大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年8月5日(金) 11:02 ~ 11:15
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
以上です。

質疑応答

(問)本日から4日間の日程でタイとベトナムを訪問されると思います。
インフラのトップセールスが主な目的だと思いますけれども、今回の訪問の具体的な内容と、今後のインフラ輸出に向けた戦略について、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)本日から8日にかけまして、タイ及びベトナムを訪問いたします。
タイにおきましては、新たな日タイ鉄道協力の覚書に署名を行うとともに、我が国企業連合が鉄道システムを供給いたしました、バンコクの都市鉄道でありますパープルラインの開業式典に出席をいたしまして、日本の鉄道輸出に係るトップセールスを行う予定であります。
また、交通安全分野に関する協力覚書にも署名をする予定であります。
ベトナムにおきましては、政府要人との会談を行いまして、空港、都市開発、鉄道等のトップセールスを行うとともに、防災協働対話の覚書の更新を行いまして、技術協力の強化を図る予定でございます。
国土交通省としましては、我が国の「質の高いインフラ」の強みである安全性や優れた技術や、初期コストに加えてトータルライフコストにも優れていること、工期遵守等のプロジェクトマネジメントの信頼性等をアピールしながら、相手国のニーズの適切な把握と効果的な支援の提案を行いまして、トップセールスも実施しながら、我が国企業の受注を精力的に支援をしていきたいと、このように考えております。

(問)8月2日に三菱自動車工業が燃費不正に関して報告書の公表を行いました。
その中ですと、自動車メーカーとして、車づくりを通じてどういう社会を実現したいかという理念が欠けていたと、結構厳しい言葉が並んでいたように思いますが、改めて報告書の内容の受け止めや、今後の対応等のお考えをお願いします。
(答)三菱自動車工業は、燃費不正問題に関しまして設置をいたしました、第三者による特別調査委員会の調査報告書を8月2日に公表したと承知しております。
この報告書で示された内容は、概ねこれまでに三菱自動車工業から受けた報告内容に沿ったものであると認識しておりますけれども、2011年に行った社内アンケートで、データ偽造等を示唆する回答が複数あったにも関わらず徹底的な調査を行わなかった等、これまでの報告に含まれていない内容につきましては、会社として事実関係を改めて精査した上で、追加報告を行うように三菱自動車工業に対し指示したところです。
国土交通省としましては、三菱自動車工業が、特別調査委員会の調査報告も踏まえた上で再発防止策を着実に実施し、今回のような不正行為を根絶するよう、改めて強く求めていきたいと思います。
なお、再発防止策の進捗状況については、当面四半期ごとに報告を求めていくこととしております。
(問)追加報告を指示したということですが、国土交通省への報告については具体的にいつ頃までにお考えでしょうか。
(答)なるべく早くと考えております。
(問)8月3日のタスクフォースで、今後、燃費データの不正について罰則や不利益処分を導入する方針を軸に考えられているとのことですけれども、改めて今回罰則がなかったということで、罰則の導入に向けてどういった狙いがあるのでしょうか。
(答)今回の三菱自動車工業及びスズキの燃費不正行為を踏まえ、国土交通省としては、省内にタスクフォースを立ち上げ、自動車の型式指定審査におけるメーカーの不正行為を防止するための方策について検討を行ってまいりました。
6月に中間取りまとめを行いまして、抜き打ちでのデータチェックの導入等、審査方法の改善・厳格化を打ち出しておりますが、その上で、タスクフォースに新たに学識経験者及び弁護士を加えまして、一昨日、第5回会合を開催し、不正を行ったメーカーに対する措置について検討を行ったところです。
具体的には、今回の不正行為を踏まえ、自動車の型式指定審査における虚偽の申請を法令上明確に禁止し、それに違反した者を型式指定の効力の停止処分や罰則の対象とすべきであるという方向性が示されたところです。
今回の議論を踏まえ、タスクフォースの最終的な取りまとめを8月中を目途に行い、これらの措置を速やかに導入すべく準備を進めたいと考えております。
(問)6月の処分の時は、大臣のお言葉で不完全燃焼だったというお言葉があったように記憶しておりますが、そういった意味で今回の罰則を科すということで、より国民といいますか、1ユーザーとしても納得できるものになるのではないかお感じでしょうか。
(答)納得といいますか、もともと自動車を製造するような一流企業が不正行為をすることを想定していなかったということで、そういうことがあったというのは極めて残念なことであり、不正行為を行ったとしても、法令に基づく処分ができなかったということについては、不完全燃焼だったと申し上げたところでございます。
今回はこういった事例を踏まえまして、今後のことを睨んで、将来的にそういった不正行為が起きた場合の処罰のあり方等を明確にさせていただいたということでございます。

(問)今日、タクシーの初乗りを410円とする実証実験が始まりました。
大臣としてはこの実験で改めてどういった効果が見られることを期待されていますでしょうか。
また、大臣でしたら410円のタクシーに乗ってみたいかどうか、どのような時に乗ってみたいか、その辺りの御感想をいただきたいと思います。
(答)東京のタクシーの初乗り運賃は海外の主要都市と比べて高い水準にありますので、その引き下げをすることによって、タクシーの短距離の需要を掘り起こしたり、あるいは訪日外国人の観光需要を更に増やしたり、そういった効果があるのではないかと期待をしているところでございます。
個人的にはタクシーに乗る機会が今はないのですが、短い距離、いわゆる「ちょい乗り」というものでしょうか、そういったところで従来以上に使いやすくなるのではないかと思っております。
(問)例えば、飲んだ後とか雨が降った時とか、どのような時に乗りたいでしょうか。
(答)ですから、短距離で乗りたい時です。それは色々なケースがあると思います。

(問)タイとの鉄道協力の御出張ということですが、新幹線技術の導入といったところも注目点の1つですが、日本側としては鉄道協力の覚書をどういったものにしたいというお考えがありますでしょうか。
(答)これは覚書を結んだ後、改めて皆様に御報告させていただきたいと思います。

(問)先月、国土交通省の中に宅配ロッカーを実験的に設置したかと思うのですが、その結果と、今後実際に世の中で使えるかどうかといった検証がどうなっているのか、お聞かせ下さい。
(答)今、宅配の再配達率というのが2割ぐらいになっています。
生産性向上ということをいっていますから、この再配達を少なくしていくというのも、重要な課題になっていると思っています。
国土交通省としましても、先月1ヶ月間、この建物の1階に宅配ロッカーを設置しまして、職員の体験利用を実施したところ、結果として53件の利用があったとの報告を受けております。
初めての試みでありまして、周知不足によって、宅配ロッカーの使用を希望していたのだけれど、直接職場まで持って来てこられてしまったとか、そういう課題がありましたけれども、潜在的なニーズは強いのではないかなと考えております。
今回の試みをよく分析しまして、より使いやすい宅配ロッカーの普及に努めていきたいと考えております。

(問)三菱自動車工業の不正に関してですが、先ほど罰則等を導入するという話ですが、実際の法令改正の手法であったりとか、スケジュール感について教えてください。
(答)先ほど申し上げましたとおり、タスクフォースの最終的なとりまとめが、8月中を目途に行いまして、その後なるべく速やかに措置がとれるようにしていきたいと思っていますけれども、道路運送車両法に基づく省令の改正を軸に、必要となる法令上の措置を検討していきたいと考えております。
(問)先日のタスクフォースで、省令改正を軸にした場合、罰金が30万円以下となるような話が出ていたのですが、30万円だと、大企業のこうした事案の罰則としては安いのかなと、直感的に考えると思ったりもしてしまうのですが、その辺りどうお考えでしょうか。
(答)確かに、法人に対して罰金30万円というのは、低いのではないかという感じはしますが、当面速やかに行える措置と、中長期的にしっかりと検討していく措置というのがあろうかと思います。
罰則を改めて設けるということになりますと、法律改正ということになりますので、全体的にじっくり検討していかなければならない課題と思います。
(問)法改正も含めて検討されていると。
(答)ですから、当面はまず速やかに実施できるよう省令改正を中心に行っていくということです。

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