大臣会見

繰り上げ石井大臣会見要旨

2016年4月28日(木) 9:32 ~ 9:45
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から2点御報告があります。
1点目は、九州の高速道路の一般開放見通しについて、ご報告いたします。
九州自動車道の植木ICから嘉島JCTまでの区間23kmについて、一部速度規制を行いつつ明日29日、一般開放いたします。
これによりまして、九州自動車道が全通し、南北を連絡する大動脈が回復します。
大分自動車道の湯布院ICから日出JCTまでの区間17kmについては、並柳橋の損傷等が課題となっておりますが、応急復旧の工事が順調に進めば、ゴールデンウィーク明けの一般開放を見込んでいるところです。
1日も早い一般開放に向けまして、引き続き復旧工事を推進してまいります。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
また、私、明日明後日、29日・30日の日程で、熊本の被災地を訪問しまして、現場を視察するとともに、熊本県知事をはじめ、関係自治体の長の方々との意見交換や、避難所の訪問などを行ってまいります。
インフラ等の被災状況や復旧の状況等を、現地で確認するとともに、関係者や被災者の生の声をしっかりとお伺いして、今後の復旧・復興に向けた取組に反映できればと考えております。
視察行程の詳細は、追って発表いたします。
2点目は、三菱自動車工業の燃費試験における不正行為について、御報告いたします。
一昨日26日、三菱自動車工業から国土交通省に対しまして、燃費試験及び排出ガス試験に使用する走行抵抗値に関し、長年にわたり国が定めた方法以外の方法で測定を行っていたこと。
また、実測を行わず机上で計算していたこと。
さらには、データを改ざんしていたこと等について報告がありました。
このような不正行為は、国の自動車審査の信頼性を根本から損なうものであり、断じて許すことができないものです。
国土交通省としましては、まず、データの改ざん等があった軽自動車4車種について、本来の正しい方法により燃費値と排出ガス値を早急に測定・算定する必要があると考えています。
このため、5月2日より、独立行政法人自動車技術総合機構において、機構自ら走行抵抗値を測定した上で、燃費及び排出ガスの再試験を行うこととしました。
再試験の結果については、6月中に取りまとめ、公表することを予定しています。
なお、他の車種についても、この4車種に引き続き、再試験を行うことを予定しています。
詳細は、事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
私からは以上です。

質疑応答

(問)三菱自動車の件ですが、国土交通省は再報告を求めています。
報告が現段階でどこが不足しているとお考えでしょうか。
(答)一昨日ですね、三菱自動工業から国土交通省に対しまして軽自動車4車種の燃費試験におけるデータの改ざん等について報告がありましたが、この軽自動車4車種以外の車種についてのデータ改ざんの有無や、また長年に渡って法令に定められた測定方法によらなかったこと等についての経緯の詳細、また責任等の特定などまだ報告がなされていない内容がございますので、三菱自動車工業に対しまして軽自動車4車種以外の車種を含め、今回の不正行為の全容を解明し、5月11日迄に再度報告するよう指示をしたところです。

(問)他の車種についても再試験とありますが、今販売されている9車種についてという理解でよろしいでしょうか。
(答)まず、現在生産している9車種を中心に今後精査をしていきたいと思っています。
(問)現在販売している全車種についてということでしょうか。
(答)現在生産している9車種を中心に今後精査していきたいと思っています。
(問)改めて、今回国が本来はメーカーからこの走行抵抗値などを出すものだと思うのですが、国自らが測定に乗り出した理由についてお願いします。
(答)本来のメーカーから出された走行抵抗値を信頼をして、燃費あるいは排出ガス等の検査を行ってきたわけですが、三菱自動車工業については信頼を損なったわけですので、国自らが走行抵抗値をしっかりと測定して、燃費排ガスの値を再試験を行うということにしたところでございます。

(問)メーカー側のデータを信じる信じないということですけども、排ガス等だけではなく、車体の強度の数字とかも現状ではメーカーからの数字を基本鵜呑みにして信頼しているのですが、エンジンについて再試験をするということは、三菱をもはや信用していないわけで、他の三菱が出しているデータについても信憑性の云々があるのですが、その点についてはいかがでしょうか。
(答)まずは燃費関係のデータをしっかりと特定をしていきたいと思っていますが、懸念がある部分があれば、それは改めて調査をする必要があると思います。

(問)2点御質問します。
今回の検証をクリアすれば4車種は型式試験はいつ行うのでしょうか。
(答)今回の事案の全容が解明された上で判断をしていきたいと思っております。
(問)もう一点ですが、4車種の生産が今、現在販売中止されているのですが、それがクリア出来れば販売は再開されるのでしょうか。
(答)まずは、今回の検証をしっかりとやるということが前提ですが、その上で生産を再開するかどうかは、三菱自動車工業の判断になるかと思います。

(問)九州自動車道は、南北を連絡する大動脈の回復ということなんですが、あらゆる産業などにも好影響があるのかと思いますが、もう少しこの意義についてコメントをいただけますか。
(答)九州自動車道は九州新幹線と並んで九州の南北を縦断する大動脈の一つですから、これが一部速度規制を行いながらも全線一般開放するということは、今回の地震の復旧・復興に向けての大きな前進の足がかりになるもと思っております。
(問)明日以降視察されますけれども、どの辺に心を砕いて視察をされるおつもりでしょうか。
(答)被災地の住民、被災者の皆さま、首長の皆さんの直接お声をお伺いするとともに、被災の状況等も自分の目で確認をして、今後の復旧・復興のあり方に役立てていきたいと思っております。

(問)先ほど、5月11日までの全容を解明して報告というお話でしたが、三菱自動車は、内部調査委員会を立ち上げて弁護士による調査を始め3ヶ月を目途にというような発表をしてます。
そうなると、5月11日に責任の特定まで三菱自動車ができるとは思えないのですけれども、一方で、遅くなればなるほどユーザーへの影響が後回しになるのですが、大臣としては、内部委員会の結論を待つことなくすみやかに11日まで出せという御意向でしょうか。
(答)今回の不正行為の全容を解明し、5月11日までに報告するよう指示したところです。
三菱自動車工業の中における責任の取り方等については、また別途、社外の委員会等を活用して検討されるかと思いますが、まずは、不正の全容については、5月11ま日までに報告していただきたいと思っています。
(問)生産している車種を中心に検査をしていると思いますけれど、全て検査の終わる目途はいつぐらいになるのでしょうか。
(答)それは、これから始めますのでまだ現時点では目途は立っておりません。
まずは、旧車種もデータの不正があったかどうかということも確認した上でということです。
(問)国交省として、何らかの法令に違反しているかどうかという判断する目途というのはどういうタイミングなんでしょうか。
(答)少なくとも、前回の報告の中で、燃費については、省エネ法、排出ガスについては道路運送車両法に基づく告示によって、測定方法が決められている訳です。
それと、違う測定方法を行ったということは、少なくともこの省エネ法なり道路運送車両法には違反をしているものと考えております。

(問)地震の関連で、被害を受けたJR九州は株式上場を控えていて、国交省としてはその時期について2016年度中との目途を示されています。
今回の地震を受けて、この時期になんらかの検討はされているのでしょうか。
(答)JR九州の経営にどの程度影響を与えるかは、明らかになっておりませんので、今の段階では、上場への影響についてはまだ議論する段階ではないと思っております。

(問)先ほど、旧車種についても違反があったかどうか確認の上でと仰いましたが、国交省自ら再度立入りによって確認をするお考えでしょうか。
(答)まずは、5月11日の報告を受けて対応したいと思いますが、再度立入りするかどうかは、その報告の内容等を精査した上で考えたいと思います。
(問)旧車種についても走行抵抗の数値を取るということでしょうか。
(答)不正があればということです。
旧車種であっても不正があれば国自らが走行抵抗値を測定をしていくということでございます。

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