大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年8月3日(水) 20:18 ~ 20:40
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

引き続き国土交通大臣及び水循環政策担当大臣を務めさせていただくことになりました。
どうぞよろしくお願い致します。
私からは以上でございます。

質疑応答

(問)昼の会見では、様々な政策課題について、まだ道半ばの状況にあるということを仰ってましたが、今回再任するに当たりましての抱負をまずお聞かせ下さい。
(答)引き続き、国土交通省に係ります様々な課題に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
具体的には、東日本大震災からの復興・創生の加速化、また、熊本地震からの復旧・復興、防災・減災・老朽化対策、耐震化対策こういったもののほか、我が国の領土・領海の堅守など国民の皆様の安心・安全の確保に全力で取り組んでいきたいと思っております。
また、ストック効果を高める戦略的な社会資本整備や、新たな観光ビジョンに盛り込まれた施策の実施を通じました観光先進国への取組、こういったことをしっかり取り組んでいきたいと思っていますが、国土交通省ならではの現場力をしっかりと活かして、先頭に立って、課題に取り組んでいきたいと思っております。
中でも私は今年を生産性革命元年と打ち出しまして、省を挙げて生産性向上の取組を始めましたが、まだ緒についたばかりでございますので、引き続き、今後、i-Constructionの推進等、これまで打ち出してまいりましたプロジェクトの具体化を図るとともに、引き続き生産性向上の取組を進めていきたいと思っております。

(問)補職辞令も含めまして、総理からどのような指示を受けていらっしゃるのかお聞かせ下さい。
(答)総理からの御指示につきましては、まず国土強靱化の取組を進めて、その取組を地域経済発展の呼び水とするようにという御指示でございます。
特にリニア中央新幹線など地方を結ぶ交通網の整備に積極的に取り組んで、地方創生回廊を創り上げるようにという御指示をいただきました。
また、三世代の近居・同居を促進する住宅政策を検討し、実施するようにという御指示もいただいております。
また、観光振興につきまして、外国人観光客4,000万人の目標の実現を目指し、全国的な観光インフラの整備の強化を進めるようにという御指示もございました。
そのほか、航空輸送の安全・安定の確保、インフラ・システム輸出の体制の強化、海上保安体制の強化、領土・領海・領空の警戒警備、水循環に関する施策の推進について御指示がございました。
以上の御指示に基づきましてしっかりと取組を進めていきたいと考えております。

(問)北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、秋田沖に着弾しました。
これについて、海上保安庁からどのような報告があり、現時点でわかっていることについて教えて下さい。
(答)秋田県男鹿半島の西約280キロメートルの海上で、海上保安庁が漂流物を確認し、監視をするとともに、付近航行船舶に対し注意喚起を行っていると聞いております。
この漂流物がミサイルに関連するものかどうかにつきましては、関係省庁に情報提供して今確認を行っているところでございますので、詳細につきましては海上保安庁にお問い合わせいただきたいと思います。
(問)詳細をかなりしつこく聞いても何一つ教えてくれないので、大臣にお伺いしなければならないのですが、私の聞いている限り、午後4時現在で、海上保安庁の航空機によって何らかの画像が撮影されたと聞いているのですが、その画像の提供、国民の知る権利もあると思いますが、これについては民主党政権下で、一度動画が流出したこともあり、それ以降は国土交通大臣が判断しながら、画像・映像の提供をいただいているのですが、今回、大臣が御判断されて画像が提供されていないのでしょうか。
(答)海上保安庁が確認している漂流物について、それがミサイルに関連するものかどうかにつきましてはまだ不明でございます。
関係省庁に情報を提供して、漂流物の確認を行っているところですので、今は捜索活動中ということもありましてコメントは控えさせていただきたいと思います。
(問)海上保安官の安全に関わるものであったり、国の安全保障に関わるものであれば、大臣のお考えのように国民に伝えないという御判断もあると思います。
今回はなぜ我々に一切情報が公開されないのでしょうか。
(答)今申し上げたように、漂流物がミサイルに関係するものかどうか、その確認を関係省庁に情報提供した上で行っている段階ということで、コメントは控えさせていただきたいと思います。
(問)画像や動画、これは海上の事象についてはなかなか国民が知ることが難しい現場です。
だからこそなるだけ情報公開をしていただきたいのですが、是非情報公開を含めて御検討いただきたいと思います。
お願いします。
(答)捜索活動中です。

(問)昨年に就任した以降は、くい打ち問題とか三菱自動車の問題とか、結構色々問題が出たと思いますが、2期目に入ってそうしたことを振り返りながら、前向きにどう取り組まれていくのか、その点をお願いいたします。
(答)昨年就任以来、事件、事故、災害と続きまして、緊張の日々を送ってまいりましたが、ある意味で災害とか天災に類するものは、避けがたいこともありますので、そうしたことにしっかりと対応するということは、やはり引き続き重要であると思っています。
それ以外にも当然、先ほど申し上げたような様々な課題がありますので、まだ道半ばと先ほど申し上げたと思いますが、引き続きこの課題に全力で取り組んでいきたいと思います。

(問)経済対策が昨日閣議決定され、先ほど安倍首相からのお言葉の中にも交通網の整備というのが出てきたと思うのですが、リニアに関しては昨日の会見でも8年前倒しの話もありましたが、整備新幹線に関しては今言える範囲になるかと思いますが、経済対策どのように考えていらっしゃるでしょうか。
(答)整備新幹線につきましても、財投資金を活用して出来るだけ前倒しをするということで今、検討をさせていただいておりまして、建設を加速化していくと。
これはもともと将来の貸付資金を返済原資として、民間から資金を借りて建設すると。
民間から資金を借りる代わりに財投資金を提供することによって、将来の金利負担を縮減して整備新幹線の整備をより着実に行うということですが、これは引き続き今年度補正予算での実施に向けて、具体的な検討をこれから行ってまいりたいと思っています。
(問)具体的な路線や区間は、今言える範囲でイメージしているものはありますでしょうか。
(答)それはこれから補正予算での実施に向けて検討を進めていくという段階です。

(問)リニアの場合、JR東海は、財務の改善のためにあえて冷却期間を置いていたのを借金の負担を軽くすることでそこを短くするという方策で、建設を前倒しするわけですが、整備新幹線の場合、一概にお金が足りないから建設が前倒し出来ないというわけではないと思うのですが、それは土地の取得とか色々あると思うのですが、どのような手法で、どのような論理で前倒しは可能とお考えでしょうか。
(答)確かに整備新幹線の場合は、3つの路線について整備目標を掲げておりますが、どちらかと言うと事業費と言うよりは、物理的な工程ですね、長大なトンネルがあったり、あるいは橋梁があったりと、用地取得と構造物の建設といったところで、相当工期が定まっているというのは確かにございます。
ただ、一方でこの財投資金を活用することによって、先ほど申し上げたように民間から借り入れていた分を、財投資金、長期・固定・低利の資金を活用することによって、金利負担を軽減させるという、新たな、ある意味で財源を使うという、財源ができるということになりますので、それを活用して、一日でも早く前倒しをするということでございます。

(問)引き続き御就任おめでとうございます。
この機会ですので、熊本地震、東日本大震災からの復旧・復興についての現状認識と、どう取り組むのか。
それから観光政策の現状認識、それから受入体制の整備等にどう取り組んでいくのかというところをお聞かせください。
(答)まず、東日本大震災からの復旧・復興でございますが、今年の3月で丸5年が経過しまして、新たに復興・創生期間ということがスタートいたしました。
道路等の基幹インフラの復旧・復興は着実に進んでいると思っております。
特に、復興道路・復興支援道路と位置づけておりますが、これは被災地復興のリーディングプロジェクトとして着実に整備が進んでおりまして、引き続き早期整備に努めていきたいと思っています。
JR常磐線につきましては、今年の3月の時点でですね、2019年の末までに全線開通する目途を立てたところでございます。
住宅再建・まちづくりにつきましても、概ね県や市町村の計画に沿って着実に進めておりまして、例えば災害公営住宅につきましては、来年の春までに、計画の85%に当たる約25,000戸が完成する見込みでございます。
引き続き現場の課題に対してきめ細かく対応していきたいと思います。
更に、これは復興庁と連携をしているのですが、今年は「東北観光復興元年」。
こういうことで位置づけまして、今、全国的にはインバウンドの増加で各地が活性化していますが、まだ東北がその流れの中に少し置いていかれているという状況がございます。
国内外への東北のプロモーションに一層取り組む等、これまで以上に東北の観光復興に力を入れていきたいというふうに思っております。
ただ、まだ依然として多くの方々が不自由な生活を送ってらっしゃっておりますので、引き続き一刻も早い生活や、あるいは生業の再建ができるよう、全力で取り組んでいきたいと思っております。
また、熊本地震につきましては、これまでもさまざまな取組を行ってまいりました。
現在、応急仮設住宅につきましては、3,898戸着手いたしまして、2,871戸の整備が完了しております。
引き続き早期の整備に努めていきたいと思っています。
また、宅地の復旧・復興ですとか、熊本城の復旧、また、旅行需要の回復ということで「九州ふっこう割」等を進めておりまして、全体的には着実な取組を進めているところでございます。
それから、観光ですね。
観光につきましては、今年の春に設定をいたしました新たな観光ビジョン、この実現のため、引き続き政府一丸、官民一体となって観光ビジョンを着実に実行していくことによりまして、観光先進国の実現を目指していきたいというふうに考えております。
着実にインバウンドの数等も増加をしていくというふうに認識をしております。

(問)先ほどの質問と似てしまうのですが、引き続き大臣をお務めになるに当たって、石井大臣らしさと言うかですね、今後自らのカラーを出していくというお考えはありますでしょうか。
また、どういったカラーを出していきたいというふうにお考えでしょうか。
(答)私はあまり自分のカラーということにこだわる、何か特別カラーを出すというよりは、自分が課題に取り組む中で自ずから出てくるものだというふうに思っています。
ある意味で「生産性革命元年」というふうに打ち出したのも私のカラーの1つかもしれませんけれども、それはそういう必要があって打ち出していることであって、必要がないのに旗を掲げるというようなことはございません。
引き続き着実に課題に取り組んでいきたいと思っております。

(問)先ほどの整備新幹線のところでの確認ですけれども、整備新幹線に使う財投の規模としてはどれくらいのものを考えているかということと、あと前倒しというのは、北海道・九州・北陸の3区間についての前倒しを考えられているのかということを教えてください。
もう一つ、リニアについては実効性が乏しいのではないかという批判もあるのですが、つまり、経済効果が先のことなのでわからないのではないかという意見もありますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)整備新幹線に対する財投の規模や融資条件につきましては、関係者と今調整を進めている段階でございまして、これも今年度の補正予算の編成等の過程で詰めていきたいと思っておりますが、まずどこの路線に投入するかということも含めて具体的な中身については、今後詰めていきたいと思っておりますけれど、いずれにいたしましても1日も早い開業が可能となるよう最大限努力をするということでございます。
リニアにつきましては、先の話ではないかという御指摘もございます。
確かに今回リニアに財投を投入することによって、リニアの事業費がそれで増えるということではないのですが、名古屋から大阪の着手の期間が8年間前倒しをするということによりまして、やはり沿線の民間の投資がそれで誘発をしていくという効果を期待をいたしたいと思っております。

(問)地方創生回廊の言葉の意味なのですが、大臣自身はどのような意味として地方創生回廊という言葉をお使いになられているのでしょうか。
(答)確定した定義があるわけではないと思うのですが、新幹線や高速道路網の整備により高速交通ネットワークを整備することによって、それぞれの地域を活性化していく、地方創生に繋げていく、そういう意味で地方創生回廊というふうに私自身は捉えているところでございます。
(問)例えば、要望がある山陰新幹線とか四国新幹線とかも、今後、例えば整備に向けた行動をされていくというお考えでしょうか。
(答)新幹線については、当面まずはリニア中央新幹線は別にしまして、整備新幹線の3路線の今目標としている時期の整備に向けて全力を挙げているという段階でございます。
(問)山陰新幹線などについて、概算要求とかでも今現在お考えはないでしょうか。
(答)ございません。
今の整備新幹線の整備に、先ほども言いましたように財投等も活用して1日も早く整備ができるよう全力で投球している段階でございます。

(問)昨年9月に茨城県の常総市で水害被害があって、今、水防災意識社会ということで取り組まれていると思うのですけれども、改めて、再構築ビジョンの構築の現状認識と今後どのように取り組まれていくのかを教えてください。
(答)鬼怒川は私が住んでいる筑波市のすぐ近く、常総市は隣でございますから、大臣になる前も被災地を何回も視察をさせていただいておりますけれども、そこで地元の皆さんから聞いた言葉で1番印象的だったのが、「まさか鬼怒川が破堤するとは思わなかった。」という言葉でした。
水防災意識社会再構築ビジョンというのは、今の施設では守り切れない洪水というのが発生しうるもので、堤防をつくればそれで必ず大丈夫だということではなくて、当然堤防もしっかり作らなければいけませんが、やはり防災意識をもう一度高めていただいて、ソフトとハードを組み合わせてこの水害から生命・財産を守っていこうという取組が水防災意識社会再構築ビジョンということでございまして、鬼怒川につきましても、昨年の豪雨に耐えうるような河川整備はいたしますけれども、昨年の豪雨以上の雨がまた降る可能性もございますので、そういうことも踏まえてソフト対策もしっかりと充実させていくということで、着実に取組が進められているのではないかと思っております。

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