大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年6月17日(金) 9:51 ~ 10:10
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から2点御報告があります。
1点目は、女性ドライバー応援企業認定について申し上げます。
国土交通省においては、タクシー業界における女性活躍推進の観点から、今般「女性ドライバー応援企業認定制度」を創設することにしました。
現在、女性タクシードライバーの数は、全国で約6,900人、割合で言うと2.5%となっていますが、平成27年2月に閣議決定された「交通政策基本計画」においては、平成32年までに14,000人に倍増することを目標として掲げています。
今般の認定制度は、女性ドライバーの採用に向けた取組や、子育て中の女性が働き続けることのできる環境整備を行う事業者を認定し、PRすることを通じて、タクシー事業における女性の新規就労、定着を図ろうとするものです。
第一次認定は、来週20日の月曜日、277者を対象に実施する予定で、国土交通省正面玄関において、制度創設を記念して、代表の方に対して認定証の授与式を開催し、私から認定証を授与させていただく予定です。
また、次回の認定は8月1日に行い、その後、当面は2ヶ月毎に新規の認定を行っていく予定です。
この制度の実施は、政府が掲げる一億総活躍社会の実現にも資するものと考えており、引き続き、国土交通省の各分野を通じて、女性活躍推進について支援してまいりたいと考えております。
詳細は事務方にお問い合わせください。
2点目は、旅行会社の個人情報流出について申し上げます。
14日にJTBが、海外からの不正アクセスにより最大約793万人分の個人情報が流出した可能性がある旨を発表しました。
また、昨日は、第一種旅行業者である札幌通運より、不正アクセスによって顧客のクレジットカード情報等が流出し、不正利用があったことが発表されました。
このため、国土交通省としては、これらの旅行会社に対し、詳細な事実関係、サイバーセキュリティ確保のために講じてきた措置、今後の再発防止策等を今月24日までに報告するよう指示したところです。
旅行業界において個人情報の流出が相次いでいること、また、個人情報の流出の可能性が判明してから、顧客への通知や行政機関への報告が遅れるなどといった両旅行会社の事後の対応については問題があると考えております。
このため、私から観光庁に対して、次の指示を行ったところです。
第1に、観光庁と旅行業界が共同で情報共有会議を開催し、これらの事案について情報の共有を行うこと。
第2に、有識者検討会を立ち上げ、これらの事案について、問題点の検証と再発防止策を速やかに取りまとめること。
第3に、情報共有会議において、有識者検討会でまとめられた再発防止策について、周知徹底を図ること。
国土交通省としては、今回旅行業界で個人情報流出の事案が相次いだことを受け、国土交通省所管業界全体について、サイバーセキュリティ対策の強化を図っていくこととしております。
詳細については事務方に聞いていただければと思います。
私からは以上です。

質疑応答

(問)昨日、北海道で震度6弱の揺れを観測する地震がありましたが、被害の状況と国土交通省の対応をお願いします。
(答)昨日、6月16日14時21分頃、北海道内浦湾を震源とする最大震度6弱の地震が発生をいたしました。
現在までにインフラ関連では、道路・鉄道・空港・港湾はじめ、大きな被害の報告はありません。
人的被害につきましては、負傷者軽傷1名と報告を受けております。
負傷された方には御見舞いを申し上げたいと思います。
私からは昨日の国土交通省災害対策本部会議におきまして、省を挙げて災害への対応と被災地の支援に全力で取り組むよう指示をしました。
国土交通省では、函館市、北海道庁渡島総合振興局等に、北海道開発局、北海道運輸局のリエゾンを派遣いたしまして、被害情報の収集等にあたったところです。
引き続き、被災状況の把握等に取り組んでまいりたいと思います。

(問)熊本地震についてお訪ねします。
一昨日、被災地を視察された防災担当大臣が、落橋している阿蘇大橋を含め、一帯の復旧時期について、暫定的な目途を示すことができないか国土交通省と相談したいと。
また、昨日の災害対策本部会議でも同じ趣旨の御発言をされています。
これを受けた国土交通省の対応と、復旧の見通しをお願いします。
(答)河野大臣が現地を視察されたあと、「阿蘇大橋の復旧の目途を早く出せるよう国土交通省と相談したい」と発言されたということでありますが、発言の前後の脈略からいたしますと、阿蘇大橋を含む地区全体のことを念頭におかれて仰ったのではないかと思っております。
この阿蘇大橋地区につきましては、熊本と大分を結ぶ東西の大動脈が通りまして、阿蘇観光への玄関口になっておりますけれども、地震に伴う大規模な斜面崩壊の発生、それに伴う国道57号や国道325号、阿蘇大橋等の被害により通行ができない状況となっております。
被災地に希望を持っていただくために、河野大臣が復旧の見通しについて、地元にメッセージを出していただければ良いというふうに仰っている気持ちは良く理解ができます。
ただ、現場の状況を見ますと、非常に厳しい地形、土質の条件となっておりまして、少しでも早く技術的な課題を克服し、崩壊した斜面を安定化させた上で、その状況も踏まえて、道路・鉄道の復旧にどういった形で、いつ着手できるかということを検討していかなければならないのが現実でございますので、なるべく早く復旧の目途を出したいという気持ちは共有するのですが、とりあえず今は技術的な課題をしっかりと詰めて行かなければいけないという状況だと思っております。

(問)JTBの関連ですが、有識者検討会の立ち上げの御発言がありましたが、この時期は月内くらいが目途なのでしょうか。
(答)検討会自体は、来週中に設置しまして、24日までにJTB及び札幌通運から報告を受ける予定ですから、報告書提出後、速やかに第1回の会合を開催していきたいと考えております。
(問)今、大臣から、両旅行会社の事後対応に問題があるという御発言がありましたが、JTBは5月13日時点で不審なファイルがあったと把握したと思うのですが、大臣のお考えでは、その時点で相談すべきだったということでしょうか。
(答)JTBによれば、不正アクセスで流出した可能性のあるデータを復元した結果、個人情報が含まれていることを確認したのが5月13日であると伺っております。
JTBによりますと、5月13日以降も流出した個人情報の復元作業を続けて、流出の規模を把握しようとしていたということですが、個人情報の流出の可能性が確認された時点で、顧客への通知、対外的な公表を行うべきであったと考えておりますので、今回の対応については問題があったと考えております。
(問)昨日、訪日外国人観光客が1,000万人を超えまして、非常に早いペースであると思うのですが、こうした情報漏えいみたいなものがインバウンドにもたらす影響みたいなものは御懸念も含めて考えておりますでしょうか。
(答)直ちに、どれだけインバウンドに影響を与えるかはっきりしませんが、こうした事案が続くということになれば、一定の影響を与えることも懸念されますので、しっかりと再発防止策を講じていくことが重要だと思っております。
(問)昨日発覚した札幌通運の個人情報の漏えいについてですが、6月6日に、クレジットカードの不正利用があって被害が出ているとの報告を観光庁が受けていたそうなのですが、内部で情報が滞っていたということなのですが、こうした報告を受けた時に、役所としてどういう対応をしていくのかということも、見直すというか、考えていかなければならないと思ったのですが、そこら辺は有識者委員会を作られるとのことですが、御検討されるお考えはありますでしょうか。
(答)札幌通運の案件については、6月6日に、個人情報漏えいによるクレジットカードの被害の発生について、観光庁が報告を受けていたものと承知しておりますが、個人情報保護法に基づく札幌通運への報告の指示が、6月16日になって遅れたということについては、問題であると考えております。
こうした点を含めまして、今後設置します有識者検討会において、今般の事案の問題点の検証と再発防止策について、速やかに取りまとめていきたいと考えております。
(問)関連ですが、JTBの方に関しても観光庁に報告があったのが5月31日だった訳ですが、報告指示がその後になっていることは、同じように問題視されるお考えでしょうか。
(答)それも同様でございます。

(問)熊本地震の阿蘇大橋の関連ですが、河野大臣は、暫定でも構わないので見通しを出していただきたい、時期を示して欲しいと仰っていたと理解しているのですが、現段階ではできないということでしょうか。
(答)暫定の見通し、本格の見通しと言いますけれども、見通しを出すことについては、暫定であれなんであれ、相当な技術的な調査、検討をやらなければできないことでありますから、現時点ではなかなか直ちにというのは難しいということでございます。
なるべく早くという気持ちは共有していますので、我々もなるべく早くできるように技術的な課題を詰めていきたいと思っております。

(問)観光庁の対応の件で追加で御質問なんですけど、今、業者からの状況の把握から観光庁の具体的な指示までの対応にタイムラグがあったということはお認めになりましたが、これが起きたということについてはどのように受け止められますでしょうか。
また、どうあるべきだったとお考えでしょうか。
(答)そのことについては、先ほど申し上げたように問題があったと考えております。
なるべく早く役所内での情報を、本来は上に上げるべきであったと考えております。

(問)先週10日に、東京都庁の記者でもありますので、舛添都知事のほうに海外旅行で費やされたお金の件で質問しました。
この旅行会社が取り扱っているのはどの支店なのか、担当者は誰かと。
というのは250万円のファーストクラスの運賃のうち、実際に航空会社に払われたのが66万円で200万近くがキックバックという形で、旅行会社かもしかしたら舛添事務所に戻っているかもしれないというような質問をしたのですけど、それが縁で、その質問に共産党の方がやられる予定だったですが、それに至らずに辞任されましたけど、実はその航空会社の運賃なんですけど、今、国土交通省ではタクシーからバス、地下鉄から新幹線、国内航空運賃、全部運賃は認可制でやっておりますけど、国際航空運賃だけは何かこう全くざる法というか、昔は認可制だったですけど今は届出もなされていないというような状態なんですけど、やはりどこかで国土交通省は国際航空運賃についても、他の交通機関と同じように何かして行く必要があるんじゃないかと思いますがいかがでしょう。
(答)舛添さんの問題に関連して、国際航空運賃というのはあまりピンと来ないですが、それほど運賃料金制度に詳しいわけではないですが、課題があれば検討するということではないでしょうか。

(問)熊本地震、東日本大震災の発災を受けて、震災とか災害の対応に特化した省庁の新設を求める声もあるようですが、大臣自身どのようにお考えでしょうか。
(答)いろいろな御意見があろうかと思います。
従来からアメリカのFEMA(緊急事態管理庁)のような組織が必要ではないかという議論があるところはございますが、まだ政府全体として具体的に視野に入れて検討に入っているという状況ではないと承知しております。
いずれにいたしましても、そういう組織を作ることも重要ですけど、むしろ今回の熊本の対応見ても、今の組織でも十分できることはありますので、いかに組織をうまく動かしていくか、組織を作ればそれでいいというものではなく、いかに緊急時にうまく運営をしていくかということのほうが、より今日的な課題なのかなと思っております。

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