大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年3月24日(火) 9:36 ~ 9:57
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 閣議案件で、私から2点ご報告をさせて頂きます。
 まず、本日の閣議におきまして、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案」が閣議決定されました。
 次に、これから資料を配布いたしますが、本日の閣議で、独立行政法人交通安全環境研究所ほか6法人の理事長を、4月1日付で任命することにつきまして、ご了解を頂きました。詳細は、事務方にお尋ね頂きたいと思います。
 1点ご報告をさせて頂きます。
 この冬は、12月から北日本や日本海側を中心に大雪が降りまして、最近10年では3番目に多い降雪となっております。
積雪地域の各地で自治体の除雪予算がひっ迫をしているという状況にございます。
こうしたことを踏まえまして、本日、自治体の道路除雪費に対して支援を実施することと致しましたので申し上げます。
積雪地域における自治体の除雪費用に対しては、年度当初に社会資本整備総合交付金により措置しているところですが、今回追加として、23道府県・政令市に国費101億円の補助、そして151市町村に臨時特例措置として国費59億円の補助を実施することと致しました。
詳細につきましては、後ほど事務方から資料を配付します。
私からは、以上でございます。

質疑応答

(問)東洋ゴム工業の免震ゴムの性能偽装の関係ですが、その後の調査の状況ですとか、当面の対応について教えて下さい。
(答)既に発表させて頂いたり、国会答弁もさせて頂いておりますが、まず第一に、「少なくとも震度5強の地震に耐えられる」という安全性の確認作業を急いでいます。
今週半ばまでには、その結果を出すよう東洋ゴム工業に対しまして指示をしていますので、結果がまとまりましたら、直ちにお知らせをしたいと思います。
第二には、「震度6強から7の最大級の地震に耐えられる」という安全性の検証につきまして、東洋ゴム工業は1カ月くらいかかると言ってましたが、私の方から今月中に調査を終えるよう東洋ゴム工業に対して先週指示をしたところです。
現在、作業をどちらの方も合わせて急ピッチで進めているということを承知しているところであります。
これも結果が取りまとまり次第お知らせをしたいと思います。
3月31日から若干の部分がこぼれるかもしれないというような今の状況ですが、できるだけ早く、安全、安心に関わることですからということについて申し上げているところでございます。
このように構造安全性の確認を急いでおりまして、その結果を所有者・利用者に丁寧に説明した上で、免震装置の交換を行う方向で厳しく指導して参りたいと思っています。
現状は以上です。

(問)先日、JR北海道が5カ年間の安全投資と修繕の計画を出しました。
まず、それに対する評価をお願いしたいのと、2,600億円を必要としていて、そのうち1,000億円規模については資金確保の必要があって、国に支援をお願いしたいと言っていますが、国の支援のあり方についてお聞かせ下さい。
(答)昨年1月24日に業務改善命令を出しまして、今年度中に5年計画を立てるよう言ったところでありましたが、先週金曜日にJR北海道から、「安全投資と修繕に関する5年間の計画」について、報告を受けたところです。
この計画は、一昨年来の安全問題の経緯を踏まえまして、今後の安全投資と修繕ということにつきまして、全般にわたって抜本的な見直しを行ったものと認識しています。
私も北海道に先般行きまして、直接、この報告自体ではありませんが、安全とかそういう状況について報告を受けましたが、老朽化した車両の手直しをする、あるいは軌道の更新ということについて手を打ちたいということで、この老朽化した車両や軌道の更新を始めとして、従来の計画から大幅に増額した計画を策定したものと認識しています。
ご指摘のように2,600億円という数字が出ています。
計画の具体的内容につきましては、今後、国交省において精査することとしておりますが、JR北海道は計画に対してしっかりと取り組んで、安全基盤をしっかり確立して頂きたいと思っているところです。
今、1,000億円規模の支援を国に要請しているのではないかというご指摘がありましたが、まず、「安全投資と修繕に関する5年間の計画」に基づく設備投資や修繕の実施に当たりましては、JR北海道において既存の支援の前倒し及び最大限の自助努力を行って、必要な資金の確保を図るということを言っていると承知をしています。
自助努力の中には資産売却とかそういうことも含まれると思います。
まずは自らの努力というものをしっかりするということが前提でありまして、その上で、なお及ばない部分については、必要な安全投資や修繕が実施できるように、国としても必要な支援について検討していきたいと考えています。
具体的な範囲、方法等については、今後、検討を行っていきたいと思っているところです。

(問)昨日、日本乗員組合連絡会議という飛行機のパイロットの組合団体から、運輸安全委員会の事故調査、再発防止を目的としたものですが、その調査報告書が警察から求めがあった場合には刑事訴訟の資料として提供されて、いわゆる鑑定嘱託といわれる問題ですが、これについて国際民間航空条約に違反していると、刑事捜査と再発防止を目的とした事故調査は分離すべきだという申し入れが、昨日あったかと思いますが、これは運輸安全委員会の中でも賛否が分かれていると聞きますが、大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)十分、この件については私も承知をしておりませんが、この件、私もよく調べてみたいと思います。
今、概略では現在、検討中であって、具体的な方向性は決まっていないという状況であると思っていますが、私もしっかり調査してまいります。

(問)先程のJR北海道の件ですが、最大限の自助努力ということを大臣、今仰いましたが、その中には赤字路線の廃止ということは含まれるのでしょうか。
(答)ここは、経営全体の問題の中での問題でありますので、私としては、JR北海道のいわゆる赤字路線、あるいはJR北海道が担っている部分ということについて、それを切るようにとかいうようなことの自助努力ということについては、慎重でなくてはならないと思っていますが、そうしたことについて直接、言及は致しておりません。
私としては赤字路線といえどもしっかりと保持をして頂きたいというのが私の現状の考え方です。
(問)今後、国が支援するということになった場合に、その引き替えとして赤字路線の廃止を求めていくことはないのでしょうか。
(答)国として現在具体的にどこのというようなことを求めるというつもりは、少なくとも私の現在の状況ではありません。

(問)御嶽山の噴火から半年になろうとしています。
この間、観測方法や情報提供のあり方について、気象庁などで専門家の議論が続いていると思いますが、住民だけではなく登山者の命も守るためにどのような改善を行うべきとお考えでしょうか。
(答)この件についてはちょうど(噴火から)半年が経過をしています。
また、行方不明の方もいらっしゃいまして、まずお亡くなりになられた方々、また行方不明の家族の方々に対して哀悼の意を表したいと、このように思っています。
これを踏まえまして、この半年間観測体制のあり方や情報提供のあり方につきまして、火山噴火予知連絡会、これは気象庁が事務局をやっていますが、その下にあります検討会において検討を進めてきたところです。
現在、年度内の発表ということで、最終報告のとりまとめ作業の段階ということで、今月一杯までにはということの目標がありますので、そこで発表されるというように承知をしています。
ただ昨年に緊急提言がされておりまして、11月だったと思います。
それでは水蒸気噴火の兆候をより良く捉えるための火口付近への観測施設の設置ということが大事であると、これは地震計であるとか、あるいはカメラとか、あるいは傾斜計、山の膨らみを調べるというようなことです。
ただしこれは雪解け以降に設置するということになりますから、そうした提言がされていて雪解け以降に直ちに設置になると思います。
また、昨年の御嶽山は水蒸気噴火ということであったわけですが、マグマが動いたかどうかということについては非常に大事な問題なので、御嶽山のマグマ活動を把握するための観測強化ということも昨年11月の緊急提言には入っています。
更に常時監視火山の追加、47(の火山が)あったわけですが、その他に八甲田山と十和田と弥陀ヶ原(みだがはら)、これは立山ですね。
ここの3カ所が加わって現在50(カ所)になっているわけですが、こうした観測体制の強化や噴火の発生事実を伝えるための速報の創設等の情報提供のあり方を緊急提言としてとりまとめて頂いたところです。
そんなに骨格は変わってはいないと思いますが、それを更に詰めて最終的に近々発表ということになると思います。
また今の観測体制の強化とかいうことについて、地震計のこととか申し上げましたが、気象庁における平成26年度補正予算において、できるものから取り組んでいるということです。
雪が溶けないとなかなか設置が出来ないので、予算としては補正予算でやらせて頂いているというところです。
近く最終報告がまとまりますので、よく連携を取っていきたいと思っているところです。

(問)先程の東洋ゴム工業の件で、免震装置を交換する方向で厳しく指導をするいうような話がありましたけれども、(建物の)構造安全性の検証をした結果、安全だと判明した(免震)装置であっても、免震装置を交換する方向で厳しく指導するという趣旨でよろしいでしょうか。
(答)これはよく調べていかないといけないのですが、今月末までにということで、(震度)6強から(震度)7という、建物自体にこれが耐えうるかどうかという調査をさせて頂くとともに、一つ一つの装置がこの目標としたものになっているかどうかということと併せて調査をしなくてはならないということです。
それがどれだけ働いているかということについては、全体的に欠落してる部分があるという今現段階での私たちの認識は、欠落しているのではないかと思っていますので、(東洋ゴム工業の)社長も国交省に来られた時に会見でも言っていると思いますが、免震装置は取り替えるということを仰っているということからいきまして、それから振動の問題は一つの建物にいくつもあり、合計2,052(基)です。
いくつもこの装置があるので、おそらくどこかは欠落していると思っておりまして、基本的にはよく原因究明とかそういことをやらないといけませんが、取り替えという作業になると思います。
そういう基本的に全てを取り替えるという構えで今、会社側も取り組んでいるのはないかと思います。
さらにそこら辺は調べますが、取り替えるという方向になるのではないかと私自身も思っています。
(問)会社側の姿勢もそうですが、国交省としても構造安全性の検証の結果、安全だと判定した場合でも全て交換だということでしょうか。
(答)(全て交換だということを)基本にしたいと思っています。

(問)冒頭ご説明のあった新築建造物に関する法律ですが、建築分野を含めた法律には既存の省エネルギー法が既にあるのですが、新築建造物に的を絞った法案を今回作る意義や狙いはなんでしょうか。 
(答)エネルギー資源の大半を海外に依存をしているという我が国の状況からいきまして、また、東日本大震災以降のエネルギー需給構造が一層厳しくなる中で、国民生活や経済活動への支障が懸念されていると思います。
今回はエネルギー消費量の増加が著しい建築部門における省エネ対策を強化するということが求めれていると判断しているところであり、また、昨年6月の日本再興戦略、そこで「2020年迄に新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化」する方針ということが閣議決定をされています。
こうしたことから今回大規模な建築物の省エネ基準への適合義務化等の規制手法に加えまして、容積率特例や表示制度などの誘導的手法を一体的に講ずることなどを盛り込んだ法案を提出することに致しました。
今後も必要な支援措置を講ずるとともに、この法案提出を契機に建築物の省エネ性能のより一層の向上を図っていきたいと思っているところです。

(問)住宅金融支援機構の新しい理事長の人事ですが、宍戸理事長の後任については民間の方も含めて公募をするということになっていたと思うのですが、結果的に国土交通省出身の方になられたと、今回民間からの応募がなかったのかなど、今回人事の経緯について何かご説明を受けていますでしょうか。
(答)理事長の選任にあたりましては公募を行って、第三者である選考委員会での選考結果を踏まえて、私としても適任と判断したということで選任させて頂いたということです。
(問)合計何人から応募があったか分かりますか。
(答)人事のプロセスにつきましては、コメントは控えさせて頂きたいと思います。

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