(問)サンフランシスコで起きたアシアナ航空機着陸失敗の事故ですが、事故原因はアメリカ及び韓国当局が調査を行うものですが、今回日本人の乗客も怪我をしておりますし、アシアナ航空は日本にも乗り入れている航空会社ですので、アメリカですとか韓国当局ですとかアシアナ航空に情報提供を求めるお考えはありますでしょうか。
(答)アシアナ航空は日本にも乗り入れていることもあり、トリプルセブン(ボーイング777型機)もかなり日本には保有しているということもございます。
これは重大な関心を持って取組をしなければならないと思っているところです。
日本時間の7月7日午前3時36分頃、ソウル発サンフランシスコ行きアシアナ航空214便、ボーイングのトリプルセブン(777型機)、乗員16名乗客291名の搭乗、サンフランシスコ着陸時に機体を損傷して炎上、この事故によって乗客が2名死亡し、多数の乗客が負傷したと、映像を見ましたが大変深刻な事態であると思ってます。
この件については、米国国家運輸安全委員会(NTSB)が徹底的に今原因調査を行っていると承知をしてます。
ここは相当力を入れて、そして会見等も行われていますがそれは極めてある意味では慎重にやられているようで、全てはそこに徹底して原因究明ということに集中しているということを認識しています。
我々としては、NTSBによる調査状況をしっかり踏まえつつ、航空局において事故機の製造国及び運航国である米韓の当局等より必要な情報を収集している段階にあります。
今後ともここは非常に大事な問題ですので、適切に対応して参りたいと思ってます。
今日の時点で内容等について私が報告すること自体が適切ではないと思いますので、必要な情報はしっかり収集するということで動いている、今後とも適切に対応する、そして徹底した調査がNTSBによって行われているというのが現状だと思います。
(問)関連してですが、報道で実際操縦していたのが副機長で慣熟飛行中であったとのことですが、日本でも同じようなシステムで訓練と言いますか人材の育成で行われていると思いますが、国内の航空会社に対して、例えば安全面で要請をされるお考えはございますでしょうか。
(答)副操縦士が操縦していたとの報道については、あらゆるメディア等も報道している通りですが、事故時の状況のある意味では概略のようなものは出ているという状況にありますが、本当の意味での原因究明という点での詳細についてはまだ調査中という段階だと思います。
この点が直ちに副操縦士あるいは慣熟飛行ということに関連するかというと、適切なライセンスを保有する副操縦士が、適切な者の監督の下に航空機の操縦を行うということについては、我が国も含めて広く一般的に行われているものだと承知をしておりまして、この辺については制度的に問題があるという認識は現在のところはしておりません。
ただ、これから詳細が明らかになってくるということもありますから、私からこの操縦士・副操縦士・慣熟飛行ということについては、そう長々ということではないと思いますが、日本の航空会社についてその辺についても万全の体制ということについての注意は喚起しておきたいと思っています。
(問)8月から高速ツアーバスの新しい制度が運用されるということですが、最近も高速道路での事故が相次いでいるということと、夏休み前ということで安全・安心対策ということでのお考えを改めてお聞かせ頂けますか。
(答)バスについて、7月1日に三重県で運転手が突然体調変化を起こして、操縦不能になるという深刻な事態が起きましたが、7月4日にもまた同じようなことが起き、また別件でありますが7月4日には栃木県と宮城県においてバス事故が相次いでいます。
夏の観光シーズンで人が動くということを前にして、安全の観点から極めて重要な問題だと捉えておりまして、今朝もそうした打ち合わせもさせて頂いたところです。
今回の事故の詳細は現在調査中でありますが、今御報告申し上げましたように、そのうち2件については運転者の突発的な体調変化に起因していると思われます。
このため7月5日に、事業用自動車の運転者の健康状態の確認等安全管理の徹底について、通達を発出しました。
点呼するとかそして日常の管理状況等々について点呼時に一人一人にそうしたことについてもしっかり健康管理ということを行うとか、今まで行っていたことを更に念入りに行うということが非常に大事なことだと思いますから、それらも含めて健康状態の確認等の安全管理の徹底という通達をさせていただいたところです。
また、今回のそうした操縦不能になると、心臓とか脳というところに起因すると思いますが、更なる対策が必要であるという観点もありますから、国土交通省としては、一つは医師とメーカーの意見を伺って、検討をしっかりしていくということを直ちに始めたいと思っています。
特に心臓・脳の専門家の先生、そして日頃のデータとしてなかなか現れない部分もあるものですから、それがどういう状況の中でそうした事が突然っていっぱいあるのですが、起きるのかというようなことも含めて、医師の見解、それからメーカー、車自体が例えばふらついたような時に、ブレーキを踏むというようなシステムが開発されるというようなこと、そういう意味では医師とメーカー両面からこうした事への対応がしっかりできるようにという検討を直ちに始めたいと思っています。
また、全体的には既に御報告をしておりますが、昨年4月29日の関越自動車道の高速ツアーバス事故、踏まえまして、今年の4月に「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」を取りまとめをしているところでございます。
現在、これは安全対策の一つであります新高速乗合バスへの移行・一本化ということが大きな柱でありますが、これを7月いっぱいで完了すべく取り組んでいるという状況でありまして、ここは間違いなくやり遂げたいと思っているところです。
いずれにしましても高速バス全体の安全を確保して、安心して利用していただけるように万全を期していきたいと考えているところです。
(問)先程、アシアナ航空の関係で、大臣は慣熟飛行等々その制度は世界的に行われているという趣旨でそこが大きな問題では無いけれども、日本の航空会社について万全の体制をという注意は喚起したいと先程おっしゃったんですが、これは要するに、慣熟が悪いというようなことではなくて、夏休み前で人も多くなりますし、しっかり安全運航に努めて欲しいという趣旨のことをエアラインに対して改めて呼びかけを行うということでよろしいのでしょうか。
(答)そうですね。
今度、ボーイング777型機についてはかなり習熟時間が短いということがあったという事実を受けて、慣熟飛行というこの制度自体の問題ではなくて、そういうことについては一つの今回の事例があったということを踏まえて、注意をしてくださいということだけは言っておこうと思っているところです。
(問)併せて、例えばアシアナ航空は日本の地方空港にかなり乗り入れたりしていますが、アシアナ航空に対しても改めて夏休みですし、これから利用する人も多くなると思いますが、安全運航に努めて欲しいみたいな要請とかお願いは特に国交省からあるのでしょうか。
(答)それはこれからそういう時期が来るかと思います。
現在は徹底したNTSBを中心にした調査が一番慎重にしっかり行われているという状況でありますので、現時点ではアシアナ航空自体がそういうことについては色々お考え頂いていると私は今までの信頼関係のうえで有ると思いますので、もう少し今回の事故があったばかりですから、そこでどうこう言うよりももう少し事故の詳細を承知して掴んでからということになろうかと思います。
ただ日本の国内の飛行機については、私の方から一言注意を喚起するということはやって行くと思っているところです。