大臣会見

太田大臣会見要旨

2013年12月24日(火) 11:49 ~ 12:12
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 閣議案件について御報告致します。
本日の閣議で、平成26年度予算の概算を決定致しました。
 国土交通省の関係予算の国費総額は、社会資本整備事業特別会計の一般会計化の影響を除きまして、全体で5兆1,616億円、1.02倍、うち公共事業関係費4兆5,580億円、1.02倍となっています。
内容としましては、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化など、国土交通省が抱える喫緊の課題に対応する予算となっております。
今後は、平成25年度補正予算とともに、その必要性を丁寧に説明しつつ、早期成立をお願いしてまいりたいと考えております。
 続きまして、私の方から一点、御報告をさせて頂きます。
 12月26日から29日にかけまして、インドネシアを訪問致します。
現地では、会談を精力的に実施し、政権の重要課題でありますインフラシステム輸出を働きかけてまいります。
具体的には、副大統領や経済担当調整大臣の他、運輸大臣、公共事業大臣、観光・創造経済大臣、国家防災庁長官とそれぞれ会談を行う予定にしております。
現地のインフラ事情も協議した、良い内容のものにしていきたいと思っています。
詳細はお手元に資料がお配りしてあると思いますので、御覧頂きたいと思います。
私の方から以上です。

質疑応答

(問)今年も間もなく終わりということですが、同時に安倍政権発足から間もなく1年になります。
この1年間、国土交通大臣として様々な課題に取り組まれて振り返りの所感と、来年に向けまして重点的に取り組んでいく施策についてどのようにお考えかお願いします。
(答)ちょうど1年になりました。
この1年本当に日本再建ということを掲げまして、走り抜いてきたというふうに思います。
この内閣では、「被災地の復興の加速」これ一つ、そして「景気・経済の再生」これ一つ、そして「防災・減災をはじめとする危機管理」、この三本柱を柱としています。
これらについて、全力を尽くしてきた、そして各閣僚が総理を先頭にして取り組んできた1年だと思います。
被災地の復興の加速ということにつきましては、中々、特に道路とかの基幹インフラは整備が順調に進んできましたが、高台移転を始めとするまちづくりということと住宅が遅れていたと思います。
ここにきて、ようやく進んでくるという状況になってきたと思います。
3月に住宅まちづくりの工程表と加速策を示すということを行い、若干、市によっては違いがあるわけですが、全体的にはようやく進んできたと思っておりまして、来年度も同じようにしっかりここは東北の復興の加速ということと、それを担う国土交通省の役割というものを十分自覚をして一番現場で進んでいくということが目に見える形だと思いますので、そこに力を注いでいきたいというふうに思っているところです。
私は来年は「実感」ということがキーワードだと思っておりまして、復興の加速が実感できる、景気・経済の再生ということが実感できる、そして防災・減災をはじめとする危機管理ということが実感できる、そういう年にしていきたいと思っています。
景気・経済の再生ということにつきましては、円高、デフレの克服、脱却ということが一番大きな課題であったと思います。
1年経った現在、今日株価が1万6千円を超えるということにもなりまして、これはこれからどうなるか変動すると思いますが、円も100円台ということで、為替も大分変わってきたと、デフレ脱却を見据えて進めるというところまで来たんだと思います。
国土交通省としては、12月20日に観光につきまして、外国人旅行者が年間で1000万人を超えることができました。
これは景気・経済の再生、そして円高の克服ということにも大きな要因があって、円安の効果も現れてのことだと思いますし、政府を挙げて観光は重要な成長戦略であるという位置づけをして、7月には東南アジアのビザの緩和等もさせて頂いたり、そしてそれに加えて富士山の世界文化遺産(登録)、和食ということにおける無形文化遺産(登録)が加わり、9月には2020年の東京オリンピック・パラリンピックが決まるというようなことも相まって、実現したということは日本が、観光客が増えたということだけでなく、元気になったと、再建への足取りが世界からも見られるということであると思っています。
三本目の柱であります、防災・減災を始めとする危機管理につきましては、特に今年私としましては、公共事業ということについてはかなりの部分を防災・減災、老朽化対策、そしてメンテナンス、耐震化こうした面に注ぐべきだということを言ってきました。
これが24年度の補正予算や25年度の本予算、そして今日決まりました来年度予算にもそのことが如実に表れているという上に、そうしたことの意識がこの国の中に生まれてきたと、公共事業ということについて実は「メンテナンス元年である」、「老朽化対策が大事だ」、「首都直下・南海トラフ巨大地震が今切迫しているからこれに対して備えをしていかなければいけない」という、大きなことが推進して助走が始まったと、これも来年は更に防災・減災、そして危機管理ということについて力を注いで行かなくてはならないと思います。
少し長くなって申し訳ないのですが、今年は災害も極めて多く気象状況も変わってきて、ここも備えなくてはいけないと思います。
また今年の特に前半は、ボーイング787型機のトラブルが発生しまして、緊急会議等を随分持ちまして対応して頂いたということもございますし、今年の後半は今もなお続いておりますがJR北海道をとにかく安全なJR北海道の鉄路であるということに向けて、更に一層力を注いで行かなくてはならないと、その点の安全のためには厳正に監査をさせて頂いて、更にこれは引き続いてやらなくてはならないことだと思っています。
来年は安倍内閣が今年掲げました、三つの柱について更に一歩前進させて、実感がそれぞれ景気・経済にしましても、また防災・減災にしましても、そして東北地方の復興にしましても、実感が得られるような年にしなくてはならないと決意をしているところでございます。

(問)安倍内閣発足から1年について御質問させて頂きます。
これまでは慣習として政権が長く続くと閣僚のすげ替えというか内閣改造をコロコロ行われてきたわけですが、諸外国の特に先進国で例えますと、担当大臣がコロコロ変わるのは日本だけだという指摘が最近あります。
これについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)内閣をどう構成し、その閣僚も含めた人事をどう行うかというようなことについては、安倍内閣において正に安倍総理のリーダーシップがそのまま貫かれてきたと思います。
諸外国からも総理も大臣もくるくる代わるというようなことが信頼感を失ってきたと思いますので、この一年代わらず結束した体制でやってきたのは大変いいことだと思います。
来年はとにかく仕事をするということで、タイミングとか色々なことがあるでしょうが総理がこれはお考えになることですから総理にお任せしたいと思いますが、仕事をやり続ける内閣であるということは非常に大事なことだと思っております。

(問)JR北海道の関係ですが、一部報道では年度内にも経営陣を刷新されるとの報道がありましたが、事実あるいは大臣のお考えをお願いします。
(答)JR北海道は今、年末、それから年頭の多客期を迎えてきている、しかも環境は雪が降ってくるというような状況にありますから、とにかく全ての力を注いで安全ということが、毎日毎日行われる鉄道にするべきであるということに集中して、社長から現場の一人に至るまで結束してやってもらいたいということを強く思っております。
そういう意味では、まずは安全な鉄道輸送サービスを提供して、一刻も早く利用者の信頼を回復することがJR北海道が為すべき責任であるということを思っております。
このJR北海道に対しまして、国土交通省としては今やるべき対応をしっかりと求めつつ、特別保安監査等の結果などを踏まえて、今後、鉄道事業法やJR会社法に基づき、この度の改ざん問題、これは重大な問題ですから、然るべき厳正な対処をしていかなくてはならないと思っています。
現段階で人事そのものについて、(社長等を)動かすという考えは現段階は持っておりません。

(問)確認でありますけれども、年度内とかに限らず、将来的についても現段階では考えていないということでしょうか。
(答)まず現段階においては、安全ということについて全力を挙げよと、そして我々としては特に改ざん問題等について、監査ということについては徹底して更に継続してやらせてもらうということです。

(問)インフラ整備についてですが、改めて政府はPPPとかPFIの活用に力を入れているかと思いますが、なぜ民間資金の活用に力を今入れるかということと、その促進に向けてもし今課題があればお願いします。
(答)一つは厳しい財政状況ということがあります。
そして必要なインフラ整備の維持管理、更新を着実に行うためには、民間の資金や知恵を活用していくことが極めて重要だと思っています。
そういう意味では財政難ということと同時に、むしろ積極的に官民連携、民間資金の活用というPPP、PFIの活用というのが、そういう意味で積極的に大事な事だと考えています。
政府全体の取り組みとしては、今年の6月にPPP、PFIの抜本改革に向けたアクションプランというのを策定しまして、今後10年間で12兆円という目標を掲げました。
これらを踏まえまして、国土交通省としましても法律も通させていただいたのですが、空港等におけるコンセッションの活用とか、高速道路の老朽化対策を民間都市開発と一体的で行うというようなPPPの活用等について検討を行っているところです。
大事なことは、特に地方公共団体において案件の形成、そしてどういう形でそれをやっていくかということで、専門的な人材による助言や知恵の集積、そして単にそういう方式でやりましょうといっていても駄目なので、そこのところが一番大事だと思っておりまして、そうしたことをバックアップ出来る環境整備ということに国土交通省としては力を注ぎたいと思っております。

(問)現状の課題については如何でしょうか。
(答)今申し上げましたように、課題ということについては特に案件形成、そして具体的にそれをまとめ上げて、どういうものにしていくかが大事だということです。

(問)JR北海道の関係でお尋ねします。
先程、厳正な監査を継続していくというお話でしたが、もう年末になりましてこのまま監査を継続して越年するということになるのでしょうか。
そこの見通しをお聞かせ下さい。
(答)年内にまとめてということを、11月の時点では心の中では思っておりました。
しかし、函館・大沼における悪質な改ざん事件が明らかになりまして、ここは極めて重要ということで、今監査を続行しているという状況にございます。
そういう意味からいきまして、年末年始も引き続きこの監査を継続せざるを得ないという状況でもあります。
そういうことからいきまして、年末年始の状況、そしてこれまでの監査の結果を整理した上で、出来る限り早期にJR北海道について講ずべき総合的な安全対策及びこれに関連する鉄道事業法やJR会社法に基づく措置を取りまとめたいとこのように考えているところです。
越年はやむを得ないことだと思いますが、出来るだけ早期に大成出来るように監査も急ぎ、そして分析も急ぎたいと思っているところです。

(問)先程お話のありましたJR北海道の社長の人事ですが、当然、当面安全運行を優先するお考えは分かりますが、今の社長の任期が1年間、来年の6月までで切れると思いますが、これだけ重大なことを起こした社長が任期終了後再任するということについて、大株主である国土交通省としてそれを認めるお考えはあるのでしょうか。
(答)人事については、現段階では先程申し上げた通り、安全ということに全力を挙げなさいということ以上申し上げることはありません。

(問)八ツ場ダムに関してですが、基本計画の変更手続きを完了して来年度から本体の工事に着工するかと思いますが、具体的な時期について見通しをお聞かせ頂きたいのと、地元の方から現地視察の要望が大臣のところに来ているかと思いますが、それについてのお考えをお聞かせ下さい。
(答)八ツ場ダムの基本計画が変更されまして、8月6日から特定多目的ダム法に基づく変更手続きを進めて参りましたが、1都5県知事をはじめとした全ての関係者から同意する旨の回答を頂きまして、11月20日に変更手続きを完了しました。
今後も早期完成に向けた取り組みを進めるとの基本的な方針に沿って、関係の1都5県とも緊密に連携しながら着実に取り組みを進めて参りたいと思います。
よく本体工事の着工はいつ頃になるのかという問い合わせも受ける訳ですが、早期完成との方針の下で、来年度の予算において八ツ場ダムの本体工事ということが決定をするという状況にございますが、具体的な着工時期については今検討させているところでありまして、現時点では未定という状況です。
現地に来てくれという要望が強かったのは、今年の前半くらいには私のところにはありましたが、関連工事も行い、本体工事も粛々と行うということで、現地訪問ということについて直接私のところへの要請は、今あまりなくなっている状況ではありますが、然るべき時期にというふうに考えておりまして、来年には八ツ場ダムに行くということもあると思いますが、いつかということについては、よく時期は検討させて頂きたいと思っています。

ページの先頭に戻る