大臣会見

石井大臣会見要旨

2016年10月21日(金) 9:21 ~ 9:34
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。

質疑応答

(問)東京オリンピック・パラリンピックのボート・カヌー会場の見直しをめぐり、埼玉県知事が彩湖での開催に意欲を示しています。
その一方で、東京都の調査チームは選択肢に入らないとの見解を示していますが、大臣はこの問題について現状どのようにお考えか、また今後どのように対応していく方針かお伺いします。
(答)東京オリンピック・パラリンピックのボート・カヌー競技の会場の候補地に関して、東京都知事や埼玉県知事から、様々な御発言があることについては報道等で承知しております。
御質問の彩湖については、荒川第一調節池として洪水を調整する役割や、水道用の貯水池の役割を持つ治水・利水施設です。
このため、洪水時には、湖の周辺の陸地部分が水没する場合もございます。
また、新たに観覧席等の工作物を整備するためには構造の制約がある等、河川法に基づいて、河川管理者の許可が必要になります。
ボート・カヌー競技会場として彩湖を使用することについては、具体的な整備の提案を伺っておりませんので、コメントは控えさせていただきたいと思います。

(問)昨日、日産自動車が三菱自動車工業に資本参加して、三菱自動車工業の会長にゴーン氏が就くこと、また、社長には益子会長兼社長が残留することが発表されました。
これについての大臣の受け止め、それから大臣がこれまで御発言されてきたことと状況が変わることになりますがそれについてのお考えをお伺いします。
(答)昨日、日産自動車が三菱自動車工業に資本参加し、筆頭株主となることが正式に決定されるとともに、三菱自動車工業の新たな経営体制が示されたと承知しております。
国土交通省としては、新たな経営体制の下で、日産自動車の会長兼社長であるゴーン氏が、三菱自動車工業の会長としてリーダーシップを発揮し、一連の燃費不正行為を踏まえた再発防止策に全力を挙げることを強く期待しているところであります。
なお、9月16日の閣議後会見において、「益子会長兼社長は日産自動車が正式に資本参加をする段階で辞任することを明確にしていると承知している」旨申し上げたところですが、これは、三菱自動車工業が5月18日に行った記者会見における益子会長兼社長の「新体制に引き継ぐまでが私に与えられた使命」等の発言を踏まえたものです。
昨日発表された三菱自動車工業の新たな経営体制は益子氏の発言と異なるものとなっておりますが、これは、三菱自動車工業を自己改革を行う体質に変え、成長路線に乗せるとともに、不正行為の再発防止を進めるためには、三菱自動車工業の社内を熟知している益子氏が不可欠であると日産自動車が判断した結果であると聞いております。
いずれにしましても、新たな経営体制の下で、体質変革と再発防止の徹底が着実に図られるかどうか、国土交通省としてはしっかりと見極めてまいりたいと考えております。
(問)今、大臣が最後に仰った「経営体制の下での体質の変革」について、益子さんが経営陣として残ることで、そうした再発防止の肝に当たる本当の意味での経営改革というところが、実現性に不安を残すのではないかとも思いますが、その辺りはいかがでしょうか。
(答)三菱自動車工業が、一連の燃費不正行為を踏まえ、再発防止を徹底するに当たっては、経営陣、現場を通じて、社内の組織、仕組み、文化を抜本的に見直すことが不可欠であると考えております。
この見直しを進めるに当たり、ゴーン新会長がリーダーシップを確実に発揮するとともに、益子社長が社内をよく知る立場からゴーン会長のリーダーシップをしっかりと支えることが必要となると考えております。
国土交通省としては、再発防止策全般について、その進捗状況を厳しくチェックしてまいりたいと考えております。
(問)そもそも、三菱自動車工業から、今回の人事の件について国土交通省、大臣の方に説明はあったのかどうか教えてください。
(答)説明はございません。
(問)説明がないということですが、今後大臣が仰られているように、今まで益子会長が言っていたこととは違う判断を益子会長は今回されている訳ですが、なぜ判断が変わったのかなど説明を求めたり、先ほどの質問でもあったように今後の再発防止策の実行に不安を残す体制になっていると思いますが、今後の取組について、改めて三菱自動車と日産自動車工業から事情を聞くということは考えていらっしゃいますか。
(答)益子元会長兼社長が仰っていたことと変わっているということについては、益子さん自身が、昨日の記者会見で仰っていると承知しています。
国土交通省としては、特に不安を持つというよりも、今後の再発防止策の徹底を厳しく確認していくという立場でございます。
(問)確認ですが、日産自動車のゴーン会長からすれば株主の立場として、利益を最大化してくれる経営陣が残ってくれることが良いということで、その判断は理解できると思いますが、行政は行政で利益というより法令遵守が徹底されるかどうかということをみる立場にあると思いますが、今回、正に利益は出したけれど法令遵守を徹底出来なかった経営陣がそのまま残るということになるのですが、これに対して国土交通省としては是として不安はないから見守るということでよろしいでしょうか。
(答)ゴーン会長は、利益のことだけ仰っているとは思っておりません。
三菱自動車工業のガバナンスやリスク管理の徹底、また透明性の確保ということも仰っていますから、ゴーン会長がそうしたリーダーシップを確実に発揮し、益子会長が社内をよく知る立場からそのゴーン会長のリーダーシップをしっかりと支えていくことを期待しているところでございます。
(問)くどいようですが、大臣は9月の会見だけではなく、燃費を測る際に5回以上やったときも非常に怒っていらっしゃったと思っています。
レジュメを読んでいるだけではなく、大臣は相当強い意思を持って益子さんは不適任だということを言外に仰っていたようにすら感じます。
それに対して今のお話は非常に理解があるというか寛容というかそのような気がします。
実際に当局としては、色々な場面を通してガバナンスであったりコンプライアンスに対して何度も何度も三菱自動車工業に注意してきた、2000年以降、これまで何度言っても彼らはやらないと事務方からも言ってきたし、大臣もかなり踏み込んで三菱自動車工業を指弾していたと思うのですが、それにしては三菱自動車工業から説明もない、昨日の会見であたかも納得したように仰る。
これは伺っていてこの半年間の大臣の強いリーダーシップからは違うような気がするのですが、そんなことはございませんか。
(答)三菱自動車工業の一連の燃費不正行為については、会長兼社長である益子氏の責任は当然大きいものがあると考えております。
益子氏が新たな経営体制の下で社長として留任するに当たっては、この責任を十分踏まえられた上で、社内をよく知る立場から会長のゴーン氏をしっかりと支え、再発防止策の徹底をしっかりと図っていただきたいと思っております。
(問)関連の質問と別件で質問があるのですが、まず今回の人事の件、大臣には直接お話がなかったということですが、国土交通省、例えば、自動車局などには事前に説明があったのでしょうかというのが1点と、別件で、昨日、岩手県釜石市と米民泊サイト大手のエアビーアンドビーが覚書を締結しました。
エアビーアンドビーが日本の自治体と連携したのは初めてなので、新法の法案提出前の動きということで、大臣の受け止めを教えてください。
(答)自動車局に連絡があったかどうか私は知らないのですが、知っている人いますか。
(事務方)ございません。
(答)ないということでございます。
釜石市がエアビーアンドビーと観光促進に関する覚書を締結した件ですが、それは報道で承知してございます。
釜石市は、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップの試合会場地として選ばれております。
また、2011年の東日本大震災により大きな被害を受けた自治体の1つでございます。
このため、今回の取組により、現行法律上認められている民泊の活用を通じて、釜石市の観光振興や地域活性化の促進の一助となることを期待しているところであります。
国土交通省といたしましては、引き続き関係省庁とともに関係者間の意見調整に努めつつ、民泊の新しい法律の準備を進め、旅行者の多様なニーズに対応した宿泊環境の整備に努めていきたいと考えております。

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