大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年4月26日(火) 9:26 ~ 9:47
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、私の方から1点御報告がございます。
本日の閣議において、本年2月に合意された日米航空当局間協議の結果を確認するための日米間の書簡の交換について閣議決定されました。
これにより、米国時間26日、本件の書簡の交換が米国において行われます。
この結果、羽田空港の発着枠について、2016年10月末より、昼間の時間帯に日米双方1日5便ずつ、深夜早朝時間帯に日米双方1日1便ずつの運航を可能とすることが確定します。
これを受けて、本日、羽田空港国際線発着枠について、新たに昼間の時間帯1便及び深夜早朝時間帯1便を全日本空輸に配分することといたしました。
なお、既に配分済みの深夜早朝時間帯4便(全日本空輸2便、日本航空2便)は、昼間時間帯に移行いたします。
その結果、合計で全日本空輸4便、日本航空2便となります。
今回の配分により、羽田空港の昼間の時間帯に米国路線が就航することとなります。
この結果、従来はダイヤの都合上、実現が困難であった米国東海岸との路線が運航可能となり、羽田空港の航空ネットワークの一層の充実が実現されます。
これにより、利用者の皆さまの利便が大きく増進されるとともに、日米間のビジネス、観光交流が一層促進されるものと考えています。
詳細は後ほど、事務方より説明いたします。
このほか、私の方から3点御報告があります。
1点目は、平成28年熊本地震に関する国土交通省の対応状況について、御報告いたします。
昨日、熊本地震の激甚災害指定が閣議決定されました。
今回の激甚災害指定については、テックフォース(緊急災害対策派遣隊)等による被災自治体に代わる現地調査、航空写真を活用した被害状況の判読等が、激甚災害指定に係る所要期間の短縮に貢献しました。
交通インフラについては、九州自動車道の八代インターチェンジから嘉島ジャンクションまでの33kmを、本日、一般開放します。
また、復旧工事が順調に進めば、4月中に九州自動車道全線を一般開放する見込みであり、新幹線についても、数日中に全線で運転再開の見込みとなっております。
今月中に九州における交通の南北の大動脈が回復することとなります。
住環境については、二次避難場所の確保として、旅館、ホテルへの受け入れを順次開始しています。
また、応急的な住まいの確保等としても、被災建築物の応急危険度判定、被災された方の公営住宅への入居、応急仮設住宅の建設候補地の選定など、住まいの確保に向けた取り組みを進めています。
今後も国土交通省として、一日も早いインフラの復旧、住まいの確保など、被災地の復旧・復興に全力で取り組んでまいります。
詳細は事務方にお問い合わせください。
2点目は、北海道新幹線開業1か月の効果について申し上げます。
本日で北海道新幹線が開業してから1か月となります。
その間の実績や、開業効果について御紹介いたします。
1枚目の資料ですが、北海道新幹線開業後、22日まで4週間分の利用実績は、対前年比約2.0倍であり、ゴールデンウィークの予約状況も、21日時点で対前年比約2.5倍と好調です。
2枚目の資料は、北海道新幹線の開業効果の例です。
函館市内の観光施設の入込客数が増加しており、北海道新幹線を利用した旅行商品の開発も進んでおります。
また、新幹線開業にあわせた再開発の進展や、北海道と東北の銀行の連携、企業の北海道への進出も進んでおり、函館の有効求人倍率も改善しております。
今後とも、地元や関係者が一体となって利用促進に努めていただき、北海道新幹線が観光や交流の起爆剤となることを期待しております。
詳細は事務方にお問い合わせください。
3点目は、三菱自動車工業の燃費試験における不正行為について、御報告いたします。
先週20日、三菱自動車工業から、実際より燃費を良く見せるため、型式指定の燃費試験に際し提出を求めている走行抵抗値について不正行為を行っていたとの報告がありました。
本件は、自動車の燃費の試験に用いるデータを恣意的に改ざんしたものであり、我が国の自動車業界に対する信頼を傷つけるとともに、ユーザーにも大きな不信感を与え、ゆゆしき問題であると考えております。
三菱自動車工業に対しては、明日27日までに、今回の不正行為の詳細について報告するよう指示していたところ、同社より、本日中に報告するとの連絡があったと聞いております。
今後、この報告内容や、国土交通省が先週20日から22日まで行った立入検査の結果を総合し、本件の全容の解明に向け精査を行ってまいります。
さらに、今週28日、自動車局と独立行政法人自動車技術総合機構によるタスクフォースを設置し、走行抵抗値などの自動車メーカーから提出される数値に係る不正を防止するための具体的方策について、検討を開始することといたしました。
タスクフォースの詳細については、事務方にお問い合わせください。
本件は、極めて深刻な問題であり、今回の不正行為の全容を解明し、責任を明確にした上で、今後このような不正行為が二度と行われることがないよう、厳正に対処していく所存であります。
私からは以上です。

質疑応答

(問)三菱自動車の問題ですが、これまでの立入検査で判明したことを教えてください。
データの不正操作は4車種で変わらないでしょうか。
(答)国土交通省におきましては、先週20日から22日まで三菱自動車工業の名古屋製作所技術センターに対して立入検査を実施いたしました。
立入検査では、同社が実施した走行抵抗に関する実測値の確認など、不正行為の内容、不正に至った経緯等を確認いたしました。
立入検査で得られた情報につきましては、三菱自動車工業からの報告とあわせて精査を行い、その結果を踏まえ、厳正に対処してまいります。
立入検査の結果の概要につきましては、本日の三菱自動車工業からの報告内容も踏まえた上で、本日夕刻以降、事務方からご説明をさせていただきます。
また、検査方法の見直しにつきまして、先ほど申し上げたとおり、自動車局と独立行政法人自動車技術総合機構からなるタスクフォースにおいて速やかに検討してまいりたいと存じます。

(問)先ほどの羽田の枠の配分についてですが、新たに合意されて出てきた昼一枠、夜一枠、これがいずれも全日空に配分される理由について教えてください。
もうひとつは、日本航空が新規路線の就航に制限がかかって来年3月までというのがありますけど、仮に日本航空が新しい路線を昼間の枠を使って飛ばしたいというようなことが出てきた場合にどのように対応するか、その方針について教えてください。
(答)今回の発着枠の配分は、平成25年10月に行いました前回の羽田空港国際線発着枠の配分の考え方と同じ考え方によっていたしました。
我が国の航空業界における適切な競争基盤を確保することが、航空会社間の公平につながるという視点に立って決定したわけであります。
具体的には、いわゆる「8.10ペーパー(日本航空の企業再生への対応について)」に基づきまして、JALグループ中期経営計画の期間中、2016年度まで日本航空に対する公的支援によって航空会社間の競争環境が不適切に歪められていないか等を確認するために、路線計画について報告を求め、その状況を監視することとしているといった考え方に則って、決定したところでございます。
新規路線の開設につきましては「8.10ペーパー」の趣旨等を踏まえ、競争環境や再生プロセスに与える影響が大きいことから、慎重に判断することとしております。

(問)今回で傾斜配分は2回目になりますが、これで全日空が主張する公平な競争を阻害する要因はなくなったとお考えでしょうか。
(答)今回の配分でどれだけ格差是正がなされたかということでありますけども、日米路線は非常に経済的に価値が高い路線でございますので、今回の配分によって競争環境が不適切に歪められているおそれは一定程度払拭されるものと考えております。
(問)一定程度払拭というのは、1回目の時も同じ表現を航空局が使っておりまして、あまり進展していないと伺えますが。
(答)全面的に解消されたかというとそこまでではないと思いますが、一歩一歩払拭されているのではないかと思います。

(問)舛添都知事が外遊でファーストクラスに搭乗していたことが贅沢過ぎると話題となっております。
一方で国交省をはじめとする日本の政府の官僚がコスト削減を徹底するあまり、本邦航空会社を利用せずに、海外に行くケースが目立っております。
なるべく本邦航空会社を利用されたほうが私はよろしいかと思いますが、大臣の御所見と、国際会議の場で笑い話として、日本から多額の支援を受けている国のデリゲーションがビジネスクラスやファーストクラスで乗り付けている一方で、支援している国の日本政府のデリゲーションのトップでさえエコノミーで行っているという始末で、諸外国で笑い話にもなってるのですが、職場環境の改善という部分について御所見いただけますでしょうか。
(答)職場環境は、一般的にはなるべく改善をするに越したことはありませんけれども、一方で、我が国は多額の長期債務を抱え、財政健全化というのも非常に重要な課題でございます。
また、消費税も8%に続いて10%に引き上げる、そういった状況下にある。そういったことを考えると、なるべくやはり、経費を削減するということが私は重要ではないかと思います。

(問)高速道路について、九州中央自動車道の嘉島ジャンクションから東側、小池高山インターチェンジまでの通行止めの解除についての御見解はいかがでしょうか。
もう一点、九州新幹線の再開につきまして、早期復旧は望ましいですが、復旧箇所がたくさんあるという割には前倒し前倒しの傾向が見られまして、安全性は本当に大丈夫なのでしょうか。
その辺りに対する国交省としてのスタンスをお願いします。
(答)まず、九州中央自動車道ですね。
それは本日中に開通いたします。
八代インターチェンジ、嘉島ジャンクションの開通とあわせて開通いたします。
それから、新幹線につきましては、確かに復旧箇所は多いのですが、運行に支障があるかというと、必ずしもそうではないということで、運行に支障があるかないか、安全に運行できるかどうかということはきちんと確認をした上で、当然その安全性というのは十分に検証した上で、運行を再開するということでございます。
スピードも当面は本来のスピードまで上げられない、徐行する区間も出てくるかと思います。

(問)先ほどの日米路線の件ですが、日本航空の新規就航の制限についてですが、前回の考え方をそのまま当てはめると共同運航の実績がある路線については、新規就航にあたらないという考え方になると思いますが、今回もそうなるという理解でよろしいでしょうか。
(答)細かいことは事務方に聞いていただけますか。
恐縮です。
(問)つまり1社が先ほど大臣もおっしゃった経済的に価値の高い路線を独占することで消費者の利害というのは制限されてしまうと思うのですが、そうすると選挙で選ばれてそこにお出しになっている大臣の判断というのは大きいと思うのですが。
(答)基本的には先ほど申し上げた「8.10ペーパー」が2016年度迄はやるとなっていますので、「8.10ペーパー」に基づいて新規路線については慎重に判断するというのが原則です。
今おっしゃったような路線については、恐縮ですが、私は必ずしも詳細に承知をしていませんので、後ほど事務方にお聞きいただければと思います。
(問)関連ですが、その深夜・早朝の今ある4つの就航路線がそのまま昼間にスライドするというわけではないのでしょうか。
(答)枠がずれるということですので、路線はまた別の話です。
(問)一方、「8.10ペーパー」はわかるのですが、スロットはそのまま半永久的に傾斜されたままで続くわけです。
そこを踏まえて未だに2回の傾斜配分をしてもまだ阻害要因があるというのは、もう少し具体的に大臣のお考えとしていただきたいのですが。
(答)日本航空の再建につきましては、これまでも国会等でかなり議論をされてきたところでございますけど、やはり競争他者の意見を聞くことがなかった等々、競争環境のバランスを欠くような面があったのではないかということの上で判断をしているところです。
2回の傾斜配分でもなかなか全面的にそこのバランスを均衡させるところまでには至ってはいないのかという判断です。

(問)熊本の地震につきまして、仮設住宅や復興住宅の話がありましたけども、時期や規模など、取り組みの目標についてもう少し具体的にお願いします。
(答)復興住宅ですか。
(問)仮設住宅です。
(答)仮設住宅については、そもそも自治体からどれくらい必要なのかという要望がなければいけないのですが、当面は熊本県の地元の協会と全国のプレハブ建築協会あわせて3000戸分の資材は確保していると。
要請されれば、現地で用地が準備されていて、また電気や水道などの生活インフラがすぐ近くにあれば、用地が準備をされてから1か月でできる分としては、3000戸分ぐらいはあるということですが、それ以上にどれだけニーズがあるかというのは、これから地元の判断を受けて対応したいと思います。
それから今のはプレハブですが、さらにはみなし仮設があります。
これは空き家等の提供、あるいは公営住宅等の提供。公営住宅については、全国で9000戸分用意してございますので、そういったものも活用しながら対応していくことになると思います。
(問)入居期限についてはいかがでしょうか。
(答)期限ですか。
それはまだ入っていないのに期限も何もないということじゃないでしょうか。

(問)URの接待問題ですが、昨日、理事長から接待の内容について90万円、8回という説明があったのですが、受け止めについて教えてください。
(答)これは、極めて不適切な行為でありまして、国民の信頼を失うような事態が生じたことは大変遺憾であると思っています。

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