大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年7月25日(金) 11:23 ~ 11:50
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
次に、私から3点報告を申し上げます。
第1点目は、地方創生に取り組む省内体制の整備です。先週18日、総理から、個性あふれる地方の創生と人口減少の克服に対応するために、「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げるという指示が出されました。
これを受けまして、本日、この本部の準備室が内閣官房に設置されることになると聞いています。
国土交通省としましても、今月4日に公表した「国土のグランドデザイン2050」なども踏まえながら、内閣官房の準備室と連携しながら、積極的に取り組む必要があると考えます。
このため、国交省としても省を挙げて対応するために、全省的な準備本部を設置し、国交省の施策・組織を総動員して対応するよう、本日、事務方に指示を致しました。
今後、政府の本部が正式に立ち上がった段階で、国交省の準備本部も正式な本部として位置づける予定にしております。
具体的には、私を本部長、政務二役を副本部長として、事務次官以下、全局長等を本部員としていきたいと考えています。
まずは8月末までに当面推進する施策をとりまとめたいと考えているところです。
2点目は、高速道路のスマートインターチェンジの新規採択箇所についてです。
スマートインターチェンジについては、先の通常国会で成立をいたしました改正道路法に基づいて、新たな国の補助制度により整備を推進することといたしました。
今年度の新規採択は、地元において実施計画が策定された18箇所にいたしました。
例えば、世界文化遺産へのアクセス向上など観光面で支援ができるということ。
或いは、インターチェンジ周辺の工場の物流の効率化や、更なる工場の立地が望まれるというところ。
これら効果を有するところに対応して、スマートインターチェンジを作るということにいたしました。
今後とも、高速道路の有効活用や地域活性化を図るために、スマートインターチェンジの整備を進めていきたいと思います。
なお、本日道路局より記者発表を行うこととしておりますので、詳細につきましては、そちらへお問い合わせいただきたいと思います。
3点目は、関西空港・伊丹のコンセッション実施方針についてです。
新関空会社から申請のありました関西空港・伊丹空港のコンセッションの具体的な実施方針を本日付で承認をいたしました。
実施方針では、主な内容としまして、事業期間としては、平成27年度からの45年とすること、最低提案価格を上回る提案のみを受け付けること、45年均等払いということになった場合は、年間490億円ということになります。
来年6月頃に優先交渉権者を選定いたしまして、平成28年1月頃にコンセッションによる空港運営を開始する予定であること、これらが定められているところであります。
これによりまして、このコンセッションの目的である、2つ大きく言えばありますけれども、一つ、関空の国際拠点空港としての再生・強化や関空・伊丹両空港の有効活用によって航空輸送需要の拡大を通じた関西経済の活性化ということ、2番目には、関空債務の早期かつ確実な返済の実現、この2点のことにつきまして大きく前進することになります。また、この件は、日本再興戦略の重要施策であるコンセッションの中でも、世界的に注目をされる大型案件だと思っております。
国土交通省としましても、今後のプロセスについても引き続き、新関空会社が円滑に進めることができるよう、支援して参りたいと思います。
さらにコンセッション実現後におきましても、両空港の重要性に鑑みまして、新関空会社の監督等を通じて、その適切な運用を確保してまいりたいと思います。
この詳細につきましては、本日14時に、新関空会社より説明をいたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)本日の閣議で来年度の概算要求基準が了解されまして、今後要求作業が本格化すると思いますが、来年度要求に向けました国土交通省の方針につきまして、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)平成27年度予算の概算要求基準につきましては、公共事業費を含む裁量的経費につきまして、前年度比1.17倍までの要求・要望を行うことが出来ますが、今後概算要求に向けた作業を本格化させたいと考えております。
概算要求にあたりましては、主に以下の課題があると考えておりまして、集中復興期間の最終年度としての東日本大震災からの復興の一層の加速が一つ、それから防災・減災・老朽化対策等の国民の安全・安心の確保、そして人口減少・超高齢化に対応した地方の創生、特に「国土のグランドデザイン2050」に示された「コンパクト+ネットワーク」の具体化、更に国際競争力の強化などを考えているところです。
これらの課題に対応する予算を安定的・持続的に確保することが必要不可欠であり、27年度予算についてもこれらへの対応を中心に、しっかりと要求・要望をしてまいりたいと考えているところです。

(問)23日に発表されました訪日外国人旅客数が前年比26%増で過去最高のペースを記録しています。
一方で2,000万人の高みを目指す上では、空港の発着枠、ホテルのキャパシティ、色々な問題が指摘されてますが、現状の認識と今後の対応方針について教えて下さい。
(答)本年の上半期、1月から6月で訪日外国人旅行者数が626万人となりまして、これまで最高でありました前年と比較しましても26%増となっています。
これは、過去最高のペースで推移をしてまして、全般的に好調が継続をしていると受け止めてます。
今、御指摘のありましたように、2020年に向けて2,000万人を達成しようということで方向性を打ち出し、アクション・プログラム2014を作ったところです。
この2020年、2000万人の高みからいきますと、アクション・プログラムはやぐらを作り上げた状況でありまして、これをどう実行していくかということが大事だと思ってます。
アクション・プログラムには様々な施策を盛り込んでおりますが、今後は特に地方への観光客を呼び込むことが重要であると考えています。
このため地域の、外国の方にとりましては、食べ物と買い物の二つは必要であると、また、見るというということについても歴史的なことも含めて大事になってくるということです。
日本ブランドのブラッシュアップをしていくということが非常に大事な事だと思います。
また、ブランドのブラッシュアップとともに、空港とかホテルのことは具体的なこととして非常に大事と思っておりまして、最近空港とか貸切バスとか、あるいは宿泊施設の予約が取れないとかそういう声も聞いておりますので、これらが制約要件にならないように考えております。
例えば羽田空港の容量ということが非常に大事でありまして、訪日外国人旅行者の受入れに万全を期すために、首都圏、当然成田空港も含まれる訳ですが、首都圏空港の更なる機能強化というものが必要だと考えております。
このため先般、学者や専門家で構成する技術検討小委員会におきまして、羽田空港の飛行経路の見直し等の技術的な選択肢ということについて、取りまとめをしたところです。
今後(空港の)機能強化の具体化に向けまして、関係者とさらにここは詰めなくてはいけないことと思ってます。
またもう一つは、首都圏空港だけではなく、2,000万人ということからいきますと地方空港について、外国人旅行者の受入れに必要な税関や入国管理の体制を確保するために、これは非常に大事な事なので、関係省庁と連携して計画的に体制の拡充を図って参りたい。
また、地方におきましてはクルーズ船は大事な観光要素になりますので、それが泊まれるような岸壁を作るということも大事になります。
更に最近貸切バスが不足がちであるといわれてますので、この4月から安全の確保を前提にしまして、営業区域の拡大など制度の柔軟な対応というものが大事だと思ってます。
これらの取り組みで対応可能と考えておりますが、今後ともより積極的に進めていかなくてはいけないことと思ってます。
加えて宿泊施設では、東京などでは稼働率が80%を超えるという報道もあったりいたしまして、かなり宿泊客が多い、予約が取りづらいというようなことが東京とか京都では声があります。
こうしたことを考えますと、当面の対応としまして、2,000万人という御指摘のことからいきますと、今後しばらく東京圏を中心にしまして、相当数のホテルが必要だと思っておりますし、またそういう方向に今、ホテルの開業ということについても進められているというふうに思っています。
色々な観点から総合的にやっていかないと、2,000万人に対応できないと思ってますし、現状のところから更に飛躍できるよう努力をしたいと思っているところです。

(問)先ほどの関空の運営権の取引上の時期は、平成28年の1月にもとおっしゃったということでよろしいでしょうか。
(答)平成28年1月頃にコンセッションによる空港運営を開始する予定であるということ等が定められてるということです。

(問)総理が南米・中南米・カリブの何カ国を訪問することが発表されてますが、メキシコ、ブラジル以外にどの国を訪問されるかがもし御存知でしたらということと、同行する企業が200社位あるとのことですが、国交省関係で航空会社とか空港関係とかホテルとか鉄道とか、そういうところで同行される企業が御存知であれば教えて下さい。
(答)訪問国は、メキシコ、トリニダード・トバゴ、コロンビア、チリ、ブラジルの5カ国だというふうに聞いておりまして、国交省としても随員として行くメンバーがおります。
また、この企業もですね、大手ゼネコンをはじめとして建設会社や造船分野、あるいは港湾、航空これらについて総理と供に行かして頂くということを聞いているところです。

(問)建設業の外国人労働者について日本人と同等以上の給与を払うように企業に義務付けるという一部報道がありましたが、これについて事実関係をお聞かせ下さい。
(答)来年度からスタートということで先般も御報告しました状況について、3年というのを5年ということ、色々バリエーションはあるのですが、外国人の技能者について研修生の制度を活用するというか伸ばすということで、そういうことで対応したいと思っておりますが、ここはですね、然るべき処遇・待遇をするということは、極めて重要なことだと思います。
アルバイトのような形で簡単に使うということは、これから将来のこうしたことに対応することには望ましくないということと、国内的にもこの建設業界は処遇改善ということの中で人材を確保しようということが若者をはじめてとしてありますものですから、それによって外国の方々を安い賃金でということは、日本の市場からいきましてもあまり望ましくないということがありまして、具体的なことをきちっと定めているわけではありませんが、方向性としては然るべき処遇・待遇というものをしていかなくてはならないという基本的な方向性ということになっているところです。
現在、詳細につきましてはパブコメの途中でありまして、8月の上旬位にはそれのことについてもう少し詳細に報告できるということになろうというふうに思っているところです。

(問)関空の運営権の関係ですが、一部報道では企業連合の代表が日本企業でなくてはならないと条件が示されていますが、それについての事実確認と改めて関空の運営権にコンセッションが導入されることへの期待というものを教えて下さい。
(答)実施方針では、運営権者となる企業連合の代表企業の要件を設けておりますが、日本企業に限定するものではありません。
具体的な要件については、この後、新関空会社へお尋ね頂きたいと思いますが、その点については日本企業に限定するものではないということです。
(問)改めて関空に運営コンセッションが導入されることについての期待することを教えて下さい。
(答)これは再興戦略の中でもコンセッション、PPP/PFIは、極めて重要な位置付けにあるというふうに思っています。
そういう点ではこのコンセッションが成功することということは、今後の日本の航空のみならず、こうしたコンセッション方式ということが非常に大事であるという具体的なスタートができると思いますし、案件としても非常に大きな案件だということです。
この関空ということにつきましては、先程も申し上げましたが、関空の国際拠点空港としての再生・強化ということや、あるいはこの関空・伊丹両空港の有効活用による航空輸送需要の拡大を通じた関西経済圏の活性化ということ、そして関空債務の早期かつ確実な返済の実現と、これらについて大きく前進をするということで、私は非常に期待をしているということでございます。
(問)同じく関空のコンセッションの件ですが、冒頭では均等割ではということでしたが、この他の支払い方法、例えば前払いとかそういったもう少し詳細が分かればというのが一つと、あとは45年となるとかなり高額になると思いますが、これまで企業などとも色々対話をされていると思いますが、応募してくる企業は多数出るのか、その辺りの手応えみたいなものがあればお願いします。
(答)その辺の45年均等ということで、単純に割りますと490億円ということになるということでありまして、どういう形でこれから内容が詰められていくかということについては、この辺はまだこれからのことだと思います。
頭金ということがたくさん出る、出ないとか色んな形はあろうと思います。
それは正にこれからということになりますし、それから今後の見込みはデリケートな問題でありますから、私の方から具体的には申し上げる状況にありませんが、この実施方針の策定に当たりましては、新関空会社が投資家に対しまして、事前のヒアリングを行っておりまして、実施方針に定める条件で一定の応募があるものと期待をしているというのが私の率直な感想です。
(問)最低提案価格ですが、先程、45年で均等割をすると490億円という数字でしたが、そうすると大体、最低提案価格は2.2兆円という理解でよろしいのでしょうか。
もう一つ、応募企業の資格について、例えば外資規制というのはどのように取り扱うのか教えて頂ければと思います。
(答)まず最初のお話は、45年均等払いの場合は年間490億円ということは、かけ算するとそういうことに一応なるというのが全体で、これから利払いなど色んなことの動きもありますが、現状でいいますとそういうことになると思います。
それで外資ということについては、ここは私が先程申し上げましたように、今日の段階では日本企業に限定するものでは無いということを申し上げているところでありますが、これから運営権者の具体的な選定に関しまして、安全保障上の観点から不適格な事業者の排除は制度的に可能であるということだと思いますし、対外直接投資の拡大は日本再興戦略に盛り込まれていて、成長戦略の重要な施策であるということから、一律に外資であることのみをもって運営権者から排除することは適切では無いと考えています。
その意味では、安全保障を始めとする観点から排除ということについては、制度的には可能ということでございます。
(問)均等払いになった場合ですが、債務返済の形式があまり今の返済と変わらなくて、例えば頭金をもらう形式だと債務を支払ってしまって利払いを圧縮することが出来ると思いますが、均等払いだと今の返済方式とあまり変わらないかもしれないという思いを持ったのですが、その辺で早期かつ確実な返済という観点から、均等払いの場合の利点ということについて、どのようにお考えでしょうか。
(答)ここはそんなに利点がどうだということではなくて、運営権の対価ということで45年均等割なら490億円ということですが、関空債務のコンセッション期間内での償還を見込むことが出来る条件の提案のみを受け付けることとしていて、関空債務の完済が見込めることになるということ以上のことは現在ありません。
そういう点では単純に割ると490億円ということになるということで、これから色んな形が出ると思います。

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