くらいは使っている状況です。
その中でバイクの利用率は極めて低く、2輪車は平成25年5月末時点で2輪車350万台のうち、ETCの新規セットアップ累計台数は約47万台となっており、極めて低い13パーセントくらいという状況になっていることは事実です。
ここは一つは、実情を再度調べたいと思っているのと、普及は高速道路をバイクで乗る場合には当然望ましいと思ってます。
バイクが高速よりもそうではないところを走る場合が多いということは確かにあると思いますし、普及しないことと同じ理由になると思いますが、バイクに設置するのに四輪車よりもお金が高いということなど色んなことが普及を妨げている事になっているのではないかと思っています。
いずれにしても、ETCが搭載されることは良いことだと思いますので、その辺はよく実情をもう一度調査したいと思っているところです。
バイクの議連が立ち上がったり普及や助成をどうするかという点については、現在のところ私自身そこまで思いは至っておりませんが、かつて小里先生やあるいは笹川先生をはじめとして、私自身もちょっとそこに携わった事もありありまして、バイクを安全の上でよく利用する事は非常に様々な意味で良いことだと思っておりますので、直ちに今日、助成については判断はできませんが、与党の要望がまとまりましたら協議もさせて頂きたいと思います。

(問)国会の閉幕に伴いまして、日本の貨物船に武装警備員を乗せるという法案が廃案になってしまいましたが、これについて今後の対応をどのようにお考えでしょうか。
(答)廃案になったのは極めて残念なことです。
しかも国会終盤の参議院における国民から見たら迷走という印象だと思います。
私はモンスーンの時期とかそういうことも含めて、時期的に今、少しでも早く民間武装ガードを乗船させることがいかに大事かということを思っておりましたので、廃案になったのは極めて残念という以外ありません。
これからどうするかということについては、国会の招集がどうなるかということもありますが、現時点ではできるだけ早く再提出をして、関係者が安心して仕事や運航ができるということにお応えしなければならないと思っているところです。

(問)臨時国会で出されることはお考えでしょうか。
(答)臨時国会というのは、色んな臨時国会がありますから、その性格の中で判断しなくてはならないと思います。
毎年のように行われるある程度の時間がある秋の臨時国会においては、そこまでには間違いなく成立させたいと思います。
私は少しでも早くということを強く思っているところです。

(問)本日、防潮堤の整備に関して岩手県から土地収用申請があると思いますが、手続きの迅速化・簡略化というのが申請の目的だということですが、今回の申請によって防潮堤整備全体のスケジュールに対する影響はどのようにお考えでしょうか。
(答)どのような申請が出されるかについては、内容をよく承知しておりません。
会見が終わりましたらすぐに調べさせて頂きたいと思っています。
ただ、震災の復興について、防潮堤を早く、あるいは道路も住宅も全てを早くということは当然だろうと思いますので、それについては現地、住民と十分に話し合いを促進させて一つ一つクリアして行かなくてはならないと思います。
防潮堤を巡っては明後日(30日)に岩沼市に行きまして横浜国立大学の宮脇昭先生とともに、防潮堤に付ける形で陸側に土を盛り、そこにタブやシイの木を植樹するために岩沼市に行くことにしております。
それぞれの地域でそれぞれの景観やまず安全、そしてレベル1にはきちんと対応できる高さ。
それに津波が越えた場合には、陸側の方から崩れていくことが一番の破壊要因になりますから、その辺で内側をどう強くするかという粘り強い防潮堤の構造を造るということが大事だと考えています。
その中にそうした「緑の防潮堤」というものは有効であるという判断の下に明後日はやらさせていただきます。
それから景観ということは大事、あるいは仕事、漁港であればその関連性はどうか、それぞれについては地形の問題とそしてその街の特性、観光などそういうことを十分に地元の人達の合意を形成してやるものだと思っています。
私は防潮堤というものは高さというものはレベル1の対応では必要、それを取り巻く様々な粘り強い構造や景観というものは常に加味する、そういう意味で「緑の防潮堤」ということは一つの地域性によりますが、有効なところにはそういうことも採る、そして地元の合意を形成するということが大事であり、そしていち早くそうした防潮堤、あるいは防波堤の工事が行われて安心をしていただけるというまちづくりに寄与するということが大事だと思っております。
岩手県の方から、どの箇所のどういう((記者)大臣が以前お話していた釜石をモデルケースにしてという話ですが)その辺でどういうことかは現時点で私承知をしておりませんので、そこで良く見て、検討させていただきたいと思っています。

(問)土地の収用の問題と併せて、もう一つ資材不足という問題ですが、資材不足が被災地の方で深刻化していますが、コンクリートのプラントをつくるということを国土交通省で決められましたが、そのスケジュールの前倒し等を含めて、今後何か新たに施策、対策を進める予定はございますか。
(答)生コンクリートの話ですが生コンクリートの資材がどれだけ必要になるかというのは工事の進捗状況との関連の中で出てきます。
その工事の進捗というものは、少なくとも来年始めから大きく進んでいくということで生コンクリートの不足が生じると考えておりまして、その意味ではその工事の進捗、本格的にたくさん生コンクリートを使うということに合わせて釜石と宮古に国として責任を持ってプラントをつくるということにしている訳でありまして、それは工事の進捗状況というものを睨んでということで、生コンクリートの不足によって工事が遅れることは絶対に無いようにという判断をしています。
生コンクリート関係だけでも言いますと、港への陸揚げというところの岸壁周辺の措置ということが十分では無いので遅れているということ、また道路が渋滞をしてなかなか進捗しないということ、あるいは生コンクリートの不足ということでプラントが必要だというところもあれば、あるいは二次製品を使うということによってそれを克服するというような措置もある、あるいは砂が足りないということで、先般からダムに堆積した砂をそのまま持っていくという作業が始まっています。
様々な理由でプラントが足りない、あるいはヤードが足りない、あるいは運搬するダンプが足りない、人が足りない、色んなことの状況というものをずっと見てきまして、どこの地域には何が足りないのか、ネックなのかということを調べ上げてやって来ておりますので、現時点では生コンクリートは仙台方面は元々価格が低かったということありまして、上がっているという状況にありますが、生コンクリートの(価格)高騰ということについては、最近のところは大体、以前の110パーセントから120パーセントの範囲内に止まっているという認識をしているところで、更にその辺の資材等の不足について、工事が妨げられることの無いようにということを、明後日(6月30日)私宮城県岩沼市に行きますので、良く現場の話を聞いて打つべき手があれば直ちに打つということに着手したいと思っています。

(問)海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法案の提出時期についてですが、選挙が終わったら恐らく短い臨時国会を1回やって、その後に長い臨時国会をやると思いますが、9月に予定されている長い方の臨時国会に再提出の考えでよろしいでしょうか。
(答)先程、私はそういう様な含みも全部入れて表現をしたつもりです。
秋の方の長い国会には少なくとも、その点については成立をさせなくてはいけないと思っているところで、全てを込めて早くということを言っているところです。

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