大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年12月19日(金) 10:36 ~ 11:04
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件でご報告事項はございません。

質疑応答

(問)一昨日より北日本、日本海側を中心に暴風雪が続いているのですが、この間の被害状況と国交省のご対応について教えてください。
(答)17日から18日にかけまして急速に発達した低気圧の影響で、全国的に大雪や強風が吹き荒れるという状況にありました。この大雪によりまして、北海道、秋田県、新潟県、長野県において4名の方が、これは消防庁の8時現在の発表では4名となっておりますが、お亡くなりになり、関連して、車が衝突することも含めると更に数名の方がお亡くなりになるという事態になりました。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げたいと思います。交通への影響としては、ピークに近い12月18日の朝の時点で、高速道路18区間、直轄国道29区間の通行止め、鉄道24路線で運転休止等が発生しました。また、根室市や別海町では、高潮による被害地の冠水がありました。さらに昨日の夜、新潟県津南町の国道405号が土砂流出により通行止めとなって、津南町、長野県栄村において、128所帯が孤立している状況です。今朝から撤去の作業を始めようとしているところです。国土交通省としましては、常設の対策本部を12月9日に設置していますが、12月12日には関係局長等会議を行い、気象状況や事前の準備状況を確認する等の対応を行ってきました。その上で12月16日から北海道開発局より、北海道26市町村に対しまして、リエゾン最大63名を派遣しています。高速道路、直轄国道、補助国道の28区間において災害対策基本法に基づく区間指定を行うともに、2区間、岐阜県と愛媛県において立ち往生車両を迅速に排除しました。また、海上保安庁が根室市の要請により孤立者6名を救助しました。なお、新潟県津南町、国道405号の通行止めについては、本日早朝より新潟県において現地調査を進めております。国交省としても、北陸地方整備局から長野県、新潟県及び津南町、栄村にリエゾン8名を派遣し、応援の資機材の準備等の対応を行っているところです。ちょっとぬかるんだ土砂、水を含み過ぎたものが流れているような状況でありまして、調査状況と撤去作業については注意深く、現時点で調査と撤去作業をしている状況にあると聞いています。引き続き、応急対応に全力を尽くしていきたいと思っています。

(問)今年1年間の訪日外国人数が1300万人を超える見通しになっております。この1300万人の説明と地方創生の観点からも東京から京都、いわるゆゴールデンルート以外の地方にも外国人客を広げていくことが重要だと思いますが、政府としてどのような取り組みをしていくのでしょうか。
(答)1300万人を超えるというところまでいくということは大変明るい、そしていいことだと思っています。11月までの累計で、前年比28%増の1218万人となって、年間では1300万人を超えることが確実となっておりまして、現在の予測では(12月)22日頃に1300万人になるのではないかという予測をしています。この背景は、2020年の東京五輪・パラリンピックが決定したことや、富士山や富岡製糸場の世界遺産登録、和食や和紙の無形文化遺産登録などによりまして、日本の国際的注目度が高まったということがありますし、また円安による追い風、そしてアベノミクスによって日本経済が元気を取り戻したということ、そして戦略的なビザの大幅緩和、更に色んな形で海外で事務所を設置したりしてプロモーション活動もしてきたと、政府一丸となって取り組みを行った総合的な結果であると認識しています。この訪日外国人旅行者が増えるということは、旅行消費額を見ますと、一昨年は1.1兆円、昨年は1.4兆円、そして今年はおそらく2兆円前後になるだろうという見込みになっています。これによって経済の下支えであったり、あるいは国際相互理解の増進という面からも大変いい影響を与えていると認識してます。今ご指摘のありましたゴールデンルート以外にもクルーズ船もかなり増えてきていますし、それぞれの外国の人達は北海道なら北海道で、雪の質がいいとか、それぞれのところで特徴を出しているということがありまして、地方創生ということでもゴールデンルート以外でも、大変努力をして徐々にではありますが増えてきていると。直接、市長さんが東南アジアの国に行って要請したりという取り組みも具体的に始まっていると。これがさらに地方創生に大変寄与することが大事ですし、また点から線、線から面と私は言っていますが、中部の昇龍道プロジェクトをはじめとして、ルートを示していてそこをアピールする。地方だけで海外に、徳島でも私は要請を受けましたけれども、自分たちだけで阿波踊りを中心に宣伝するというのは弱いので、全体的に国として世界に向けて発信を是非ともお願いしたいという声も受けていまして、そうした点から線、線から面という、そして国が関わるという展開が非常に大事だと思っています。今後はそういうことからいきますと、2000万人が当然目標になってきますが、2020年ですね、そうしたもう一度1300万人という地点で、次に向けてどういう戦略かということを改めて考えてみようと思っているところです。特に各地域の数を追うだけでなくて、各地域ごとにブランドを発信する、或いは掘り起こす、そして磨き上げるこうしたことが大事だと思っておりまして、かなり点ではなくて、線から面ということで動いていただくことが非常に広域ルートを形成する上で大事なことで、国が全体的に発信するだけではなくて、もう少し各地域というか、観光ルート等を通じて、そこでもう少しそれぞれが発信するという仕組みを促進したいと私は考えています。そのためにも、例えば、地方空港は非常に大事になりますし、地方空港におけるCIQの体制とか或いは無料公衆無線LANとかそうしたこと、或いは多言語対応の強化、こうしたことが大事で、受け入れ環境の整備を一層進めていくと。(外国人旅行者が)来るからそうした対応をしようと当然になりますから、お互いに好循環していくように進めていきたいと思っています。外国人旅行者にまたリピーターになって頂くということは、日本はそれだけ素晴らしい国だと私は思っていますので、再び来て頂いたり、また各国に帰ってから、その人たち自身が発信してくれるように、おもてなし、幅広い意味でのおもてなしというものをしっかりした態勢を作っていくことに力を注いでいきたいと思っています。

(問)先日の徳島県の大雪を受けて設置された、異例の降雪に対する対策本部の2回目(の会合)が昨日あったと思うのですが、めったに雪が降らない所で資機材などの対策をとることは、費用対効果の問題もあろうかと思うのですが、今後どのような考えで対策、議論を深めていかれるのかを教えて下さい。
(答)全く無防備という状況だと思います。当然予算の制約があったり、地方自治体もすぐやれといっても体制が整わないと思います。建設業者も機材を全部手放しているというような状況にありますから、本当に最小限ということになってしまうかもしれませんが、例えば四国とか、今年の初冬に降った関東とか甲信越、こうしたところを重点的にそうした体制を取っていくということが大事と、精一杯としか言いようがありません。そんなに凄い体制ができると思ってはおりません。その代わり昨日私の方から発言をさせて頂きましたが、豪雪地帯でないところは人が歩くという場合の靴、そうしたことについてタイムラインというと全体的になりますが、一人一人が会社に行く場合に滑らない靴にして下さいよ、そして車の方だったら雪に対応するように(タイヤを)変えて下さいよと前日くらいにきちっと言えることが非常に大事だと思っていまして、そうした点ではタイムラインを策定しながら身近な所で一人一人が注意するということについてやっていく努力が、除雪車を設置するとか色々な事をする以前に、雪が降っていない所では雪に慣れていないということをもっと注意喚起するという情報提供の仕方、そういうようなことが非常に大事と思っております。全体的にはタイムラインの策定ということになるのですが、車に乗る方、そして歩く方、そして交通機関の滑らないような措置、そうしたことを私としてはまず第一段階で強化したいと考えているところです。

(問)今のお話ですが、気象庁か何かからの情報発信の仕方を改めるようなお考えですか。
(答)私が申し上げましたのは、昨日も発言しましたが、気象庁がやるのかどこがやるのかということもありますが、今日は雪が必ず降るからこうしなさいというのは、中々できる部分とできない部分があろうと思います。私は報道機関の方にできるだけそこのところを担って頂いて、やるということも非常に必要と思っておりまして、(情報提供が)一番徹底できるのは報道機関だと思いますので、報道関係の方とは情報提供の仕方ということについて話し合っていきたいと思っているところです。

(問)スカイマーク関連ですが、運輸審議会が昨日(12月18日)混雑空港の運航許可の答申の中で、スカイマークの羽田空港発着便については現存の発着便を維持することを認めながらも、国土交通大臣に対してはスカイマークの経営状況の注視と助言・指導を行う旨の要望がありました。スカイマークの経営状況に関して不安を抱える中で発着枠を維持することになるわけですが、こうした要望に対しての大臣の受け止めをお願いします。
(答)ここは現在具体的にどうするかという話の段階だと思いますが、また報道もされているところでありますけれども、現時点ではまだ正式な申請がなされておりませんので、企業間での交渉中の段階と思いますので、ここはコメントを差し控えたいと思います。一般論として申し上げれば、航空会社間の業務提携等については、当該航空会社間で話あって頂くべきものと考えておりまして、仮に相談があった場合には、航空法等に照らして適切に対処して参りたいと思っております。

(問)今週火曜日に沖縄の南東の海上で中国漁船と見られる船が東に向かっているという状況がありましたが、海上保安庁長官は小笠原に向かっているというような指摘をしておられましたが、これに対する受け止めと今後の対応方針についてお願いします。
(答)周辺状況も含めてお話をさせて頂きますが、昨日、海上保安庁の航空機によるしょう戒の結果、小笠原諸島周辺海域、EEZにおきまして、中国さんご漁船と見られる漁船を1隻確認しています。また、今ご指摘のありました、一昨日、沖縄近海におきまして、東に向けて航行する中国さんご漁船と見られる外国漁船を確認しています。これらについては、小笠原諸島周辺海域に向かっている可能性があるものだと考えておりまして、動静を注視し、警戒を続けているところです。昨日、中国大連におきまして、第15回の日中漁業共同委員会が開催されまして、中国さんご漁船問題について、日中の水産当局が連携・協力すると、これが合意されていると承知しています。今後、この取組が中国さんご漁船による違法操業の根絶に繋がることを期待しておりますが、いずれにしましても海上保安庁として引き続き警戒をし、水産庁や東京都などの関係機関と連携して厳正に取り締まっていくという構えを崩さないということでいきたいと思っています。

(問)昨日、私が特派員をしているキューバとアメリカの間で国交正常化の動きが報道されましたが、キューバはご存知にように、アメリカの経済封鎖によってまだ貧困の中にあります。車、鉄道も全然整備されておりません。そういうことで日本の古い新幹線を是非紹介したいと思いまして、前事務次官の宿利さんがそのような関連のポストに就かれたので、是非ご連絡をとって一度キューバ大使館にお連れしようというようなことを考えております。ところで、昨日キューバ大使館を訪問しましたら、一番大使館で困っている問題は、羽田の国際空港についてであり、24時間営業であるにも関わらず、深夜とか早朝はガラガラであるにも関わらず、羽田発着の国際線の枠を全く持ってこれない。羽田は交通の便も良く、運賃も安くなりますし、やはり海外からのお客さん、特にキューバあたりから来るお客さんが地方に行く場合でも羽田は便利であり、キューバからの国際線を羽田にというような動きをできないかという話があったのですが、外国から羽田に来るお客さんも増えており、各都道府県に行くに当たっても羽田は便利だと思いますが、いかがでしょうか。
(答)キューバの個別的な案件については、そうした御質問があったということを受け止めておきたいと思いますが、(訪日外国人客が)1,300万人を超えるということになりますと、当初、私としては2020年に2,000万人ということが、瞬間風速でもというような表現をしていたのですが、かなり現実なものとなってきたと思います。その点では2,000万人ということで、瞬間風速と言ったり、高みという言葉を使ってきた訳ですが、それは今使わないという状況が生まれたと思っておりまして、羽田、成田を含めた空港容量ということについては、少しここは2020年を一つの目安としながら、そこには耐えうるということできた訳ですが、そこは非常に大事な容量拡大について模索しなくてはいけないなと思っているところです。

(問)タカタのエアバッグ問題ですが、最近の進展の状況と、タカタはこれまで日本国内では一切記者会見を開いておらず、先日、特定の新聞社にのみCEOがインタビューに応じるという状況がありましたが、これで国民の不安に対して部品メーカーとしてきちんと応対できているのかと非常に疑問を抱いているのですが、これに関して大臣の見解をお願いします。
(答)この件については、重ねて申し上げておりますが、自動車局長を本部長とする対策推進本部を毎日現在も開催している状況で、情報の収集や対応方針を検討しています。前回の会見以降、新たなリコールの届出は無いという状況で、現在、調査リコールを含めて約320万台が対象となっておりまして、未改修車両を少しでも早く改修するよう自動車メーカー及びタカタを指導・監督していきたいと思っているところです。問題はご指摘のところと、もう一つは交換部品の供給体制でありますが、タカタが生産量を増産することと、自動車メーカーはタカタ以外のインフレータ製造メーカーからの供給も検討しているという状況にありますが、更にここについては、自動車メーカー及びタカタに対しまして、交換されるインフレータの供給可能量の現状と今後の見込みを早急に調査し報告するようにという指示を出しています。説明のお話でありますが、車にいつも乗っているという方達が非常に多いわけですから、自動車ユーザーの不安が拡大しないよう、自動車メーカーとタカタがきちんと説明責任を果たすことは重要だと思っています。どのようにするかと、今ご指摘のようなことであれば、全てのマスコミに対してきちんと、私は国民に対してということはそういうことでありましょうから、説明すべきものは説明しなければいけない。どのような説明責任を果たすかということについては、事業者において判断することになりますが、この問題については説明責任を果たすということは極めて重要であると、私はそう思っています。

(問)先程、首都圏空港の容量拡大を模索するというお話でしたが、これは何らかの例えば審議会への諮問などを行うという趣旨でしょうか。委員会で一度、オリンピック前の大幅拡大は難しいという結論になったと思うのですが、そこをひっくり返すことも含めて考えているということでしょうか。
(答)特に1,300万人に達することを踏まえ、2,000万人まではいけるということですから、地方空港をどうするかとか、色んな全体像を含めて、もう少しこれは、2,000万人をオーバーするというような良い事態になったことで、そこ(空港容量)が一番のネックにならないようにしなくてはいけないと。

(問)エアバッグ問題の関連ですが、昨日、業界団体である日本自動車工業会(自工会)の会長会見がありました。そこで二つポイントがあって、一つはリコールの部品交換については基本的には業界としてはやらず、個別、個社単位でやっていき、業界として今回一致してやるということはないと池会長は仰いました。もう一点は、非公式ながらという前ふりがついていますが、インフレータの火薬の交換期限を設ける議論を始めたということを、昨日、自工会会長が話していますが、この二点についてお考えがあればお願いします。
(答)自工会から具体的な話は聞いておりませんので、今日にでもまず事実を確認したいと思います。タカタ製エアバッグの問題の原因が、ガス発生剤の経年劣化かどうかということが指摘されていることは報道によって承知しておりますが、これが経年劣化によるものかどうかということについても現在メーカーにおいて調査されていると承知しています。いずれにしましても、この件については自動車業界と連携して対策に向けた万全な体制をとりたいと思っておりますので、事実関係を確認して、それから考えたいと思います。

ページの先頭に戻る