大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年9月7日(金) 10:51 ~ 11:11
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 まず、私の方から2点御報告がございます。
1点目は「平成30年北海道胆振東部地震に対する国土交通省の対応」についてであります。
今回の地震によりお亡くなりになられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に心より御見舞いを申し上げます。
この地震により震度7を観測した厚真町では、大規模な土砂崩れが発生するとともに、広い範囲で家屋倒壊等の被害が発生しております。
国土交通省では、人命救助を最優先に、関係機関と連携して、被災者の救助・救出の支援に全力であたるとともに、土砂災害専門家等のTEC-FORCEを派遣し、二次災害防止に対する技術的助言や、被災状況・支援ニーズの把握に努めるなど、被災自治体の支援に全力であたっております。
揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害のおそれがありますので、今後の地震活動や降雨の状況に十分に注意し、身の安全を図るよう心がけていただきたいと思います。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
2点目は「関西国際空港の早期復旧等に向けた対策プラン」についてであります。
本日、関西国際空港でB滑走路を使用いたしました運用が開始されました。
一方、観光や物流など、日本全体の経済の活性化のために、早急に本格的な復旧を目指す必要があります。
関西国際空港の早期の本格的復旧には、様々な関係者の力を集めることが重要で、そういった観点から、政府内で様々な部局から構成されるタスクフォースを立ち上げ、検討を重ねてきたところです。
今般、タスクフォースにおける検討を踏まえ、「運用再開のための緊急対応」「暫定対応」「本格運用」の3段階からなる、「関西国際空港の早期復旧等に向けた対策プラン」がまとめられました。
まず、第1の緊急対応の段階では、本日のB滑走路による運用再開とあわせて、本日以降、空港へのアクセスにつきましても、緊急車両やシャトルバス等に限定して、連絡橋上り線を用いた対面通行を実施いたします。
引き続き、マイカーの御利用はできませんので、御協力をお願いいたします。
次に、第2の暫定対応の段階では、9月中旬を目途といたしまして、A滑走路の暫定運用による発着を開始するとともに、鉄道による空港アクセスについては、今後、被災した道路橋の撤去作業も含め、概ね4週間後の運行再開を目指します。
最後に、第3の本格運用のための対応といたしまして、滑走路の本格運用について施設点検後に修復時期を確定するとともに、道路による空港アクセスについて、今後2週間を目途といたしまして、連絡橋下り線の復旧時期を確定いたしまして、速やかに工事に着手いたします。
今後はこのプランに沿って、本格的な復旧に向け、政府の総力を挙げて取り組んでまいります。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
次に閣議案件で、私の方から2点御報告がございます。
1点目は「平成30年度一般会計予備費使用の閣議決定」についてであります。
政府として8月2日にとりまとめました「平成30年7月豪雨生活・生業再建支援パッケージ」を踏まえた2回目の予備費として、国土交通省関係では、計570億円を計上しております。
今回は、公共土木施設等の災害復旧等事業に要する経費といたしまして、国が行う河川堤防やダム、国道、国営公園等の復旧、国や県が行う河川の浚渫、樹木の撤去、築堤や、砂防堰堤の整備等に、567億円を計上しております。
また、深刻な影響を受けた観光業の風評被害を払拭するため、府県が行う中国地方や四国地方等における観光支援に要する経費として、3億円を計上しております。
当初予算に計上してあります災害復旧等の経費や、8月3日に閣議決定いたしました1回目の予備費に加えまして、今回の予備費を十分に活用し、引き続き、被災地の早期の復旧・復興に取り組んでまいります。
詳細は後ほど資料を配付いたします。
閣議案件の2点目につきましてですが、「改正建築基準法に関する政令の閣議決定」についてであります。
本日の閣議で、先の国会で成立いたしました改正建築基準法に関する施行令の改正が閣議決定されました。
この施行令におきまして、建物用途や設置場所によらず、一定の面積の範囲内で、宅配ボックス設置部分を容積率規制の対象外とする改正も行いました。
これによりまして、オフィスや商業施設などにおきましても、宅配ボックスを設置しやすくなります。
また、国土交通省では、職員の福利厚生施設といたしまして、9月11日から宅配ボックスの利用を開始することとしております。
これらにつきまして、詳細はのちほど資料を配付いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)先ほど大臣から発言がありました関西国際空港ですが、この前の台風で海上空港が高潮に弱いということが判明しました。
海上空港はほかにも羽田空港ですとか中部国際空港等ありますが、対策は万全なのでしょうか。
国土交通省の対応などがあれば、お聞かせください。
(答)関西国際空港、中部国際空港及び羽田空港におきましては、過去最大クラスの台風を想定したハード・ソフトの対策を行っていたところであります。
しかしながら今回、台風21号によりまして、過去最大を上回る高潮が発生いたしまして、関西空港に被害が発生したことから、その被害を検証いたしまして、他の空港についても、必要に応じて対策を講じてまいりたいと考えております。

(問)関連で関西空港についてなのですけれども、インバウンドのお客さんですとか物流等への影響が懸念されていますが、これへの大臣の御所感をお聞きしたいのと、もう1点、昨日、大阪府知事から官邸に、伊丹や神戸空港を使って、一体的に運用したいというような要望が来ていますけれども、これについての御所感もお願いします。
(答)国際拠点空港であります関西国際空港は、人流、物流の両面におきまして、関西経済に大きな役割を果たし、特に、訪日外国人旅行者については、多くの方が利用されております。
このため、訪日者数へのマイナスの影響を最小限に抑えるべく、B滑走路を使用しまして、本日から運用を再開するなど、全力を挙げて早期復旧に努力しておりますとともに、日本政府観光局を通じまして、代替交通によるアクセス情報等、旅行者目線で必要な情報の発信を行い、風評被害の防止に努めております。
物流につきましては、貨物の取扱いが再開できるよう、物流事業者において、浸水した貨物上屋等の復旧作業に早期に取りかかる予定であります。
併せて、関西国際空港の代替として、成田や中部等への輸出入貨物の振替を手配又は検討しているところであります。
訪日外国人旅行者の受入や物流といった経済への影響を最小限に抑えるべく、関西国際空港の早期復旧に全力を尽くしてまいります。
また、昨日、大阪府知事から官邸に対して、伊丹、神戸両空港に国内、国際両便を受け入れる体制について要望があったことを踏まえてのご質問ですが、そういうご要望があったことは承知してございます。
関西国際空港の本格復旧までの間、関西全体の航空需要に対応するために、伊丹、神戸両空港で国内、国際便を受け入れる体制の確保が必要と考えております。
国土交通省といたしましても、地元関係者との調整を進めているところであります。

(問)新千歳空港についてお伺いいします。
一部で新千歳空港発着の運航が始まるという話も聞こえてきましたが、空港の営業再開の見通しと復旧に向けた作業の進捗について教えてください。
(答)新千歳空港の被災状況につきましては、ターミナルビルに併設されているホテル宿泊者2名に軽傷があったほか、ターミナルビルの一部天井の落下、スプリンクラーの配管損傷による水浸し等の被害がございました。
また、北海道電力からの電力供給の停止によりまして、国内線、国際線ターミナルの機能維持が困難な状況でありましたが、昨日18時半頃に電力供給が再開されまして、国内線ターミナルにつきましては、手荷物取扱施設や保安検査関連施設等のターミナル機能に必要なシステムの正常稼働を確認しております。
これに伴いまして、本日10時50分に成田発バニラエア便が、11時には、羽田発JAL便が新千歳空港へ到着し、以降、各航空会社の機材繰り等を踏まえ、順次に新千歳空港への運航が再開されるものと承知しております。
国際線ターミナルにつきましては、現時点では具体的な運用再開の時期をお示しをできない状況ではありますが、今日中には再開時期の目途をお示ししたいと思っております。
いずれにしましても、早期復旧に向けまして、CIQ機能の稼働の確認、各種システム点検等を実施しておりまして、これらの確認がとれ次第、国際線の運航の再開も進んでいくものと考えております。
現在も、新千歳空港の機能の全面回復に向けまして、空港ビルの運営会社をはじめとして、復旧作業に全力であたっておりますので、国土交通省といたしましても、引き続き、現地空港事務所等を通じまして、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

(問)追加で、今、国際線のお話がありましたが、今日中に目途を示したいというのは、今日中の再開を目指すのか、それとも今日中の再開というのは難しいのでしょうか。
(答)運用再開の時期の目途を今日中にお示ししたいと。

(問)今日中の再開を目指すというのは難しいのでしょうか。
(答)運用再開の時期を今日中にお示しをしたいということです。

(問)一般会計の予備費についてお尋ねしたいと思います。
今回の予備費では、「生活・生業再建支援パッケージ」のどういう事業が含まれているのか、国土交通省関係分の具体的な事業内容を教えていただけますでしょうか。
(答)今回の予備費の使用は、「生活・生業再建支援パッケージ」に位置付けられております、「災害応急復旧」のうち、公共土木施設の災害復旧等、更に「生業の再建」のうち、観光業の風評被害対策に対応するものであります。
まず、公共土木施設の災害復旧等について具体的な内容を申し上げますと、第1に、淀川河川公園及び国営明石海峡公園において、法面崩落等が生じた箇所の災害復旧事業を実施いたします。
第2に、小田川、肱川、三篠川をはじめといたします48の河川と野村ダム、鹿野川ダムをはじめとする10のダムにおきまして、河川堤防等に損傷や変状が生じた箇所の災害復旧等事業を実施いたします。
第3に、広島県広島市の国道2号、京都府の舞鶴市の国道27号、愛媛県宇和島市の国道56号をはじめとする30の路線において、洗掘や法面崩落等が生じた箇所の災害復旧事業を実施いたします。
第4に、治水安全度の向上を図るため、国管理河川の小田川、国及び愛媛県の管理する肱川、岡山県の管理する末政川、高馬川、真谷川等におきまして、河川の浚渫、樹木の撤去、築堤等を緊急的に実施いたします。
小田川、肱川等の5つの河川につきましては、概ね5年間にわたりまして、緊急的・集中的に河川改修を行う河川激甚災害対策特別緊急事業に着手することとしております。
第5に、渓流内に残存します岩、土砂の流出による二次災害を防ぐため、安芸南部山系等の直轄事業15箇所及び広島県安芸郡熊野町川角地区等の補助事業67箇所において、砂防堰堤等の整備を実施いたします。
また、観光業の風評被害対策につきましては、11府県により既に実施をしておりますいわゆる「ふっこう周遊割」に関しまして、「2府県以上・2泊以上」の要件を「2泊以上」に緩和するとともに、四国への訪問窓口となる徳島県と香川県を支援対象に追加するなど、地元のニーズを踏まえた運用の大幅な改善を実施いたします。
国土交通省としては、引き続き、関係府省及び自治体と連携しながら、被災地の生活の再建と生業の再建に向けまして、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

(問)関西空港の国内線再開時期についての発表の関係で、5日の夜に関西エアポートが、未定と話したと思うのですけれども、翌日の朝に、安倍総理から7日中に再開という発表がありましたが、短期間で再開の見通しがあのようになったと思われますけれども、どのような事情の変化があったのか、伺ってもよろしいでしょうか。
(答)5日の夜の時点では、関西エアポートとしましても、早期の復旧を目指して努力されている一方で、空港内の多くの滞留者にも対応しなければいけないという状況下でありましたので、必ずしも適確に情報収集、分析できない事情もあったのではないかと推察しております。
その後、様々な機関から施設の被災状況や再開に向けた対応状況についての把握が進み、早期の復旧に向けて対策を検討した結果、6日朝の時点で、7日中に再開可能と判断されたものと承知をしているところであります。

(問)先ほどの新千歳空港の再開の関係で関連でお尋ねしたいのですが、現在、JR北海道の在来線の運行再開がまだ始まっていないかと思うのですけれども、空港へのアクセス、バスとかも含めて、救援に向かわれる方の移動とかにもまだ支障が出ている状況かと思うのですが、今後の見通しや方針がありましたらお聞かせください。
(答)快速エアポートにつきましては、札幌~新千歳空港間で、本日13時頃を目途に運行を再開される予定と聞いておりますけれども、投入できる車両編成数の関係で、通常の半分程度のダイヤとなる見込みと報告を受けております。
なお、小樽~札幌間につきましては、線路の安全確認や車両の準備ができ次第、通常ダイヤになるということでございます。
国土交通省としましては、引き続き、北海道内の鉄道が早期に通常運行されるよう必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

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