大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年4月10日(金) 9:54 ~ 10:18
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私からご報告するものはございません。
 2点ご報告をさせていただきます。
1点目は、韓国への出張についてです。
4月13日に韓国の慶州で開催されます「第7回世界水フォーラム閣僚会議」及び「第2回日中韓水担当大臣会合」に出席するため、4月12日から13日にかけてまして、韓国に出張いたします。
世界水フォーラムは3年に一度開催される、水関係における世界最大の会議となっています。
日本では2003年に京都・大阪・滋賀で開催しております。
今回の会議では、水資源管理に関する円卓会合におきまして、私が議長を務め、各国の閣僚級の方々と議論を交わす予定としているところです。
また、3年ぶりの開催となります。
第2回日中韓水担当大臣会合におきましては、水分野における協力に関する共同宣言を発出する予定としております。
なおこれは第2回となるのですが第1回は、2012年フランスのマルセイユで開催されております。
世界の水関係者が一堂に会する会場で、多くの国々の方々と世界の水問題解決に向けた議論をしてまいります。
後ほど事務方から資料を配付させていただきます。
続きまして2点目、観光圏整備法に基づきます観光圏の新規認定についてです。
官公庁におきましては、観光圏整備法に基づきまして、都道府県や複数の市町村が連携して、官民一体となって魅力ある観光地域づくりを行う地域を「観光圏」として認定しています。
これまで10の地域を認定してきたところですが、これに加えまして、本日、北海道釧路市、弟子屈町(てしががちょう)から構成される「水のカムイ観光圏」、新潟県新潟市、佐渡市から構成されます「トキめき佐渡・にいがた観光圏」、香川県高松市をはじめ、香川県全域で構成されます「香川せとうちアート観光圏」の3つの地域を新たに「観光圏」として認定いたします。
今後、今回認定された地域を含めまして、13地域が行う観光資源のブラッシュアップや発信、移動の利便性の向上などの取り組みに対しまして、財政支援などを行ってまいります。
詳細は、追って事務方より連絡をさせていただきます。私からは以上です。

質疑応答

(問)明日から日中韓観光大臣会合が東京で開かれます。
4年ぶりの開催ということですが、どのような姿勢で臨まれるのでしょうか。
(答)非常に大事な会合だということです。
第7回日中韓観光大臣会合がいよいよ今週末開催されることになりました。
この会合は、2006年に北海道で第1回を開催して以来、日本・中国・韓国の順番で、2011年に第6回まで開催しまして、今回は4年ぶりの7回目の開催となります。
中国からは李金早(リ・キンソウ)国家旅游局長が、韓国からは金鍾徳(キム・ジョンドク)文化体育観光部長官が出席されます。
私は昨年の4月にソウルに行きまして、そして6月に北京、11月に上海と、それぞれの国の大臣にお会いをしまして、日中韓観光大臣会合の早期開催について調整を続けて参りました。
現在、政府・与党は、昨年11月の日中首脳会談を始めとして、中国・韓国と関係改善に向けた対話を積み重ねている状況です。
こうした中で、観光交流をテーマとして日中韓の三大臣が東京に集うことができましたのは、外交という点でも、大変意義のあることだと思っています。
今回の大臣会合で議論したい内容についてちょっと触れます。
1点目は、日中韓三国相互の交流拡大です。
日中韓三国間の人的交流の規模は、大臣会合の始まった2006年には1384万人でしたが、昨年2014年には、約1.5倍の2047万人になりまして、初めて2000万人を超えました。
今後、更に拡大することが見込まれています。
一方で、日本から中国、韓国への旅行者は減少傾向にこのところありますので、こうした状況を踏まえまして、双方向の交流拡大について議論をしていきたいと思っています。
2点目は、欧米をはじめとする東アジア域外からの日中韓三国への旅行者の増加方策です。
前回の第6回会合が2011年5月に開催されましたが、その後、2018年の平昌冬季五輪が決まりまして、また、2020年東京夏季オリンピック・パラリンピックの開催がそれぞれ決定されました。
まさに、世界の観光デスティネーションとして、東アジアを世界中に印象付ける絶好の機会と捉えております。
こうした契機を捉えまして、欧米等からの旅行者を三カ国に誘致するための方策について議論をしたいと思っております。
3点目は、観光交流におきましての質の向上ということです。
各国の生活習慣等の違いに起因するトラブルへの対応ということや、あるいは旅行者への安全の確保ということなど、観光交流の質を向上させるということが極めて大事で、旅行者の満足度を高めるための方策について議論いたします。
これらの論点について、日中・日韓のバイ会談も活用しながら詰めた議論を行うことによりまして、三カ国の観光交流がますます拡大するということを願っているところでございます。
(問)昨日、平成27年度予算が成立しましたが、大臣の所感と今後の国交省として執行方針等について聞かせてください。
(答)昨日、平成27年度予算が成立いたしました。
国交省関係の予算につきましては、厳しい財政状況ではありますけれども、優先的に取り組むべき課題に対応するために必要な額を確保したと思います。
このうち、公共事業関係費につきましては、昨年とほぼ横ばいの水準となっています。
内容的には4分野に重点化をしています。
具体的には、1つは、東日本大震災からの復興加速、そして2つ目には、国民の安全・安心の確保、ハード・ソフト総動員した防災・減災対策、あるいは高度成長期以降に整備されたインフラの老朽化対策ということになります。
それから3つ目には地域の活性化、地域の観光や産業の振興、あるいは「コンパクト+ネットワーク」というグランドデザインの具体化ということへの歩みです。
それから、もう1つ、成長戦略の具体化ということで、国際競争力の強化に必要な基盤・環境の整備、あるいは観光立国の推進、こうしたことに取り組むことにしています。
大事なことは補正予算も、今努力をしているということですが、着実な執行を図るということだと思います。
これらの施策を発展させるとともに、この経済の好循環を確かなものとするように努めて参りたいと思いますし、今、4つ申し上げましたが安全・安心等にもしっかり対応していきたいと思っております。

(問)MRJですが、初飛行が先延びになるのではないかという話が出ております。
大臣のご所見をいただいてもよろしいでしょうか。
(答)MRJの開発状況につきましては、今日の午後に三菱航空機より報道関係者に対して説明をされると聞いております。
現段階で、国交省としては、コメントを差し控えて、まずは三菱航空機の説明を注視したいと思います。
国交省としては、設計・製造国政府としての責務を果たすために、引き続きMRJに対する安全性審査を適切かつ円滑に進めて参りたいとこのように思っております。

(問)今日、日経平均株価が2万円に到達しまして、これについてお伺いします。
地価の状況も含めて、今マーケットの状況がかなりバブル的になっているような見方もありますが、大臣のご所感をお願いします。
(答)株価自体の問題については、色んな状況もありますし、また政府の一員としてこれにコメントすることはむしろ避けたいと思います。
ご指摘の国交省関係ということで言えば、地価というご指摘がありましたが、地価の動向を見ましても、地域によって色々違い、また今年1月1日の状況を見ますと、金沢とか、あるいはまた被災地とか、一つ一つよく状況がわかっているという状況にもございまして、それほどバブルというような状況ではなく、昨年の9月に公表した都道府県地価調査と同様の傾向だと認識しています。
地価(の上昇)については低金利を背景として、高い不動産投資意欲や景気の緩やかな回復基調が続いているということなどに(原因が)あると思いまして、実体経済と連動した適度な地価の上昇によって、土地取引の活発化、あるいはデフレ脱却、こうしたことにつながるということを期待しています。バブルという判断は今のところ全くしておりません。

(問)天皇皇后両陛下のパラオ訪問に関連して、今回海上保安庁の巡視船が宿泊場所に使われて、またヘリコプターが使われて、これがなければ今回の訪問が実現しなかったと言われておりますが、これに関する巡視船が使われたということに関する所感と、今尖閣を中心に非常に運用が厳しいと言われている中で、今回の派遣が(運用に)影響がないのか、また今後どのよう運用が行われることがあるのか、その2点についてお願いします。
(答)天皇皇后両陛下が、先の大戦でお亡くなりになりました人々を慰霊し、平和を祈念するため、パラオ国をご訪問なされ、その日程をつつがなく過ごされたことは何よりと考えています。
海上保安庁からは、両陛下が巡視船あきつしまにご宿泊されるにあたりまして、事前の準備を十分に行い、適切に業務を遂行したという報告を受けています。
また、両陛下からは、対応した海上保安庁職員に対しまして、激励と労いのお言葉があったと聞いているところです。
この両陛下のパラオ共和国ご訪問に際しまして、現地における移動等に、海上保安庁の巡視船等を使用することについて、宮内庁から海上保安庁に対しまして、協力の要請がございました。
これを受けたということでございます。
海上保安庁ではこの要請を受けまして、他の業務に支障が生じないよう運用調整を行っておりまして、巡視船等をパラオ共和国に派遣したとの報告を受けているところです。
海上保安庁の業務は増大をしているところではありますが、今後とも個別具体の状況に応じて調整をしながら検討していくものと考えています。

(問)日中韓観光大臣会合についてお伺いします。
先程、外交上という意味でも意義があるというお話がありました。
一方で、日本から中国や韓国へ行く人たちが減少をしていて、その背景として円安もあると思いますが、外交関係ということも非常にあると思います。
そのあたりの外交関係の改善に向けた取り組みということも今回の会合では議論となっていくのでしょうか。
(答)ここはおそらく議論にならないと思います。
と申しますのは、昨年の4月、あるいは6月、そして11月、私の方から出向きまして、特に中国に対しては、6月に私が行ったときは、北京に閣僚として安倍内閣で入った一番最初でございました。
そうした3回、私自身が昨年行った状況では、そうしたいわゆる外交関係ということの論議になりませんでした。
そうしたことがそのまま続いて、一番の課題の一つは相互の交流の促進だと思います。
先ほど3つ大きな論点を申し上げましたが、そこに議論は集中すると思います。
5月には二階先生等が3,000名の方を率いて中国に行かれるということや、同じ二階先生ということであれば、2月には韓国へ行ったということを始めとして、具体的には観光交流がちょっと減少気味に日本からあるわけですが、そこのところは、それぞれ要因があろうかと思います。
例えば北京に万里の長城とか故宮とか、最も重要なところと思われたところは、案外日本の観光客は既に行ったことがあるという段階に来たのではないかと思います。
こういう点では、中国全体には大変素晴らしい観光地というか歴史というものが詰まっていると思いますから、それぞれ中国と韓国ということについて、日本としてどのようにしていくのかということについては、お互いにそれぞれこういうことはどうだということを話し合って三国間の交流が促進され、またこの三国だけでない、二番目の論点で申し上げましたが、大きく世界の人を三カ国にあるいは東アジアに呼び込んでいくようなことを話し合いたいと思っております。

(問)先週、文部科学省で学習指導要領を高校生中学生に発表されまして、その中で尖閣諸島については我が国固有の領土であり、また、現に我が国がこれを有効に支配しており、問題となる領有権というのは存在しないという発表をされまして、これを中学校、高等学校の生徒たちに今から学習指導要領として徹底されるということを発表されました。
しかし、ちょうどこの尖閣の国有化、領有権に関して元東京都知事の石原慎太郎さんがおられたときから会見に出席しながらいつも質問してきたのですけども、明治24年かそこらから日本で国有化されたという問題ですけれども、昭和20年の日本が無条件降伏したときに、ドイツの郊外で行われた戦勝国5カ国が集まったポツダム会談で、東ドイツはソ連に割譲されたときに、奄美大島と琉球いわゆる沖縄は米国に割譲されたんです。
それ以来、明治から日本に国有化されているのはそこで切れてしまって、昭和20年以降は尖閣、沖縄又は奄美は日本の領土ではないという時代がずっと続いていた訳なんです。
現に私ちょうどここに今日持ってきましたけれども、1972年の沖縄返還の1~2日前に沖縄に旅行したときに総理府から発行されました身分証明書を今持っておりますが、これは琉球政府となっております。
ですからさっきお話した国有化の尖閣の領有権の問題は間違っているのではないかと思うのですが、そのあたりどういうふうに思ってますでしょうか。
(答)私は現在の政府見解というものが、日本の公式見解として正しいとこういう認識をしているところで、それは今まで国会やあるいは政府自身が発表してきたことは公式通りの表明をしているということに間違いはないと思っております。
(問)ポツダム宣言についてはご存じでしょうか。
(答)当然知ってますが、それらも含めまして現在政府が見解を出していることが政府としては公式なものであり、正しい見解だという立場を政府は今とっているということだと思います。

(問)今の質問とは関連ありませんが、昨日の参議院の予算委員会で国立大学での国旗掲揚と国歌斉唱に関して安倍首相が実施されるべきであるという認識を示されましたけれども、これに関して大臣のご見解はいかがでしょうか。
(答)これは文部科学省が中心となって判断されるべき問題であると思います。

ページの先頭に戻る