大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年4月22日(金) 8:48 ~ 8:58
衆議院分館第17委員室前
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から2点御報告がございます。
1点目は、平成28年熊本地震の被害状況と国土交通省の対応状況について御報告します。
熊本地震の発生から1週間が過ぎました。
熊本地震により、48名以上の方が亡くなられ、1,100名以上の方が負傷されました。
そのほか、熊本県によると、避難生活等における身体的負担による疾病により亡くなったと思われる方が10名とされています。
お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された方に心より御見舞い申し上げます。
被災地では、昨日昼前から激しい雨が降り、総雨量は熊本県、大分県で100mmを超えているところがあります。
現時点では、雨による大規模な土砂災害は確認されていませんが、引き続き土砂災害に注意が必要となっています。
交通インフラについては、地震発生後ピーク時には、高速道路、鉄道、空港の多くが通行止め又は運用休止となっていましたが、先日、高速道路について、九州自動車道の植木インターチェンジから益城熊本空港インターチェンジ間で物資輸送車両の通行を可能とし、福岡から熊本までの物流の大動脈が回復したのに加え、鉄道については、JR九州鹿児島線熊本駅から新八代駅間が運転再開し、福岡県から熊本県を経て、鹿児島県に至る鉄道網が確保されました。
また、熊本空港については、民間旅客便が19日に運航再開し、20日以降は通常の7割の50便程度が運航しています。
以上のように、交通インフラについては地震後1週間で復旧が順次進み、熊本への総合的なアクセスの改善が図られています。
さらに、九州新幹線については、昨日、新玉名から熊本間の復旧工事に着手し、本日にも終了の可能性があり、早ければ明日にも、博多から熊本間の試験走行が行われる見込みとなっています。
また、本日から熊本から島原のフェリー運航を開始しております。
来週前半には、九州自動車道の八代インターチェンジから嘉島ジャンクションまで33Kmが一般開放となり、九州の南側から熊本への大動脈が回復の見込みとなっております。
このように、交通インフラについて、早急に復旧を進め、さらなるアクセス改善に努めてまいります。
一方、被災地では、現在でも約10万人の方が避難しており、避難所での不自由な生活等による影響でお亡くなりになられる方も出るなど、二次的避難場所と応急的な住まいの確保が急務となっています。
このため、二次的避難場所の確保として、九州全域の旅館、ホテルへの被災者の受入を全旅連等に要請し、昨日より、熊本県内において高齢者、体調の悪い方等を中心に、順次受入を開始したところです。
応急的な住まいの確保については、被災建築物の応急危険度判定について、熊本県では、地元からの増員要請に応じて判定士を順次増員し、23日以降、600名に増員の予定です。
公営住宅については、熊本県及び熊本市において320戸の提供を発表し、URでは、367戸を確保し提供を開始しております。
このほか、リエゾン61名を2県13市町村等に派遣し、被災自治体において情報収集や支援ニーズの把握を積極的に行っております。
また、テックフォース(緊急災害対策派遣隊)等を北海道から沖縄まで全ての地方整備局等から434名を派遣し、ドローンや無人施工機械等を活用しながら、自治体所管施設の被害状況調査の代行、救援ルートの確保、1,100カ所の土砂災害危険箇所の点検など、全力で被災自治体の支援に取り組んでいるところであります。
今後も、国土交通省といたしまして、被災状況の把握、救命・救難、被災地の復旧に全力で取り組んでまいります。
2点目は、三菱自動車工業の燃費試験における不正行為について、御報告いたします。
一昨日、三菱自動車工業は、型式指定の取得の際、実際より燃費を良く見せるため、燃費試験に際し提出を求めている走行抵抗値を不正に操作して国土交通省に提出していたことを発表しました。
本件は、自動車の燃費の試験に用いるデータを恣意的に改ざんしたもので、我が国の自動車業界に対する社会的な信頼を失墜させかねないものであり、極めて深刻な問題でございます。
三菱自動車工業においては、平成12年及び16年にリコール隠しが発覚したほか、平成20年から24年にかけては、リコールの実施が大幅に遅れるなど、度重なる不正行為等が指摘されてきたところです。
このような経緯にも関わらず、今回再び不正行為が行われていたことについては、同社のコンプライアンスに対する基本的な姿勢に疑問を持たざるを得ず、極めて遺憾であります。
国土交通省としては、一昨日、同社に対して、今回の不正行為の詳細について、来週27日までに報告するよう文書で指示するとともに、一昨日、昨日、また本日と、名古屋製作所・技術センターに対して立入検査を実施しているところです。
三菱自動車工業には、過去の過ちを生かすことができず、このような不正行為を再び引き起こし、我が国が長年積み上げてきた日本ブランドに対する信頼・信用を失墜させ、ユーザーに対しても多大な迷惑をかけていることについて、猛省を促したいと思います。
その上で、今回の不正行為の全容を解明し、責任を明確にした上で、二度とこのような事態が生じないようにするためにあるべき方策について、真剣に検討すべきと考えております。
国土交通省としましても今後、このような不正行為が二度と行われることがないよう、検査の見直し等、必要な方策を速やかに検討していく所存です。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)検査方法の見直しということですけど、どういったところに課題があり、どのような方向性に見直すのかというところと、昨日までの立ち入り検査でわかったことがあれば教えてください。
(答)今回の不正事案によりまして、走向抵抗値がメーカーから提出されていたわけですが、それを信頼して、台車走行試験等行ってきたわけですが、その信頼が失われたということで、そういった点も踏まえて、また、三菱自動車からの報告も踏まえて、今後、検査方法の見直し等行っていきたいと思います。
(問)昨日までの立入検査でわかったことがあれば教えて下さい。
(答)まだ検査中でありますので、本日も引き続き実施をする予定でございます。
今は、三菱自動車が実施をした走行抵抗に関する実測値の確認など、不正行為の内容や不正に至った経緯等を確認しているところでございます。
(問)ユーザーに対する対応はどのようにお考えですか。
例えば、買い取りとか補償については、まだ三菱自動車は何も言及しておりませんが。
(答)ユーザーに対しても誠実に対応していただきたいと思っています。
(問)買い取りとかはいかがでしょうか。
(答)それも含めて誠実に対応していただきたいと思っております。
(問)立入検査はいつぐらいまで行う予定でしょうか。
(答)まだ決まっておりません。
先ほど申し上げた不正行為の内容、不正行為に至った経緯等をしっかり確認できるまで行いたいと思います。
(問)4車種以外に拡がるというのはあるのでしょうか。
(答)それも含めて27日に報告するように指示をしているところでございます。
(問)エコカー減税について、今回の事案が影響するのではないかという話がありますけれども、そのあたり政府としての対応はいかがでしょうか。
(答)それも今後の課題かと思いますが、その可能性はあると思っております。
(問)その場合、返還というか請求するということでしょうか。
(答)そういったことについても今後検討されると思います。

(問)九州新幹線の損傷の程度に比べて復旧のテンポがかなり早い印象を受けるのですが、いわずもがなですが、安全性の確保については国交省として十分に指導されているということでよろしいでしょうか。 
(答)博多-熊本間についても、まだ応急復旧です。
とりあえず列車が走れるようにということで、例えば防音柵等の復旧はまだこれからということで、とりあえず安全を確認しながら応急復旧を行っているという状況でございます。

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