大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年10月29日(火) 10:03 ~ 10:20
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、私の方から特に御報告するものはございません。
 一点御報告を申し上げます。
来年4月の消費税率引上げに伴う鉄道及びバスの運賃改定における考え方につきまして、私の方から御報告をさせて頂きます。
国土交通省では、10月1日の総理の消費税率引上げの判断を受けまして、公共料金等の改定に係る政府全体の基本的な考え方を踏まえつつ、これまで運賃改定に係る検討を行ってきたところであります。
首都圏の鉄道事業者、バス事業者の中には、来年4月の消費税率引上げの際に、ICカードを利用した「1円単位運賃」を導入したいとしているところがあります。
これに対しまして、消費税率の引上げ分をより正確に転嫁する観点から認める方針であります。
他方、現金運賃については自動券売機等の改修に多額の費用がかかることなどから、引き続き10円単位となります。
この結果、1円単位と10円単位の2つの運賃が併存することになりますが、事業全体として105分の108以内の増収となることなどを前提に認めることと致しました。
つまり、消費税引き上げの範囲内に留めるということです。
なお、技術的な端数処理の仕方など、詳細な点については、後ほど事務方による説明を予定しておりますので、その場でお尋ね頂きたいと思います。
私からは以上です。

質疑応答

(問)特別警報の件で1点伺います。
先日、安倍首相が伊豆大島を視察した際に、島しょ部での特別警報の精度を上げる必要があると言及されましたが、国土交通省として今後どう対応されるのかお伺いします。
(答)今般の(伊豆)大島のケースでは、大雨が局地的であったことに加えまして、海上に正確な雨の観測点がないために予測が困難であったことが、特別警報を発表出来なかった1つの原因です。
上空からレーダーで見まして、そして地上の雨量計・観測点で下から雨の量を見ると。
両面で雨の量を測定し、予測をするという仕組みになっていますので、特別警報というのを全国で出す場合には、改めて申し上げますが、5キロ四方の地域で50箇所、未だかつてない雨量があるという判断の基で特別警報というものが出されるという仕組みになっております。
このことからいきますと、雨量計が備わっていないという島しょ部におきましては、観測の精度を上げるということからいきまして、なかなか局地的な雨、これは島しょ部では勿論でありますが、そういう意味では陸上の方がまだ精度はありますが、それをある特定な局地ということで特別警報という形で出せるということには、なかなか精度の点で至らないということです。
そこで、関係機関と連携して、雨量計のネットワークの強化に向けて取り組んでいきたいと思っています。
色々な雨量計を全部合わせますと、10,600地点の雨量計があります。
気象庁自体のものは1,300という形になっておりますが、概ねこれで雨量計としては揃っている訳ですが、特に雨がこの数年多いとかそういう所については、もう一度雨量計の測定地点を増やすとか、そういう措置を取っていきたいと思っておりますし、私は今日も島の部分で、例えば無人であってもそうしたことが状況としては大事だというふうに考える場合には、そこにも雨量計を配置するなどの検討を行うようにという指示をさせて頂いたところです。
より大事なのは気象レーダーでございます。
その観測点による観測を補完するということは、むしろ(気象)レーダーの方が可能でありますから、上空からの観測精度の向上のために高性能のドップラーレーダーによってきめ細かい観測が可能となるよう、その機能強化を図りたいと思っています。
観測密度を1キロメートル四方であったものを、250メートル四方に細密化するということを目指して取り組みたいと思っております。
更に来年度には次期気象衛星の打ち上げを予定しておりまして、これらにより監視予測技術の向上に努めていきたいと考えているところです。
なお、念のために申し上げますが、避難についてでありますが、これは気象庁は空から雨がどれだけ降るかということの量を予報するのですが、避難するかどうかの判断は地方自治体に委ねられている訳ですが、それは現地の地形とか、あるいは河川とか、そして地盤の状況とか、色々なことで蓄積された経験があります。
そういう意味からいきますと、同じ雨が降ったとしてもどこの地域で危ないという判断は、これは地元でないと出来ないということがあります。
そしてこの判断というのは、特別警報に至ってから避難を始めるというのでは無くて、警報の段階から水位の状況や地盤の状況を総合的に考慮して、自治体において早めに判断すべきものであるという考え方に沿っているということについては、再度御理解を頂きたいと思っているところです。

(問)JALが羽田空港の発着枠の配分について不満として申し入れ書を提出してから、間もなく1ヶ月になります。
国土交通省としていつ、どれくらいのタイミングで、どのような回答を出されるのか、あるいは出されないのか現時点の考えをお聞かせ下さい。
また、航空会社と監督官庁が対立し合っているという非常に異例の状況になっていますが、何らかの方法で打開を図るお考えはありますでしょうか。
例えばトップ会談等のお考えがあるかどうかも含めてお聞かせ下さい。
(答)羽田空港国際線発着枠の配分に関しましては、今月初めに日本航空から配分の具体的理由についての説明等を求められるという文書が提出されているところです。
これにつきましては、近日中に日本航空に回答すべく、現在航空局において準備を行っているという状況にございます。
今般の配分に当たりましては、複数の航空会社が適切な競争環境というもの、競争基盤というものを打ち立て、健全な競争を行っていくことが利用者利便の増進、あるいは我が国航空業界の発展に必要であるという判断が基本的にございまして、昨年8月に公表しました、いわゆる「8月10日のペーパー」というものですが、日本航空の企業再生への対応についての趣旨に沿って検討を行いました。
日本航空に対しては、こうした検討の内容について回答する予定にしております。
国土交通省としては今回の回答などを通じまして、日本航空に対して配分の考え方について丁寧に説明して参りたいと考えておりまして、航空局にはその旨指示しているところです。
また、航空全般にわたることでありますから、対立しているという思いはしておりません。

(問)公共交通運賃の1円単位の件ですが、先程、より公平に正確に転嫁するというお話がありましたが、ICカードに1円単位運賃を認めるということは、今、ICカード、SuicaやPASMOが特に大都市圏、首都圏においてかなり普及しているということが容認の背景にあるのでしょうか。
(答)ICカードの利用、今回の件は定期外の話ですが、ICカードの利用割合がかなり全国的に違います。
首都圏の(ICカードの利用割合は)鉄道は約8割、そして関西圏は回数券など色んなことも行っており関西圏の(ICカードの利用割合は)鉄道は約4割、バスにつきましても首都圏約8割、関西圏約4割というような状況になっています。
そうしたことからいきまして、普及状況の違いというものがございますので、これは基本的には申請があってそれを国土交通省としてこれを認可するという形になっておりますので、こちらが今日基準を示させて頂いて、そして申請する分について認可をするということで対応したいと思っているところです。

(問)鉄道及びバスの運賃改定の指針の中で1円単位の端数を四捨五入するのか、または一部で切り上げを容認されているのか教えて頂けますか。
(答)端数の処理につきましては、合理的かつ明確な方法によって行うとしておりまして、現行の運賃、料金体系を踏まえながら先ほど申し上げました事業全体として、105分の108以内ということを加味して判断するということで、申請してくるところ(事業者)については、再度その辺の概念的な状況も加味してお話しさせて頂きたいと思っているところです。

(問)JR北海道の問題についてですが、先日レールの分岐器ポイントの緊急点検について確認し忘れていた事態が発覚しまして、それについてどのような報告を受けていらっしゃるのかということと、現場について今後追加の特別保安監査の実施に対するお考えはありますでしょうか。
(答)軌道の変位が実施基準で定められた基準値を超過していた問題につきましては、9月21日にJR北海道に対しまして、本線及び副本線における基準値超過箇所を報告するように指示しまして報告を受けたところです。
この指示には分岐器も含まれていましたが、JR北海道の判断で報告から分岐器が除かれているということを昨日確認をしました。
指示内容が適切に実施されていなかったということについては誠に遺憾だというふうに思っています。
JR北海道に対しましては、この9月23日の報告に漏れていた箇所について早急に点検するよう、昨日鉄道局から指示したところです。
(道内の切り替えポイントは)通常2,900箇所あるという報道がありますが、通常の営業車両が通るのは、本線と副本線ということで、これについては国土交通省としては9月21日の指導の中に含まれているという判断をしておりまして、この箇所は2,182箇所ということになります。
なかなかデリケートな箇所で、全体のバランスとかいろいろなことで修理については、一部だけその箇所だけ直せば良いというのではなく、連携がある、バランスがあるという意味でのデリケートという所でありましたので、その辺もよく踏まえてJR北海道でこれからまず点検、そして修理ということについて、その箇所だけということではなく全体のバランスがあるようですので、よく調査をし修繕すべき所は修繕をするという対応を取るようにということをさせて頂いているところでございます。
まずは点検をしなさいということを指示したところです。

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