大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年11月7日(金) 9:42 ~ 10:02
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件における報告はございません。

質疑応答

(問)中国漁船のさんご密漁についてお聞きします。
昨日の夕方、小笠原諸島付近を台風が通過しまして、その後、台風通過時の状況あるいは台風通過後の状況と、海保の対策について、今把握している状況をお聞かせ下さい。
(答)今般の台風20号の接近に伴いまして、巡視船により小笠原周辺海域から待避するようにということを強く注意喚起を行いました。
大部分の中国さんご漁船を小笠原諸島から離れた遠方の海域に待避させました。
また、遠方の海域に待避できずに領海内の島の影に避難をしました一部の中国さんご漁船に対しましては、海上の荒天下、巡視船による厳重な監視・警戒を実施致しました。
その結果、父島等への入港も、また上陸も当然ですがありませんでした。
これは、今回そうした10隻を超える船があった訳ですが、人道的な観点から、これまでの国際法的な慣習に則って行ったものです。
人道的観点ということです。
昨晩から再びさんご漁船が戻りつつありますので、これは取締対象ですが、島影に避難していた漁船も含めて領海外へ退去するよう指導しています。
引き続き関係機関とも連携をして法令に則り厳正に対処をしたいと思っています。
隻数については、現在100隻をかなり超えるということは確認をしているところですが、とにかく領海外へ退去するように厳重に対処したいと思っています。
これから漁船の動向や取締の状況等も情報提供を通じて、今日も私のところに来る方がいらっしゃるのですが、地元の皆様の不安解消に努めていきたいと思っています。

(問)円安が日銀の金融政策もあって進んでいますが、為替の水準自体はなかなかコメントしづらい部分もあると思いますが、影響について色々コスト増になるのではないかという心配がありますが、どういうふうに見ておられますでしょうか。
(答)円安というそれ自体については申し上げられませんが、私はかねてから急激な円高とか急激な円安ということについては、これは十分注視をしていかなくてはならないと思っていますが、先週金曜日の日銀による量的・質的金融緩和の拡大の発表以降、そしてアメリカの動向等もそれに加わりまして、外国為替相場がそれまでの(1ドル)109円台から115円台まで円安が進んできたということは十分承知をしています。
為替レートの水準をコメントする訳にはいきませんが、国交省として見るならば、円安は燃料油等の価格上昇の要因になると思いますし、トラック事業等運輸業の経営にも大きな影響があるということから、十分その動向は注視していきたいと思っています。

(問)さんごの件で伺います。
10月の海上保安庁長官の定例会見で小笠原周辺での中国漁船の動きは、これは尖閣での中国公船の動きとは別物だとそういう見方を長官は示しているのですが、今これだけ200隻程度増えているという状況で、政府としてその認識は変わりはないかということが1点。
それからもう1点、官房長官も海保の体制強化の必要性について言及しておられましたけれども、今現在、巡視船を増やすとか人数を増やすとかどのようなことを考えておられるのかお願いします。
(答)まず、小笠原の周辺で、中国のさんごの漁船が来ていることと尖閣との関係は基本的に違うものだと思っておりますし、そこの状況ということは基本的にはそう考えておりますが、更により詰めてその政治的思惑というようなことがよく言われるのですが、それについては、今の段階では答えるという状況にはございません。
それから、何よりも海上保安庁、今回は東京都もそして水産庁共に協力して、非常に緊密にまた頻繁に会議等打ち合わせをずっと行ってきました。
その中で巡視船を増やすことや合わせて人員の確保ということは直ちにすぐということは両方ともいきませんけれども、日本を取り囲むEEZは非常に広く国土面積の12倍という、447万平方キロメートルという大変大きな領域でありますし、そこにある水産資源、鉱物資源ということを始めとして非常に大事なEEZだと思っています。
そういう点では巡視船艇あるいは航空機、その整備あるいは要員の確保、こうしたことは私は喫緊の課題であると認識しておりまして、できる限り、この巡視船艇あるいは航空機そして要員の確保等に努めていかなくてはならないという強い決意をもっております。
(問)今の段階で具体的なスケジュールなど見通しというのはあるのでしょうか。
(答)現段階では、既にそれを増やそうという流れができていることは事実です。
しかし今回のようなことに対応するということが、恒常的に続いていくというような、万一の場合であってもこれは許されないことですが、色んな機会でそうした状況が生まれ得るということがあるならば、万全の体制を海上保安庁としてはとらなくてはならないと思っています。
スケジュールは現在のところ詰めているところです。

(問)さんごに関連した自民党の部会で、5日なのですが、罰則の強化についてかなり意見が出たと聞いております。
その中で罰金の額の上限をさらに上乗せする、または中国では拿捕した船を返さずにスクラップしているそうですが、そうした船を返さずにスクラップすることなどもやったほうがいいという意見も出たそうですが、このような罰則強化についていかがでしょうか。
(答)この漁業関係法令に基づいて罰金、特に担保金の軽重については制度を所管する水産庁が検討されるものと承知をしています。
中国さんご漁船への対応については水産庁の検討ではありますが、今頻繁に会議等も行っておりまして、この担保金の問題についても効果的な対策のための検討が進んでいると思います。
よく水産庁、東京都とも連携の上で、取締に万全を期すとともに、担保金の問題については出来るだけ早い時期に何らかの決定をしなくてはいけないのではないかと私は思っております。
スクラップの件については十分承知しておりませんので調べさせて頂きます。

(問)円安についてお伺いします。
この円安を受けて関連業界に対して何らかのてこ入れ策が必要であるとお考えでしょうか。
また、先般の日銀の追加緩和が円安をもたらしたわけですが、この金融緩和そのものについての評価はいかがでしょうか。
(答)金融緩和自体は、安倍内閣としてこれは評価をしているという状況にありますが、それとアメリカの動向と相まっての円安と思っておりますが、私自身は先ほども申し上げましたが、特に運輸業界ではかなり厳しい状況が生まれると、または既に生まれつつあるわけですが、これについては必要な手を打つときには打たなければいけないと、今はまだ検討という段階です。
よく現場の状況等について話を聞いているところです。

(問)先週発表の新設住宅着工件数ですが、14パーセントの減少で7か月連続の前年度割れでした。
特に持ち家に関しては20パーセントに近い減少で、8か月連続の減少でした。
消費増税に伴う駆け込み購入の反動の影響が続いているという見方もある一方で、そもそも消費マインドが冷え込んでいて住宅購入どころではないという見方もあるのですが、大臣の受け止めと必要なてこ入れ策についてお考えをお聞かせ下さい。
(答)本年1月から9月までの着工戸数は65.8万戸となっておりまして、前年同期比で7.1パーセント減となっています。
消費増税に伴う駆け込み需要の反動を押さえようとして去年の8月2日から私はローン減税の拡充と給付措置に関する説明会を開催することにより早めに手を打ったわけですが、契約ということになると、既に去年の9月という時期からやはり駆け込み需要は当然あったわけです。
そうした点からいきますと、(消費増税の影響を受けている)昨年と比べるというのはあまり適切ではない。
一方、前々年の同期比で見ますと2.5パーセント増ということになったところです。
利用関係別に消費税率引き上げの影響を受けない前々年同月の推移を見ますと、持ち家いわゆる注文住宅及び分譲マンションは減少傾向にありますが、貸家及び分譲戸建ては堅調に推移をしている状況にあります。
持ち家につきましては、昨年10月からの受注減によって着工が前年同月比で本年2月より、前々年同月比から比べましても(本年3月より)減少している状況にあります。
関連する住宅団体は多くの企業でマイナス基調が続くとの見通しを持っており、私は注意が必要だと思ってきました。
分譲マンションは、都心部でマンションの適地が少なく、用地確保が難航してること等によりまして、複合的な要因が着工戸数の減少に影響を与えていると考えられます。
これらを踏まえまして、住宅着工について今後の動向を引き続きしっかり注視をしていきたいと思います。
この消費税(増税前)の駆け込みと、消費税(増税)後の反動減ということで、私はこれは大事な問題だとずっと注視をしてきて、若干ここで上向きの傾向が見られたものの、今後どういうふうに推移していくかということを今私達は見ているところです。
それから、今はマンション等について申し上げましたが、元々注文住宅を買うというようなところでは、30代、40代世代の人口が非常に減っているというような状況とか、あるいは中古住宅市場へのシフトというようなことも含めて、住宅ということについては総合的にこの動きを見て、そして手を打っていかなくてはいけないというのが私の基本的認識です。

(問)先程のさんごの件ですが、現在100隻を軽く超える船を確認しているとありましたが、それは避難していた船が約100隻を超える規模で小笠原領海周辺に戻ってきているという理解でいいのでしょうか。
もう一つ、担保金の件ですが、担保金の引き上げに関しては、担保金を引き上げた場合には外国の船だけでなく、日本の漁船も対象になることもあり、また、それに反応して中国側も罰金的なものを引き上げるということで、慎重な議論をするべきではないかという意見もあると思うのですが、そういうことも含めて水産庁などと検討されているのでしょうか。
(答)これは基本的には、台風20号の通過後に、再び中国漁船が小笠原諸島に戻りつつあるという状況だという認識をしています。
動いている状況でありますので、現在海上保安庁の航空機等によって確認中であるということです。
担保金の問題については、これはあまりに低いという状況ということについては、かなり認識が共有されつつあるというのが会議の状況だと思います。
今御指摘のような全体的に関連するというようなことも当然考えていかなくてはならないのですが、担保金が低いということについての認識はかなり共有をされているところでありまして、これらについてそう遅くない時期に結論を出さなくてはいけないというのが基本的認識です。

(問)さんごの件についてもう1点伺います。
自民党の部会で海上保安庁の長官が領海侵入に対しては充分対応はできているという発言がありまして、それに対して今のところ5隻を検挙したという状況では足りないのではないか、もっと取り締まれというような声も出ています。
これについて現状の検挙の状況がこれで充分かということについてどう認識されているでしょうか。
(答)(海上保安庁も)大変努力をしていまして、領海外に退去させているということ自体は事実です。
それが今後どういう展開になるかということもありますが、海上保安庁、そして水産庁、東京都、いずれも懸命にその作業はやっているという状況だと思います。
そして、この体制強化するということについては先ほど申し上げた通りで、そうした方向で巡視船、そして航空機、そして人員面での増強ということを考えていかなくてはならない問題だと思っています。

ページの先頭に戻る