大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年10月14日(火) 9:23 ~ 9:39
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 閣議案件で1点ご報告がございます。
 本日の閣議におきまして、「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定をされました。
 以上、ご報告を申し上げます。

質疑応答

(問)今お話のありました土砂災害防止法の改正案ですが、狙いについてはこれまで会見でもお話を頂いてますが、今回改正したことで自治体の運用、住民の意識がどう変わることを期待されているのか大臣のご所感をお願いします。
(答)今回の土砂災害防止法の改正によりまして、異常な豪雨による土砂災害に対しまして、自治体や住民が的確な避難を判断できるような仕組みが構築されるというふうに思います。
具体的にまず基礎調査結果の公表を義務付けるということを致します。
これによりまして、住民の方に土砂災害の危険性を十分認識して頂く、またそれにより防災意識が高まる、このことが最も期待されることです。
災害ということについて、自分の住んでいる所はどういう所にあって、どういう行動を取るべきかということがなかなか分からない。
また、指示がされてもどうしていいか分からないということがありますから、どの程度の雨が降って、そして自分としてはどう動いたらいいのかということについて、この基礎調査結果の公表を義務付けるということにより、自分の住んでいる所が一体どういう地域にあたるかという認識が明確になると思います。
また、土砂災害警戒情報を法律的に明記するということに致します。
都道府県から市町村への通知等を義務付けるということにより、市町村による的確な避難勧告等の発令に結びつくものと考えています。
この辺もですね、どういう状況にあるのかという内容の県と気象台が(共同で)発表する警戒情報を法律的に明記するということでしっかりこれが市町村に伝えられることになると思いますので、それを受けて避難勧告等の発令に結びつくということになります。
この、いつ、どのような状況で発令をするかという判断自体が非常に首長さん達の負担になることもあるのですが、それによりできるだけ判断しやすくなることに寄与するものと思います。
更に土砂災害に対する避難場所、避難経路などを地域防災計画に定めるということに致します。
これによりまして、安全な避難場所・避難経路の確保、そして高齢者、子供にも配慮した避難体制の充実・強化に繋がると考えます。災害が起きる前に、どこにどう避難をしていったらいいのかという具体的なことが分かることが重要なことだと考えます。
国民の安全・安心の確保のために土砂災害を始めとする災害対策に一層取り組みたいと思っておりますが、雨の降り方の情報、そして自らが住んでいる所の危険度をそれぞれの市町村に通知を義務付ける、そして的確な地域防災計画が定められていて日頃から準備をしている、そこで具体的にどこに行ったらいいのかということがかなり今回の法改正によって具体化されると。当然ここには色んなバリエーション、状況等もありますから、ここはまず骨格を打ち出して、御審議を国会で頂いて、直ちに体制をとらなくてはいけないと思っているところです。

(問)国立競技場の解体工事を巡って、入札のやり直しなどトラブルが起きていますが、公共工事を所管する大臣として今回の問題についての所感をお聞かせ下さい。
(答)これはかなり具体的な個別案件ということになります。
ここは開封と並行して予定価格を決定するという、7月に行われたこと自体に対する疑惑ということですが、この案件は現在、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)を所管する文部科学省が警察庁に通報して、警察の下で調査がなされていると聞いています。
現時点では警察の調査中でありますから、今後調査結果が出された後に、JSC及び文部科学省が対応することと思います。
いずれにしましても、公共工事の入札及び契約においては、透明性・公平性・競争性が確保されることが重要だと考えておりまして、入札談合を始めとする入札に関する不正行為は絶対にあってはならないことだと思っています。

(問)尖閣の問題ですが、最近国内の問題が色々ありましてあまりニュースになっていませんが、香港での一国二制度の問題でのトラブルもあり、色々と尖閣の方も騒がしくなっているのではないかと思いますが、どういうふうになっていますでしょうか。
(答)海上保安庁としましては、領海を守るということに徹して、職務に精励しているという状況だと思います。公船という以上に、今年に入りましてからは、案外去年の今頃から公船の領海侵入というのは少なくなっていますが、漁船がちょっと増えているというのが今の状況で、海上保安庁としては、いずれにしましても領海の警備ということに万全を期すよう努力をしているところです。

(問)台風19号が日本列島を縦断しました。自治体の避難勧告も含めて全体の対応と被害の状況についてお願いします。
(答)台風19号、大変大きな台風で心配をしておりまして、全国的に暴風・大雨になりまして、1名の方がお亡くなりになられました。
また浸水被害、或いは崖崩れ等の土砂災害が発生しました。崖崩れで申し上げますと沖縄県、宮崎県、大分県等。そして浸水被害の大きかったところでは、(大阪府の)泉佐野市、岸和田市、兵庫県の洲本市等であったと思います。
まだ北の方では、十分予測はできないところでありますが、被害が遭った方にお見舞いを申し上げたいと思います。
交通インフラ関連では、今日の朝6時現在で高速道路の1区間(仙台南部道路)、直轄国道の3区間(国道28号(洲本市)、国道45号(仙台市と、塩釜市))で冠水等によって通行止めとなっております。またJR東日本の在来線の他に、昨日に引き続きまして、航空、高速バス、フェリー等に多数の運休が発生しているという状況です。
国交省におきましては、台風が通過する11日から14日にかけまして、中部・近畿・中国・四国・九州の各地方整備局等から12県庁と14市町村にリエゾン延べ74名を派遣して、情報の収集等にあたるとともに、排水ポンプ車、照明車等、計75台を派遣して、内水排除の支援等を行ったところであります。
引き続き、被害情報の収集とともに緊急対応を全力で行ってまいりたいとこのように考えています。
各市町村とも私の印象では、避難準備情報を今までよりもきめ細かく出し、そして避難勧告等も出されたと思います。ある意味ではきめ細かく情報が伝わり、方向としてはいい方向に進んでいると思いますけれど、またその出し方とか色んな事の中で、今日私も報道を見ましたけれども、エリア全体に伝わらない、ホームページにアクセスしようと思ったらそれがパンク状態、オーバーフローしているということがありますものですから、ここはよく、この19号が去った後に、ここについては避難のあり方、情報提供の仕方についてはさらに検討したいと思います。

(問)関連ですが、今回台風19号で関西それから東海の方で、かなり早い段階でJRが在来線の運行をストップしました。これに関しては大臣は評価されるでしょうか。それとも、もう少し住民の足という確保が必要だったというふうにお考えでしょうか。
(答)これは台風のスピードですとか、かねてから言っているタイムラインというようなことからいって、ここはどういう成果を得たのかどうかについてはなかなか一つ一つ、全体というよりは違う状況があろうかと思います。
そこは更に調べて検討したいと思います。

(問)土砂災害防止法の関連で、警戒区域の指定以前に基礎調査が済んでいない所も多いと思いますが、それに対する具体的手立てですとか、大臣はどれくらいまでにどの程度完了すべきか、具体的なお考えをお聞かせ下さい。
(答)この調査自体が、まず一番前提で大事です。ここについては、今までも進んでおりましたし、それが警戒区域という時には説明の中でなかなか指定が出来なかったという要素も現実にはありました。
しかし、今回は御理解を頂けると思っておりまして、そういう点では調査をしっかりできるだけスピード感ある調査をしたいと思っております。
そこでは一つは予算の問題と、調査をする人の問題があります。
その辺も充実させたいということを、この法律の中では考え方としては持って、法改正に御理解をいただければと思っているところです。
今までの計画だと随分長い時間をかけてというところがあります。
しかし、10年もかけるというわけにはいかないと私は思っておりまして、予算、人員、箇所等々、単に机の上で計算するだけでなく、できるだけその予算と人員というのが充分活かされて、10年なんていうことではなく、もっと早く調査が行われるようにと私は考えている所です。

(問)伊豆大島の土砂災害からもうすぐ一年が経ちますが、復旧の状況ですとか対応の改善について御所感を伺えますでしょうか。
(答)伊豆大島につきましては昨年の10月に河川争奪という砂防では珍しい大規模な状況が発生しました。
その後、それらの所をまず復旧するということに全力が挙げられて、一定の成果を挙げてきたと思います。
この夏は随分台風が、7月とか9月、10月に通過し、伊豆大島については常に心配をしておりましたが、突然起きたという前回の教訓を生かして東京都と気象庁、国交省と連携を取り、その点についてはかなり情報はきめ細かく提供できていると思います。
全ての復興ということについては、復旧ということについては一定の前進をしたと思いますが、復興という段階にまだ至っていないと。ここは東京都と連携をしっかりとって、やっていかなくてはならないことだと思っております。

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