大臣会見

石井大臣会見要旨

2015年12月1日(火) 10:32 ~ 10:52
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
以上です。

質疑応答

(問)先週27日の閣議で、総理から補正予算案の編成指示が出ました。
国土交通省としては、どのような政策へ重点的な要求をするおつもりか教えてください。
(答)先月27日の閣議において、総理から、平成27年度補正予算編成についての指示がございました。
具体的には、一億総活躍国民会議の「緊急に実施すべき対策」及び「TPP関連政策大綱」に盛り込まれた施策のほか、災害復旧その他緊急に必要な対応を行うこととなります。
これを踏まえ、国土交通省としては、政府全体の方針に従って、現在、補正予算の具体的な内容を検討しているところでございますが、例えば、本年9月に発生しました関東・東北豪雨を踏まえた災害復旧等については、速やかに対応していく必要があると考えています。
また、一億総活躍国民会議のとりまとめにおいて、特に緊急対応すべきとされた三世代同居・近居やサービス付き高齢者向け住宅に関する施策についても対応を検討しております。
国土交通省としましては、これらの施策を含め、具体的な検討を進めていきたいと考えております。
(問)関連の質問になってしまうかもしれませんが、昨日、社会資本整備審議会の河川分科会小委員会において、ソフト対策を中心とした治水の答申が出されました。
これを受けて、今後、国交省として実際に作業といいますか、対策を打っていくわけですが、そのプロセスについて教えてください。
(答)昨日開催された委員会におきましては、社会全体で洪水氾濫に備える水防災意識社会を構築すべきとの答申案が出されました。
具体的には、ソフト対策については、例えばスマートフォン等により洪水予報の提供を行うなど、より実効性のある住民目線の対策に転換していく。
またハードの対策については、従来の洪水を河川内で安全に流す対策に加えて、氾濫した場合においても被害を軽減する。
あるいは避難の時間を従来より稼げるという危機管理型のハード対策を導入していくことがポイントだと認識してございます。
今回の鬼怒川のような災害は、他の大河川でも起こり得ますので、速やかに正式な答申をとりまとめていただくようお願いしているところです。
国土交通省としましては、スピード感をもって、大洪水に備えるソフト・ハード対策を推進してまいりたいと思っております。
また、補正予算の絡みについては、今回の答申の内容も念頭に置きながら、今後具体的に検討していきたいと思っています。

(問)マンションのくい問題について教えてください。
先週金曜日、コンクリートパイル建設技術協会が自主点検の結果を報告して、旭化成建材の他に6社で流用が確認されました。
まず、このことの受け止めが一つ。
それから、流用は業界で広く行われていたという認識なのかというこの点を一つ。
そして省としての今後の対応をお願いします。
(答)先月27日にコンクリートパイル建設技術協会からの報告によりまして、旭化成建材以外の協会会員企業40社のうち、6社22件において、データ流用が行われていたことが明らかになりました。
このように複数の会社において、複数の担当者が関わってデータ流用が行われていたことは甚だ遺憾だと思ってございます。
今回の業界大手を始め、複数の会社において、データ流用が行われておりましたので、やはり業界において広くデータ流用が行われていたと言わざるを得ないと思っております。
今回の業界の実態の把握を踏まえて、対策委員会における再発防止策の検討を一層加速させ、年内の中間とりまとめへとつなげていきたいと考えております。
(問)昨日、11月中を目途に、流用が先行して判明していた物件の安全性を調べるというお話をされていらっしゃいました。
こちらについては、調査の進捗状況はいかがでしょうか。
(答)今、御指摘のございました82件、これは横浜市のマンションのくい基礎の担当者が関与した物件、また地方公共団体の調査で先行してデータ流用が明らかになった物件、合計82件でございますけれども、これについては先行して調査を進めております。
まずは、目視等の調査によっては、横浜市のマンションの1件を除いて問題がないということは、11月25日の対策委員会において報告したところでございます。
また、この委員会において、くいが支持層に到達しているかどうかの確認方法について御承認いただきましたので、建築物の安全性については、その方法を参考に、今確認を進めているところです。
82件の調査状況ですが、昨日時点での地方公共団体からの報告によりますと、元のデータが見つかって、支持層にくいが到達していることが確認できたものが1件ございます。
それから、くいの深さではなく、セメントミルクの注入量のみのデータ流用が14件あるのですが、これは確認方法の検討を別途行っていますので、これについてはもう少し時間がかかると思います。
これを除いた67件のうち56件については、施工記録等の確認により、くいが支持層に到達していると判断できるのではないかということで、現在、内容を精査しているところでございます。
残りの11件については、今後ボーリング調査等を行う予定でございます。
施工記録の確認により精査中である56件については、地方公共団体が結果をとりまとめた上、今週中にも結果を公表したいと考えております。
(問)現時点で、明確に届いていないと確認された物件はあるのでしょうか。
(答)それはまだ報告はございません。

(問)横浜のマンションの件ですが、ここは唯一傾きもあるということですが、引き続き大臣の御所見としましては、ボーリング調査をしっかりやってここは調査をすべきだという認識でお変わりはないのかまずお聞きしたいのですが。
(答)これは目視で既に傾きがある状況ですから、安全性をきちんと確認しなければいけない。
安全性の確認というのが書面等でできればいいのですが、やはり現地をきちんと調査をせざるを得ないのではないかと思っております。
(問)ボーリングをする主体なのですが、元請けの三井住友建設さんがやるべきなのか、それとも旭化成建材さんがやるべきなのか、それとも協力してやるべきなのかというのはここの御所見はどういうふうにお考えですか。
(答)それぞれの施工会社の間でよく話し合いをして、やっていただきたいと思います。
私どもとして誰がやるべきだということを申し上げるつもりはございません。

(問)笹子トンネル事故から3年になるわけですが、道路行政に与えたインパクトを今どう思うか。
その老朽化対策など今の取り組みは十分かどうかを教えてください。
(答)中央自動車道笹子トンネルの事故から明日で3年を迎えます。
亡くなられた9名の方々に対して、改めてお悔やみを申し上げたいと思います。
ある意味、非常にショッキングな事故でした。
改めて、社会資本全般に対する老朽化対策をしっかりやらなければいけないという大きな警鐘になったのではないかと受け止めております。
省全体としては、平成25年をメンテナンス元年と位置付けまして、平成26年には、他の省に先駆けてインフラ長寿命化計画の行動計画を策定して、具体的な取組みを進めてまいりました。
特に道路の分野においては、平成25年に道路法を改正して、5年に一度の近接目視点検、近寄ってきちんと目で見て確認を行うことなど、道路管理者の義務を明確化しています。
更に平成26年に法改正をしまして、高速道路の老朽化対策として、大規模な更新事業、これは償還期間を延ばして、財源を確保して大規模な更新事業を新たに位置付け、着手してきたところです。
このように老朽化対策はかなり進めてきておりますので、今後も着実に進めていきたいと考えております。

(問)COPITA(コンクリートパイル建設技術協会)の調査の状況が先週発表した時点で、全体の十数%に留まっておりますが、今後、調査の進捗状況等について報告するよう指示をされる御予定はありますでしょうか。
(答)先月27日にコンクリートパイル建設技術協会からの自主点検の点検済件数2,800件余りのうち、データ流用があった件数について報告がありました。
残りの自主点検結果の報告等について、引き続き、コンクリートパイル建設技術協会と調整を行っていきたいと思っています。
(問)もう1点、COPITA(コンクリートパイル建設技術協会)にも関連しております三谷セキサンという会社がございますが、この会社が千葉県八千代市で行ったマンションのくい打ち施工の中で、くいの長さが足りないと管理組合側が八千代市に届けておりますが、この件は、データ偽装はまだ確認されておりませんが、くいが支持層に到達していない可能性が出てきたことについて、受け止めと今後の対応をお願いします。
(答)これについては、八千代市から11月20日に国土交通省住宅局建築指導課に対して報告がなされております。
それによれば、マンションの管理組合の方で、くいの施工状況について調査を行ったところ、駐車場棟の約20mの長さで設計されておりますくいの一部に、約10mの長さしか確認できないくいがあったということでございます。
これについては、現在、八千代市が関係者に施工の状況について報告を求めて調査しているところですので、国土交通省としては、八千代市において事実関係を適切に確認していただきますように依頼しているところです。

(問)航空の話ですが、日米交渉が久方振りに再開されます。
これに当たっての国交省のスタンスと大臣のお考えを教えてください。
(答)日米航空交渉は、12月2日から3日の日程で開催することになりました。
ワシントンDCで行います。
これは、羽田の昼間の時間帯の国際線の発着枠が2014年の春に増枠されて、実際にヨーロッパや東南アジアから多くの昼間便が運航を開始している中にあって、アメリカとの間では、まだ昼間便が実現されていないという状況がございます。
このため、従前より航空当局間で調整が進められてきたところでありますが、先日、アメリカのフォックス運輸長官が来日された際の会談、それから共同宣言を受けて今回協議を開催するということになったところでございます。
この問題が早期に解決されるように日米で協力して取り組んでいきたいと思っております。
(問)アメリカ側は今ある9より大きな枠の割り当てを求めていると思うのですが、それに関しては可能なのでしょうか。
(答)交渉中の案件ですので、具体的なお答えは差し控えたいと思っておりますけれども、いずれにしても早期解決を期待しているところでございます。

(問)マンション問題について、先週のコンクリートパイル建設技術協会の調査の中では、安全性に関する内容が無かったのですが、そこら辺について何か指示等は今後されますでしょうか。
(答)データ流用が行われた物件については、安全性を確認するように求めているところでございます。
(問)いつ頃までに報告するようにということでしょうか。
(答)いつ頃までというのは具体的に承知しておりません。

(問)11月27日に開かれた成田空港に関する四者協議会についてお伺いいたします。
空港会社の調査によると、第三滑走路についてはB滑走路の南側へ整備する案に、B滑走路の延伸については北側の延伸案が優位として、また、夜間飛行制限の緩和については、環境対策への十分な配慮が必要だと、慎重な検討が必要だという説明がありました。
国交省として、今回の調査結果に関する御見解と今後の進め方について御所見をお聞かせください。
(答)11月27日に開催されました成田空港に関する四者協議会においては、今、御指摘があったとおり、成田空港会社から、B滑走路を北側に延伸するとともに、その南側に第三滑走路を整備する案が配置上最も優位であるという説明がなされ、今後はこれをたたき台として、更に検討を深めるということが確認されました。
また、今回の会議におきまして、地域の騒音関係の住民団体等の御意見もお伺いしておりまして、環境対策等について、十分検討していくことも併せて確認されています。
国としましては、この会議の結果を踏まえまして、議論を丁寧に進め、地元にも十分な御理解を頂きながら、成田空港の更なる機能強化を実現していくことが重要であると考えております。

(問)JR北海道が先日、来年3月のダイヤ改正で利用の少ない普通列車について79本を減便にするとか、あるいは区間短縮するというような方針を発表しました。
減便対象の路線というのが、沿線自治体にすると57市町村が対象になるのですけれども、沿線の住民から利用がしにくくなるとか、路線廃止への布石ではないかという不安の声も出ているのですが、大臣としての今回の方針についての受け止めを教えていただけますか。
(答)今、御指摘のあったように、JR北海道から、来年3月のダイヤ改正に併せて普通列車79本の減便を検討していることを公表してございます。
JR北海道からは、車両の老朽化が著しい、その安全を確保しながら事業を続けて行くためには、列車の減便を進めざるを得ない状況であると。
これまで列車本数をほとんど見直していないため、列車あたりの利用人数も減少している状況であるというふうにお伺いしております。
いずれにいたしましても、JR北海道において、今回のダイヤ改正について、引き続き、沿線の方々に丁寧に説明していただきたいと考えております。

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