大臣会見

太田大臣会見要旨

2015年9月18日(金) 10:06 ~ 10:19
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、1点、御報告いたします。
本日の閣議で、第4次社会資本整備重点計画が閣議決定されました。
「国土のグランドデザイン2050」、あるいは「国土形成計画」の実現に向けて、平成32年度、2020年度までの社会資本整備の基本的な方向性を新たに定めたものです。
計画の内容につきましては、後ほど事務方から説明させます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)社会資本整備重点計画ですが、狙いと、もう少し大臣の所感をお聞かせください。
(答)今、申し上げましたが、新たな社会資本整備重点計画は、「国土のグランドデザイン2050」、そして「国土形成計画」、この実現に向けて、「国土のグランドデザイン2050」がまさに2050年、そして「国土形成計画」は、その中の10年、そして、この社会資本整備ということについて、平成32年度までの概ね5年間の社会資本整備の基本的な方向性を定めるものです。
かつては、道路や港湾など分野別に事業費総額を明らかにした五箇年計画、五計というものがありました。
平成15年以降は、施策や事業の達成目標を成果指標として掲げる社会資本整備重点計画を策定しており、今回が第4次の計画となります。
今回の計画の特長としては3点ございます。
まず、厳しい財政制約の中で、社会資本のストック効果の最大化を図ることが大事だということで、これを基本理念としています。
そのため、「既存施設の有効活用」、賢く使う、ということです。
あるいは、「集約・再編」、こうしたことを進めながら、ストック効果の高い事業に「集中と選択」を徹底していくということです。
具体的には、例えば、局地化・集中化・激甚化している雨の降り方に対応し、最大クラスの洪水・内水等に対応したハザードマップを全ての市区町村で策定する。
あるいは、我が国の国際競争力を強化するため、三大都市圏環状道路整備率を現在の約68%から約80%に引き上げることなどを目標にしているところです。
第2点目として、今回初めて、社会資本整備を支える現場の担い手・技能人材の安定的な確保・育成を位置付けました。
具体的には、平成29年度を目途に社会保険等への加入率を100%にするという目標を掲げました。
また、建設業で働く女性を5年で倍増することを目指して、様々な環境整備を進めてまいります。
第3点目は、安定的・持続的な公共投資の見通しの確保が極めて重要であることを打ち出したことです。
今後は、この計画に沿って、社会資本整備を計画的、重点的に進めてまいりたいと、このように考えています。

(問)安保法案が昨日、参議院の特別委員会で可決されました。その過程でいろんな混乱もあったようですが、大臣の御所見をお願いします。
(答)ここは、現在審議中でありますから、私としてはコメントは差し控えたいと思います。

(問)豪雨災害から1週間が経ちました。
週末にはまた天候の悪化も予測されるわけですけれども、現在の復旧状況と今後の対策についてお願いします。
(答)国交省では、今回の豪雨による被害が発生した直後から、リエゾンのべ197人、TEC-FORCEのべ1,491人、災害対策用機械最大174台を派遣しました。
そして、浸水箇所の排水作業、堤防決壊箇所の応急復旧、放置車両の移動や側溝の清掃等、被災自治体の支援等について、24時間体制で継続してきたところです。
鬼怒川の排水作業については、昨日、宅地や公共施設の浸水が概ね解消されました。
田畑等については水が浸かっているところがあるわけですが、宅地や公共施設の浸水については概ね解消というところまできました。
現在、昨日からの降雨の影響も含め、浸水状況を確認しております。
また、側溝等に昨日雨が降ったが、それが流れないということで溜まっているという状況もあり、側溝等に土砂やガレキが詰まって排水の支障となっている箇所がありますので、それらの撤去作業を継続してまいりたいと思います。
堤防についてですが、決壊した堤防の締め切り作業については、16日に仮堤防が完成しました。
現在、仮堤防を補強するブロックをそこの上に乗せて強化をしていますが、これが7割進捗しているという状況です。
また、本日午後から、矢板による補強工事に着手します。
これは、仮堤防、そしてその護岸を強化するとともに、その川側の方に矢板を打つということで、二重に締め切るということですが、この矢板による補強工事に今日から着手をすると、そして、来週中にはすべて完了するということを目標にしてやりたいと思います。
引き続き、被災自治体の支援要望をよく聴き、被災地の復旧・復興に向けた支援を急ぎたいと、このように考えています。

(問)昨日、成田空港に関して四者協議が行われたのですけれども、その御所感と、今後どのような議論を期待するのかお聞かせください。
(答)昨日、成田空港の更なる機能強化について検討を行うため、千葉県知事、関係する市と町の首長、成田空港会社社長及び国土交通省航空局長による四者協議会が開催されました。
国としては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会後も見据え、むしろ後ということだと思いますが、訪日外国人の増大等に対応するために、第三滑走路の整備を始めとする成田空港の更なる機能強化が必要であると認識しています。
一方で、この件につきましては、環境問題のほかに、周辺地域のまちづくり等にも密接な関係を有する問題でありまして、その実現のためには、地元の全面的な御協力を頂くことが不可欠です。
今般、四者協議会での検討が開始されましたので、まずは、地元自治体とともに課題を整理して、具体化に向けた検討に取り組んでまいりたいと思っています。

(問)16日に北海道新幹線の運行概要が発表されました。
大臣の受け止め、期待等あれば教えてください。
後、東京-新函館北斗間について、与党の方で3時間台での走行を求めているわけなんですけれども、これについての大臣のお考えもお聞かせください。
(答)北海道新幹線が、風光明媚で観光資源も豊富な函館北斗まで開業することにより、観光やビジネスなどに人の交流が拡大するということです。
非常に大きな期待感を持っています。
特に、関東以北の地域からは大きな時間短縮効果が見込まれて、地元でも大きな期待が寄せられていると承知しています。
このような北海道新幹線につきましては、9月16日に、開業日を3月26日とする、そして、東京と新函館北斗間を10往復することなどがJR北海道及びJR東日本から示されたところです。
国交省としましても、この開業に向けて、着実に整備を進めていく所存です。
期待しているところです。
そして、所要時間という話がありましたが、まずは、開業に向けた事前の準備がしっかりと行われて、大事なことは、無事に3月26日の開業日を迎えることが重要だと考えています。
所要時間については、現在、訓練運転等が行われておりまして、運行ダイヤと併せて、今後設定される予定だと聞いているところです。

(問)安保関連法案の関係ですが、反対の世論がかなり大きい状況なのですが、反対の声を挙げる方の中には、平和を党是として掲げる公明党にブレーキ役となってくれることを期待する考えの方もいるようです。
改めて公明党御出身の閣僚のお立場として、昨日、強行採決がされていること、この後、参議院本会議にかけられる予定のようですけれども、この流れについての御所感を今一度いただいてよろしいでしょうか。
(答)昨年7月の閣議決定、そして今日に至るまで長い時間をかけて自民党と公明党との自公協議を経て、そして合意の下に法案ができあがっていると思っています。
私は今、党を代表する立場でもありませんし、また、国交大臣という立場で、それ以上申し上げることはありませんが、十分な協議を経て、公明党はいい役割を果たしてきたということの一つの合意形成だと思っています。

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